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繁盛請負人佐藤勝人の時事国々リポート  vol.100 「人の能力やキャパは違うから、自分は自分の役割に準じなさい」という話

ビジネス 繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート vol.100 「人の能力やキャパは違うから、自分は自分の役割に準じなさい」という話 繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート 商業経営コンサルタント/サトーカメラ代表取締役副社長

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皆さんこんにちは! 佐藤勝人です。おかげさまで、この連載も100回記念を迎えました。毎月毎月続けてきてついに100回。100回っていったら100ヶ月だよ。100ヶ月っていったら8年強だよ。いや~、長くお付き合いくださってありがとうございます。それもこれも、毎月読んでくださる皆さんと、話をまとめてくれる編集部の皆さんの助力があってこそです。あらためて、お礼を言います。
 
 

私が質問する理由と
息子に教えられた普通の人の思考

 
社内レポート「佐藤勝人の裏の努力と現場目線」の一部
社内レポート「佐藤勝人の裏の努力と現場目線」の一部
この間に私も一巡して還暦を迎えた。私的にはこれから経営者としてのピークを迎えるので、ますます頑張ろうと思っていたら、息子に「そういうのは、もういいから」と叱られた(笑)。何に関して「もういいから」と言われたかというと、部下に私レベルを求めるということに対してだ。
 
そんな話になったきっかけは私の質問“習慣”だった(私としては意図的にやっていることだから、質問“癖”とは言わないでおく)。
 
どういうことかというと、私は、コンサルタント業で得た手法として、何事に関しても「どうして? なぜ?」と何度も繰り返し質問する習慣がある。それは、
1,自分がわからないから聞く場合
2,周りの人がわかっていないのがわかるから、代わりに聞いて出汁になってあげる場合
3,本人が知っていても、「知る」と「わかる」は違うから、実力を付けさせるために聞く場合
という、大きく分けて3つのパターンがある。
 
でも、相手は、私がそんな意図を持って質問しているとは思わないわけでね。単に「こいつわかってねえな~」とか、「何度も同じこと言わせないで!」とか、「ちゃんと聞いといてくださいよ」とかみたいな受け取り方になってしまう人がいる。そのことに気付かないまま、先日の1on1ミーティングで私が息子に「なぜだ? どうしてだ?」と繰り返していたら、息子がついに「ウザい!」ってなってね。
 
それに対してまた私が、「なぜウザいと感じるのか?」と、本人の心の動きを自分で言葉にさせながら何度も繰り返し聞いて、本人に気付かせていった。息子は、私の質問には3つのパターンがあったことを、このとき初めて知ったらしい。それで息子が私に教えてくれたんだけど、質問というのは普通の人の普通の思考にとっては、「自分がわからないから聞く」という一択なんだってね。そこで私も初めて、質問される側の気持ちを知ったわけだった。
 
 

還暦を迎えたからこその展開!?
新たな課題は「当たり前のスタンス」に慣れること

 
私は2000年にコンサルタントを始めたときからずっと、コンサルの仕事とはそういうものだと思って、一貫してプロデュース側に回ってきた。けど、一回りして最近思い出したのは、私はもともとは“担がれる”側になりたかったんだよね。プロデュースされる側というか、演者側、タレント側になりたかった。私のことをどう使ってくれても構わないから、担いでくれたら何でもやるよ! というスタンス。「それが誰かのためになるなら、どんな神輿の上にでも上がろうじゃないか!」という考えだった。
 
でも、それが一巡したというのなら、これからの私のミッションは、今までみたいに「この部下がわかっていないだろうから出汁となって代わりに質問してあげよう」とか、「成功したら相手の手柄にしてあげよう」というコンサルタント的な思考を社内ではストップさせて、「みんなと一緒に考えて、成功したらみんなで喜ぶ」という当たり前のスタンスに自分を慣れさせていくこと、会社のあり方としてもそういう方向に舵を切ることなんだろうと思う。
 
また「そのほうがいい」と教えてくれた人が自分の息子だったというのが、あまり何度も言って強調したくはないが、還暦ならではの展開というか、人としての役割が一巡したということか。
 
 

