B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

トピックスTOPICS

コラム ほめ達!の「未来を拓く言葉たち」第27回 運がいい人とは? 他人に思いを伝えるコツ ほめ達!の「未来を拓く言葉たち」 一般社団法人日本ほめる達人協会 理事長 西村貴好

コラム
皆さん、グループとチームの違いはわかりますか? 今回はその違いの解説からスタートして、運がいいとはどういうことか、そして人前で思いを伝える話をするには、どんな心構えが必要かを紹介します。
 

チームは目的や目標を共有している

 
glay-s1top.jpg
鳥取県米子市との新プロジェクトに向け、伊木隆司市長(右隣)を表敬訪問
グループは友だち付き合いのような感じで、自分と似たような価値観の人たちの集まりです。それに対してチームは、個々人の思いはバラバラだったとしても、共通の目的やそれを目指すための目標を共有して進めていく集団のこと。会社などの組織はグループではなく、チームです。達成すべき目標や目指すべき目的があるから、組織的な動きをスムーズにするためにリーダーがいて、守るべきルールがある。
 
人によって情熱に差はあったとしても、思いや目標・目的は共有している。そこに向かってそれぞれが役割果たしていくのがチームです。ですから、そのチームが目指している目的を理解し、そのために設定している目標を共有したうえで行動ができない人は、チームのメンバーとしてその場にい続けるのが、難しくなるでしょう。
 
でも、目標や目的が明確になっていない会社で働くよりは、目指すべきことがはっきりしている環境のほうが、働きやすいと思いませんか? そういう環境は評価基準も明確なはず。目的もなく進んでいる会社は、何をよりどころにして仕事をすればいいかが決まってないわけですから、自分が評価されるために何をすればいいのか、困ってしまうかもしれません。そちらのほうが、大変な職場だと思いますし、そういうところで働いている人は、「自分はついていないなぁ」と思うかもしれません。
 
 

運がいい人、悪い人

 
でも、私は運の悪い人はこの世にはいないと思っています。いるのは、運が悪いと思い込んでいる人と、運がいいと思い込んでいる人のどちらかです。要するに、どちらも勘違いしているんです(笑)。おもしろいものですね。
 
ただ一つ言えるのは、成功している人の中に、自分は運が悪いと思っている人はいないということ。つまり、成功者はみんな、自分は運がいいと思い込んでいる人なんです。そういう人たちは何が起きても、その事象を前にして「ラッキー、俺はついてる!」と考えられます。
 
意識がプラスに向いているから、プラスの言葉だけを意識が拾い上げる。つまり、運がいいと思い込めるかそうでないかは、意識がプラスかマイナスになっているかの違いによるものなんですね。そう考えるなら、自分は運がいいと思えるようになるには、脳がそう思うように、しつければいいんですよ。
 
では、そのためには何をすればいいかというと、何があっても常に、自分は運がいい――と言い続けること。思い続けることです。それさえ意識し続けて習慣にさえできれば、仮に何かに失敗してしまっても、「自分は運がいい! この逆境こそがチャンスかもしれない!」と前向きに考えられるようになります。ぜひ、訓練してみてください。
 
 

思いを伝えるコツ

 
先日、「人前で話すとき、しっかりと言いたいこと伝えるコツはありませんか」と聞かれました。私の考えを言うなら、まず、話す長さは短ければ短いほどいいです。では、伝えたいことを短くまとめるためのコツは何かというと、話の終わりを決めることですね。どういう内容でどういう言葉で締めるのかをあらかじめ決めておく。締めどころを決めておかないと、終わるタイミングが見つけられずに喋り続けてしまう可能性があるので、ともかく、最後はこれで終わるんだという、終わり方を決めて話すことです。
 
もう一つ言うなら、伝えたいことがあって話すわけですから、その伝えたいことだけを喋ればいい。それに関連したエピソードなどを何個も付け加えていると、話が長くなるだけで、相手には余計に伝わりづらくなります。
 
そもそも、説明が長いのは、自分自身も何を言いたいのか理解できていないということかもしれません。語ろうとすることの本質が理解できていない可能性があります。ですから、自分がきちんと理解していて、伝えたいことだけを短く伝えるよう心がける。それ以外の部分は省いてください。そして、話すときには、私が伝えたいのはこういうことです。なぜなら――という風に、論理的かつ簡潔に喋ることが大事です。
 
あらかじめ考慮しておくべきことは、人は自分の聞きたい話しか聞かないということです。
講演が上手な人は、話す能力に長けているということもありますが、それ以上に、その能力のほとんどを、聞き手のリアクションを観察することに費やしています。
 
自分が話している際の相手の反応を見て、その反応から、相手が本当に聞きたがっていることが何なのかを探り出し、そのうえで、自分の引き出しの中から相手に伝わるだろう言葉を選び出していく。優れた話し手になるには、相手に関心を寄せて、相手の知りたいことをリサーチし、知っておくことが大事なんですね。
 
だから、相手が聞きたいだろうと思う内容を把握したうえで、自分が伝えたいことに当てはめて話すと効果的です。自分が伝えたいことと、それを聞いてくれた相手にどんなメリットがあるのか、その共通項を探さなくてはならない。だからこそ、相手に関心を寄せることが必要なのです。言い換えると、相手の関心に関心を寄せるということです。聞き手は何に関心を持っているだろうか――ということを常に考え続ける。これが話し上手な人の共通点です。
 
ほめ達!の「未来を拓く言葉たち」
第27回 運がいい人とは? 他人に思いを伝えるコツ
 
(2019.6.26)
 

 著者プロフィール  

西村 貴好 Nishimura Takayoshi

一般社団法人日本ほめる達人協会 理事長

 経 歴  

1968年生まれ。大阪府出身の「泣く子もほめる!」ほめる達人。ホテルを経営する家の三代目として生まれ、経営術を学びつつ育つ。関西大学法学部卒業後、大手不動産に入社して最年少トップセールスを樹立。その後、家業のホテルを継いで経験を積み、2005年に覆面調査会社「C’s」を創業する。短所ではなく長所を指摘することが調査対象の企業成長に効果があると発見し、「ほめる」ことの重要性に気付く。数々の実績を上げる中で、2010年2月に「ほめ達!」検定を実施する、一般社団法人日本ほめる達人協会を設立し、理事長に就任。以降、検定を通じて「ほめ達!」の伝播に尽力している。著書に『繁盛店の「ほめる」仕組み』(同文舘出版)、『ほめる生き方』(マガジンハウス)、『心をひらく「ほめグセ」の魔法』(経済界)、『泣く子もほめる!「ほめ達」の魔法』(経済界)、『人に好かれる話し方41』(三笠書房)などがある。

 日本ほめる達人協会オフィシャルサイト 

http://www.hometatsu.jp

 西村貴好オフィシャルブログ 

http://ameblo.jp/nishitaka217/

 フェイスブック 

https://www.facebook.com/hometatsu

 
 
 
 

KEYWORD

関連記事

最新トピックス記事

カテゴリ

バックナンバー

コラムニスト一覧

最新記事

話題の記事