恐怖を感じながら前に進む人
たとえ恐怖を感じても、それを乗り越えた先に成長があることを知っているから、臆病さを抱えながらも行動できる人――それが勇気のある人なんですね。以前この連載で「成長に必要な3つの勇気とは?」というお話をしたことがあります。興味があればそちらも読んでみてください。
成長とは変化であり、変化とはストレスです。ストレスを感じないことばかりしていては、成長はないんですね。成長には、心の筋肉痛、成長痛を感じる必要があります。
リーダーは希望を失わない
リーダーは組織の目指すべき方向性を自分が率いている人たちに正確に伝え、そのイメージを共有する必要があります。そのためにはどうすればいいでしょうか。まずは自分自身が信念を持ち、それを言葉にする能力が必要です。
言葉とイメージを共有するには
人間ですから、すべてを完全に共有することはできません。その、生じる差異をどう埋めるべきか。それについては、できるだけ共通言語を持つことが大事です。共通言語は、共通の体験を通じて生まれます。同じ体験をしてきた人同士のほうが、共通のイメージを持ちやすくなるんですね。これが共通認識。
例えば、海外旅行をしたことのない人が世界一周することを考えたとしたら、それはものすごくハードな旅をイメージするでしょう。でも、世界一周を何度もしたことがある人たちのコミュニティでは、一周することに対するイメージは、さほど難しいものにはならないはずです。それは、共通の体験をした者同士だからイメージ、認識を共有できることですよね。
情熱を失わず、繰り返し同じことを言えるか
私は「センモンカ」という言葉には、2つの意味があると思います。一つは「1000種類」の質問に答えられる人。もう一つは同じ質問に対しての答えを、前回答えたとき以上の情熱をもって「1000回」答えられる人。そして、そうした答えを言葉にするために、常に工夫を凝らしている人こそが、「センモンカ」、本物の専門家だと考えて、そうありたいと意識しています。
リーダーに必要なのも、この専門家としての情熱です。1000種類の質問それぞれに対して、情熱をもって答え続ける。また、同じ質問に対して何度も答えていると、自分自身の信念も強くなります。そして、話し続けることで思いがより積み重なって強固なものとなる。口に出して語り出すこと自体が、自分を前に進める原動力になるのです。
第21回 リーダーに必要な能力
著者プロフィール
西村 貴好 Nishimura Takayoshi
一般社団法人日本ほめる達人協会 理事長
経 歴
1968年生まれ。大阪府出身の「泣く子もほめる!」ほめる達人。ホテルを経営する家の三代目として生まれ、経営術を学びつつ育つ。関西大学法学部卒業後、大手不動産に入社して最年少トップセールスを樹立。その後、家業のホテルを継いで経験を積み、2005年に覆面調査会社「C’s」を創業する。短所ではなく長所を指摘することが調査対象の企業成長に効果があると発見し、「ほめる」ことの重要性に気付く。数々の実績を上げる中で、2010年2月に「ほめ達!」検定を実施する、一般社団法人日本ほめる達人協会を設立し、理事長に就任。以降、検定を通じて「ほめ達!」の伝播に尽力している。著書に『繁盛店の「ほめる」仕組み』(同文舘出版)、『ほめる生き方』(マガジンハウス)、『心をひらく「ほめグセ」の魔法』(経済界)、『泣く子もほめる!「ほめ達」の魔法』(経済界)、『人に好かれる話し方41』(三笠書房)などがある。
日本ほめる達人協会オフィシャルサイト
西村貴好オフィシャルブログ
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