人の能力差を多様性の文脈で捉え
差別ではなく区別することを覚えるべきなのか

 
私がそういう話を続けていたら、この連載の制作チームの一人が、「境界知能」の話をし始めた。彼によると、人の知能レベルは一般に思われているよりもバラつきがあって、知的障害レベルまではいかないけれど知能が低い人たちにとっては、普通なら説明されればわかるようなことでも理解できないし、理解できないから仕事で何か指示されてもできないし、それで自分を責めてしまってメンタルが落ち込めばもっと頭の働きが鈍くなるし、しかも、傍目には普通に見えるから周囲の理解は得られないしで、結構大変な問題なんだそうだ。
 
彼の見立てでは、境界知能という概念が知られるようになったのはほんのここ1、2年のことらしい。数年前から一般社会においても企業においても「多様性(ダイバーシティ)」の概念がすごく言われてきて、それがある程度浸透したことで、境界知能の人たちのことが初めて公に語られ出した。知的優劣の話じゃなく、ヒトの多様性のバリエーションの一つとして、知能指数が低い人とか脳の知的活動が鈍っている状態の人のことを捉えられるようになった――という話だった。
 
「息子さんが『部下に自分と同じレベルを求めるな』『あなたレベルの努力と負荷には普通の人は耐えられません』と突き放して言ったのは、どことなく境界知能の話に通じる気がしますね」とのことだったけど、なるほどなぁ・・・。果たしてその通りだとしたら、確かに、私と同じレベルを期待することのほうが酷なことだということか。
 
でも、そうか、「区別することを覚えなさい」ということなのかな。特に今は働き方改革で、昔みたいに限界まで努力させて鍛えるやり方は社会的にも許されないから。130km/hの球しか投げられない人は130km/hのまま。負荷をかけて鍛えて150km/hを投げられるようになることが必ずしも正解じゃないし、むしろ、どう頑張っても150km/h投げるのは無理な人のことも理解してやれ、という話なんだろう。
 
昔、ワタミの渡邉美樹さんが、店長に自分と同じレベルのタフさを求める発言をして大炎上したことがあったけど、私も皆さんもそうならないようにしないといけないね。
 
立春を迎えて旧暦でも新年になった早々に、そんな反省をしました。さあ~、生まれ変わって、新しい自分をつくっていこうと思います!
 
 
 
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繁盛請負人佐藤勝人の時事国々リポート
vol.100 「人の能力やキャパは違うから、自分は自分の役割に準じなさい」という話
(2025.2.19)

 著者プロフィール  

佐藤 勝人 Katsuhito Sato

サトーカメラ代表取締役副社長/日本販売促進研究所.商業経営コンサルタント/想道美留(上海)有限公司チーフコンサルタント/作新学院大学客員教授/宇都宮メディア.アーツ専門学校特別講師/商業経営者育成「勝人塾」塾長

 経 歴  

栃木県宇都宮市生まれ。1988年、23歳で家業のカメラ店を地域密着型のカメラ写真専門店に業態転換し社員ゼロから兄弟でスタート。「想い出をキレイに一生残すために」という企業理念のもと、栃木県エリアに絞り込み専門分野に集中特化することで独自の経営スタイルを確立しながら自身4度目となるビジネスモデルの変革に挑戦中。栃木県民のカメラ・レンズ年間消費量を全国平均の3倍以上に押し上げ圧倒的1位を獲得(総務省調べ)。2015年キヤノン中国と業務提携しサトーカメラ宇都宮本店をモデルにしたアジア№1の上海ショールームを開設。中国のカメラ業界のコンサルティングにも携わっている。また商業経営コンサルタントとしても全国15ヶ所で経営者育成塾「勝人塾」を主宰。実務家歴39年目にして商業経営コンサルタント歴22年目と二足の草鞋を履き続ける実践的育成法で唯一無二の指導者となる。年商1000万〜1兆円企業と支援先は広がり、規模・業態・業種・業界を問わず、あらゆる企業から評価を得ている。最新刊に「地域密着店がリアル×ネットで全国繁盛店になる方法」(同文館出版)がある。Youtube公式チャンネル「サトーカメラch」「佐藤勝人」でも情報発信中。

 オフィシャルサイト 

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 オフィシャルフェイスブック 

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