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◆ワインを楽しみ尽くすなら
ボジョレーヌーヴォーのブームや田崎真也氏の世界最優秀ソムリエコンクール優勝、そしてポリフェノールブームを受け、90年代以降は日本でも親しみやすい存在になったワイン。ブドウの品種や産地、気候によって味が大きく変化するワインの奥深さに魅了され、趣味として楽しむ人も増えました。中には、自宅にセラーを構えたり、希少な銘柄をコレクションしたり、というこだわり派も。
しかし、ワイン自体の産地や年代のチェック、温度管理は徹底しても、グラスにまでこだわる人は意外と少ないものです。 “ワインの個性を最大限に活かし、美味しく楽しむには、実はグラスが重要”。 この考えのもと、ワインを徹底的に引き立てるグラスを手がけるのが、世界中で支持されるグラスブランド「リーデル」です。
リーデル社は、1756年に創業。ボヘミアのガラス工房から始まり、約250年、技術革新を続けてきました。中でも、リーデルの歴史の中で大革命が起きたのが1958年のこと。9代目当主のクラウス・リーデルは、たまたまグラスを変えて同じワインを飲んだ瞬間、味や香りの違いを明確に感じたと言います。
それ以降、ワイン生産者たちと共に研究を重ね、ブドウの品種に合わせたワイングラスを続々と生み出すこととなったのです。
◆「グラスが変わればワインが変わる」
リーデルでは、カジュアルに使える 「オヴァチュア」 や、最もメジャーなマシンメイドの 「ヴィノム 」 そしてハンドメイドの 「ソムリエ」 など、10種以上のシリーズを展開し、さらに 「カべルネ・ソーヴィニヨン」 や、「ピノ・ノワール」 など、ブドウの品種と同じ名前を冠するグラスが多数揃います。
「現在、日本で手に入るリーデルのグラスは160種以上になります。グラスのシリーズも当初3種類だったものが、現在では10種以上に増え、よりライフスタイルに合わせてグラスを選べるようになりました」。そう語るのは、リーデル・ジャパンの代表取締役社長であるウォルフガング・アンギャル氏です。
アンギャル氏は、1989年より日本にリーデルのグラス、そしてグラスとワインの関係を広めてきました。「リーデル社は、ブドウの品種ごとに適したグラスを提供するというコンセプトを世界で初めて生み出した企業であり、“飲み物の個性がグラスの形状を決定する” を基本理念としています。しかし、いくらグラスによって味と香りが変わると言っても、お客様にはなかなか伝わりません。このリーデル・ワイン・ブティック青山本店では、グラスの重要性を知っていただくため、テイスティングセミナーを行っているんです。やはり、違いを実際に感じてもらうのが一番のメッセージ。経験すれば、メモリーに残りますからね」。
グラスが変わることでワインの味と香りが変わるとは、いったいどのように・・・? そこで、実際にセミナーに参加し、レクチャーを受けてきました。