B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

ライフスタイルLIFESTYLE

罠シェアリングで狩猟追体験
「いただきます」を考える
罠ブラザーズ

◆ジビエ肉を口にするまでの過程を
 狩猟から追体験できるサービス

 
glay-s1top.jpg
罠シェアリングサービス「罠ブラザーズ」
この10年ほどで専門店が一気に増え、ブームが続いているジビエ肉。日本では北海道を除いて狩猟解禁期間は11月15日から2月15日に設定されており、特にイノシシやカモは冬にかけて脂がのっていて、まさに今が旬です。ひと昔前は“冬のご馳走”として、地場消費されるほか、都心部でジビエ肉を味わうとなるとフレンチなどの高級料理店のイメージも強かったこともあり、一般的ではなかったかもしれません。昨今は全国的に鳥獣駆除の副産物としてジビエを有効活用しようする動きも高まっていることから、消費者もジビエに親しむ機会が増えました。
 
赤身が多い鹿肉などは「ヘルシーでおいしい!」とメディアでもたびたび取り上げられ、好んで食べている人も少なくありません。ただ、ジビエ肉の人気が高まる一方で、おいしい料理として口にするまでの過程を意識する人は、ほとんどいないのではないでしょうか――? 
 
そこで今回は、街にいながら、狩猟からジビエ肉を“いただく”までの過程を追体験できる罠シェアリングサービス「罠ブラザーズ」フィーチャー。このユニークな取り組みを通じて、命をいただくことのありがたさをあらためて感じるとともに、山と狩猟の実態について考えてみましょう。
 
glay-s1top.jpg
街にいながら狩猟を追体験!?
glay-s1top.jpg
命が食卓に並ぶまでの過程に注目
glay-s1top.jpg
「いただきます」をあらためて考える
 
 

◆猟師から狩猟のコンテンツを共有
 ブラザーと同じ罠の肉を食べる!

 
glay-s1top.jpg
レポートをもとに罠の設置エリアを選定
罠ブラザーズは、単にジビエ肉を購入できるサービスではなく、罠シェアリングによって狩猟からジビエ肉をいただくまでの過程を追体験できる点が大きな特徴です。
 
罠のオーナーになりサービスが開始すると、罠を仕かけるエリアごとの特徴や鹿の動向の情報が提供されます。その情報を参考にしながら、期間中オーナーになる罠設置エリアを自分でセレクト。すると、猟師が毎日罠の状況を確認し、オーナー限定コミュニティ内で罠の状況報告、さらには山の様子や猟師の生活、狩猟に関するさまざまなコンテンツを写真や動画で共有してくれるので、実際に狩猟に参加している臨場感が感じられるでしょう。もちろん、実際に罠に獲物がかかったら、すぐにお知らせが! その後、仕留めた鹿は食肉として処理され、オーナーの手元に届くシステムになっています。もし選んだ罠設置エリアに獲物がかからなかったとしても、コミュニティに所属するブラザー同士で鹿肉のお裾分けがあるそうなので安心です。
 
近年は過疎高齢化や銃規制の問題、狩猟場の減少といったさまざまな事情から狩猟者も減ってしまっているとか。狩猟が減ったことで、野生の鹿の個体数増加や分布の拡大は加速。生態系や農林業への被害が深刻化し、現在は有害鳥獣捕獲の対象となっています。このブラザーズの取り組みは、狩猟を行う人達の活動支援と、こうした農林業の問題を考える機会の提供にもつながっているのです。
 
glay-s1top.jpg
山で起きていることや猟師の活動を知ることができる
glay-s1top.jpg
設置した罠に鹿がかかると、後日、鹿肉が届く流れ
 
 

◆1シーズンから長期的なプランも
 山や猟師とのさまざまな関わり方

 
glay-s1top.jpg
LINEでのレポートの様子
日常において、動物を獲るところから実際に口にするまでの過程を目にする機会がない人がほとんどのはず。コミュニティの活動報告には、鹿を仕留めるシーンなど、一部刺激的な内容が含まれる場合があると言います。しかし、そうした過程や山で何が起きているかを目の当たりにするからこそ、命をいただくありがたさを再認識し、味わえるおいしさがあるのではないでしょうか。
 
まずは山や猟師について一から知りたいという人は、ベーシックな季節限定の1ヶ月お試しプラン「1シーズンプラン」を選んでみては。レポートで活動報告や山の様子などの情報を得るだけでなく、LINEを使って猟師に罠や猟について質問も可能。自分が選んだ罠エリアに鹿がかかると、1頭ごとに、500g程度のブロック肉がもらえます。鹿がかからない場合も、最低800~1000g程度の調理済の肉がおすそ分けとして届くほか、開催終了後、料理人が調理した鹿肉をブラザーのみんなで食べる機会もあるそうなので、そちらもお楽しみ。こちらの1シーズンプランは、次回は2025年4月頃に販売予定とのことなので、興味を持ったらウェイティングリストへの登録がマストです。
 
罠ブラザーズの活動に継続的に関わりたい、もっと鹿肉を食べたいという人は年間プラン「アメイジング 罠ブラザーズ」がいいでしょう。こちらはレポートは月ごと、罠にかかった鹿肉は約1.5㎏、3ヶ月ごとのお届け。罠ブラザーズの猟師の見回りに同行することができる特典などもあるので、お試しを経てより猟師とつながりが深めたい人はぜひ、こちらのプランを!
 
また、罠ブラザーズでは定期的に、山に入り罠を設置したり、猟師と共にジビエ肉を食べたり、農家見学や鹿革ワークショップも組み込まれた現地体験ツアー「僕たちはどう食べるかツアー」も開催中。現地で知り、考え、五感で感じることで、日々、何気なく口にしている命の尊さや、その先にあるさまざまな問題も、きっとより具体的に見えてくるはず。生きるうえで欠かせない食と向き合うことで、日々の暮らしとの向き合方も何かが変わるかもしれません。そのきっかけとして、ぜひ罠ブラザーズの取り組みに注目してみてください。
 
glay-s1top.jpg
「僕たちはどう食べるかツアー」の様子
glay-s1top.jpg
山や畑の見学や体験は、まさに大人の”食育”
 
glay-s1top.jpg
ツアーでは自分たちが精肉したジビエ尽くしの夕食を
glay-s1top.jpg
ツアーのワークショップにて鹿の革や角を活かした小物制作
 
 
 
罠ブラザーズ
https://wana-bros.com/

ライフスタイルランキング

関連記事