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公益財団法人日本バスケットボール協会副会長、公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグBリーグチェアマンの大河正明です。
 
前回は、新体制のもと行った日本バスケットボール協会の立て直しと、プロリーグの構築についてお話しました。今回は、プロリーグ立ち上げにあたって、実際どのような活動をしていたのかご説明します。
 
 

地域に根ざしたスポーツとして発展していく

 
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新しく立ち上げたプロリーグでは、「地域に根ざしたスポーツクラブとして地域に生活する皆様とともに発展していきたい」という考えています。もちろん、bjリーグやNBLでも地域と向き合う活動はしていました。しかし、所属している企業の業績によってクラブ活動を続けられなくなることが、バスケットボールだけではなくいくつかのスポーツで起こっています。景気に左右されずにクラブを存続させていくためには、これまでのリーグが実践していた以上に地域に密着していく必要があると考えました。
 
Bリーグでは、「ホームタウン(活動地域)を決めること」「チーム名と呼称には地域名が含まれること」といった地域を意識した項目があります。ホームタウンでお祭りなどのイベントには、選手にも積極的に参加し地域の皆さんと交流してもらいたいと思っています。身近で親しみが持てる存在になれるように活動していくことが重要です。
 
 

財務の健全性を示す

 
BリーグはB1、B2、B3という3つのリーグに分けられます。1部リーグであるB1への参加条件の中でハードルが高かったのは、「5000人以上を収容できるホームアリーナを有する」「年間試合数の8割以上のホームゲームを実施できるホームアリーナの確保」という項目でしょうね。
 
いっぽう、最も重視した点は財務の健全性です。参加希望のクラブには、財務諸表など様々な書類を提出してもらったうえで、リーグの事務所までお越しいただき、ヒアリングを実施しました。
 
5000人収納可能なアリーナで、観客が1000人しか集まらなくても、試合を行うことはできます。ただ、採算の取れない試合が続くと資金繰りが悪化し、財政が破綻してしまうこともあるんです。選手人件費を先に決めてしまい、収入は後から考えるといった杜撰な経営をしていたクラブも多く見られました。実際に、bjリーグやNBLでも、多くのクラブが財政の事情で立ち行かなくなっています。そうならないよう、予算管理方法や、どのように収入を伸ばしていくのかなどのアドバイスを行いました。こうしたアドバイスは、リーグを1部~3部に分けるときだけでなく、現在も継続して行っています。次回は、Bリーグが立ち上がってからの、我々の仕事についてお話ししましょう。
 
 
大河正明の「バスケットボール界に学ぶ組織の建て直し方」
Vol.4 財務管理を整えクラブの存続を図る
 

 著者プロフィール  

大河正明 Okawa Masaaki

 経 歴  

1958年生まれ。58歳。京都大学法学部卒。三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。1995年、日本プロサッカーリーグに出向し、総務部長に。同行に戻った後はリテール営業部部長(特命)、町田支店長などを経て2010年に退行した。同年、日本プロサッカーリーグに入社し管理統括本部長、常務理事などを歴任。2015年にジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグチェアマン(理事長)、2016年には日本バスケットボール協会副会長に就任した。バスケットボール協議暦は1973年に全日本中学バスケットボール大会ベスト4、1975年に近畿高等学校バスケットボール選手権大会準優勝。

 Bリーグ公式サイト 

https://www.bleague.jp

 
 
(2017.5.2)
 
 
 
 

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