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カテゴリ:社会
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デジタル課税と自国主義 ~あるいは「相続土地国庫帰属法」の意義~ 今年4月、「民法等の一部を改正する法律」――いわゆる改正民法――と「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」が成立し、同月28日、公布された。法務省のサイトにはこうある。「両法律は、...
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ダークストアって何? ~「OniGO」から始める概念の交通整理~ 8月25日、宅配のみの食品スーパー「OniGO(オニゴー)」の一号店が、東急東横線学芸大学駅徒歩9分の立地にオープンした。アプリで注文すると10分以内に商品が届く「即配」が売りで、1店舗あたりのカバー...
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ファクタリングと就業不能保険 ~金融・保険業の時代対応に関する一考察~ 先月20日、日刊工業新聞17面に「就業不能保険 対象広く」と題した記事が載った。袖見出しは「東京海上日動 軽度のケガ・コロナも」。横見出しは「若年層の利用拡大狙う」である。また、その隣には「中小の売掛...
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首都高速道路の料金はどうなるか ~オリパラ期間中の料金体系はターゲティング価格への布石?~ 昨7月19日、都内の首都高速で変動料金制(ロードプライシング)の適用が始まった。8月9日までのオリンピック期間中と8月24日から9月5日までのパラリンピック期間中、自家用普通自動車・軽自動車と二輪車の...
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ウッドショックが問いかけるもの ~木材はどこから来るか~ 建築業界で「ウッドショック」が広がっている。アメリカと中国という木材の二大消費地で「ウイルスを避けたい人たちの戸建て新築・リフォームラッシュ」が起き、需給が逼迫して現地の製材品価格が高騰したことがきっ...
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エイジングテック、始まる。 ~「Aging2.0」という世界観~ 日本は世界有数の、というより世界一の長寿国だと多くの日本人が思ってきただろう。が、2017年にシンガポール保健省とワシントン大学付属健康測定・評価研究所(IHME)が調査したところ、シンガポールが日本...
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IoBはネガティブ? ポジティブ? ~振る舞いのインターネットInternet of Behaviorをどう取り入れるか~ 昨2020年11月、調査会社のガートナーが2021年版の「戦略的テクノロジのトップ・トレンド」を発表。9つのトップ・トレンドの筆頭にInternet of Behaviors(IoB)を挙げた。IoB...
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70歳就業法に関するアーカイブ ~論の起点としての施行前夜の記録~ 昨2020年3月末に成立した改正高年齢者雇用安定法(高年齢者等の雇用の安定等に関する法律)、通称「70歳就業法」が今月施行された。昔は60歳定年が普通だったのが、前回2013年の改正で希望すれば65歳...
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「大きな物語」としての脱炭素 ~EVシフトを切り口に考える~ EV(電気自動車)が注目されている。昨年10月に首相が所信表明演説で示した「2050年までに地球温暖化ガスの排出を実質ゼロにする」というカーボンニュートラル政策と、続いて出された「2030年代半ばまで...
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オンライン薬局、始まる。~対人か対物か。もう一つの「医」の転換期~ 行き着けの居酒屋で「先生」と呼ばれる人がいる。コロッと太って銀色の口ひげをたくわえた、快活によくしゃべる、銀髪に角ぶちメガネで陽性キャラの、初老の男性である。聞こえてくる会話の内容からドクターだとばか...
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伊東乾の「知の品格」 vol.18 謙虚さと率直さとユーモアと 言葉の手触りから(2) (前回からの続き) 「文化の潮目の地」を背景に持つ意味 フランスで起きたイスラム過激派を名乗る犯人による雑誌編集部の襲撃は非常に残念な事件でし
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伊東乾の「知の品格」 vol.17 「いのち」と「生命」の狭間 言葉の手触りから(1) 新しい年を迎えるに当たって「いのち」を考える繊細な言葉のニュアンスを考えてみたいと思います。そういう知の品格が大切なのですが、なかなか重視されない昨今の日本、少し落ち着いて、デリケートな
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伊東乾の「知の品格」 vol.16 時間軸に照らせば 「ヘイト」を笑う知の品格(5) (前回からの続き) ヘイトを巡る国内での話題を目にして、私が特に思うのは「時間的島国根性」ということです。 隣国人とりわけ朝鮮半島にルーツを持つ人々に愚かし
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伊東乾の「知の品格」 vol.15 メディアとクリエータの責任 「ヘイト」を笑う知の品格(4) (前回からの続き) 2014年の日本で社会問題化している「ヘイトスピーチ」は、その大半が在日韓国・朝鮮人をターゲットとするもので、在日中国人や在日イラン人、ましてや在日米国
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伊東乾の「知の品格」 vol.14 背景の必然への眼差しを 「ヘイト」を笑う知の品格(3) (前回からの続き) あるところで、こんな放送を聴きました。 「戦争で国と国がいがみ合うと、その遺恨は200年残るという。つまり戦後70年経ったとしたら、あと1