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繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート vol.93 力がある人の都合に合わせる組織は衰退するから、気を付けましょうね、という話

ビジネス 繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート vol.93 力がある人の都合に合わせる組織は衰退するから、気を付けましょうね、という話 繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート 商業経営コンサルタント/サトーカメラ代表取締役副社長

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皆さんこんにちは、佐藤勝人です。全国を大いに賑わせた東京都知事選も終わり、どうなるか? 知事はこれからは、とんでもない額の予算が動かせる自治体なのだから、「友だちを選んだほうがいい」なんて言ってないで、自身を律して都民の小さな声も拾い上げる耳を持ってくれないとね。最大公約数の楽なほうへと引き寄せられてばかりじゃダメだ。心して公務に励んでほしいと思います。
 
 

アルバイトくんの一言から感じた危機感
「僕は偉くなって会社を変えたい」だって!?

 
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11日から和歌山で勝人塾。
JR特急くろしお ロケットカイロス号でGO!
――なんてことを言うと、「都民でもない栃木県民が何を釘刺してるんだ?」と言われそうだけど(笑)、「本人にその気がなくてもついつい、自分にとって都合の良いほうに良いほうに物事を運んでしまう」という傾向は、経営者であれば大なり小なり、みんな経験があると思うから。都知事が決まって世間が少し落ち着いてきたこのタイミングで、私の経験からあえて釘を刺す一言を呈させてもらっても、いいんじゃないかな。
 
ここで言う「私の経験」とは、2018年に社内の組織改革で導入した執行役員体制がうまく機能せず、何年か経つうちに生じた弊害のことだ。
 
私が執行役員体制の悪い面に気付いたのは、確か2022年の1月だった。正月だから顔を出しておくか、と思って若手の勉強会に参加して、アルバイトの子たちに夢や抱負を話してもらったときだった。その席で、一人の子がこう言ったんだよ。「僕は偉くなって会社を良く変えたいです」って。
 
私は「あれっ?」と思った。会社を良くしたい。いいね~、嬉しいね~。でも、その前の「偉くなって」はマズい兆候だ。現場のバイトスタッフがそう思うということは、「偉くならないと会社を変えられない」という認知が社内に蔓延している証拠だからね。
 
 

話が噛み合うようになるため最低限必要な二つのこと
「立場に関係なくルールを守る」「経営思考を身に付ける」

 
私はすぐ、「まずい! 組織的に変な方向に進んでいる」と直感し、それまで任せきりにしていたマネジメントの部分から首を突っ込みメスを入れることにした。それは「働き方改革に合わせて給与体系や人事評価制度はどんな基準で決めているか?」「どのように行っているか?」等々に関してだ。それらを確認し、時代遅れになっていた部分を一つずつ問題提起し、今はみんなで改革を推し進めている。
 
また、外部コンサルタントも専門分野ごとに3名体制にした。うち一人にお願いしたのが環境整備だ。社内改善で「環境整備」と聞くと、いわゆる3S活動(整理・整頓・掃除)を思い浮かべる人が多いけど、そして実際、現象としては「道具を使ったら所定の位置に戻す」といった行動として変化が見えてくる部分が多いけど、環境整備の本来の趣旨は「決めたらその通りにする。立場に関係なくルールを守る」こと。一部属人化されているルールや業務を見える化し、標準化することで、それを社内の“当たり前” つまり文化にすることだ。全員がその習慣を身に付けることだ。
 
そして、もう一つの環境整備は、「各自が経営思考を身に付ける」ことだった。これに関しては、1976年にソニーの西順一郎先生が開発した、マネジメントが学べるゲーム「MQ戦略ゲーム(MG)」を2022年4月から社内に導入し、活用させていただいている。
 
事業を成功させる組織にするには、マーケティングもマネジメントも、基本要素は一通り理解したうえで共通言語と共通認識を揃えておく。マーケティングなら「販売、集客、店舗、商品、実務、アフター、クレーム」。マネジメントであれば「財務、管理、人事、採用、評価、理念、教育」が基本となる要素だ。
 
経営陣がこれら全部を関連付けて考えるのは当然なのだが、幹部や管理職も理解して動けるように勉強しておかなければならない。そうじゃないと会話が成り立たないからね。
 
そりゃそうだよ。上司が「集客にはこのツールが必要で、それにはいくらかかって、会社が今出せるキャッシュはいくらで・・・」というふうに集客と財務を関連付けて話しているのに、部下が「ツールの使い方なら任せてください!」というように情報が分断されたところで話していたら、嚙み合わないじゃないか。
 
 

「意味ない!」とブチ切れかけたコンサルタント
リーダーの認識を変えさせるのに10ヶ月かかった

 
「ルールづくり」と「経営思考」――サトーカメラはこの二つを軸に組織の環境整備を進めた。でも、本格的に動き始まるのに10ヶ月はかかった。環境整備のコンサルタントには個別支援でわざわざ来てもらっているのに、一向に動きが鈍かった。そのコンサルタントの彼は私に、何度となく、「動かない現場に対して、もう無理です!」と、半ば切れかけた。クライアント先の抵抗勢力には普段から慣れっこなはずの先生でさえ、うちの抵抗勢力にはお手上げの様子だったのだ(笑)。
 
コンサルタントは環境整備の社内リーダーと話が噛み合わずに悩んでいた。私はそのリーダーに事情を聞いてみた。すると、「あのコンサルタントは使えない、アイツはやらないんだからダメだ!」と私に不満を爆発させた。
 
私はリーダーに諭して言った。「いやいや、やるのは私たちだから。先生には月に1回指導していただいている。みんなに働きかけて、説得して動かして、整備を進めていく実務はうちがやらなきゃ誰がやるの。リーダーが先導して動かしてくれなきゃ、いつまで待ってても動かないし始まらない」
 
リーダーがそのことを理解するのには時間がかかった。しかも、インプットしたことをアウトプットできるかは、また別の話だ。だから、覚悟が固まって実際にプロジェクトが動き出してからまだ8ヶ月ぐらいしか経っていない。
 
それでも私が先日先生に、「今の状態は100点満点でいったら何点のところまで来ましたか?」と聞いたら、「30点。達成率30%ですね」と返ってきた。まだまだ道半ばだけど、ようやく大きな山が動き出したことは素直に嬉しい。2年前の正月にあのアルバイトくんの小さな声を拾い上げられなかったら今頃どうなっていたかと思うと、ゾッとするよ。
 
 

やはり鍵を握るDX化
その本質は情報の可視化だ!

 
そしてやっぱり、環境整備に限らず社内を良くしていく際に必須だと実感するのは、DX化だ。マネジメントもマーケティングも、経営に関わる要素は基本的にすべてクラウドに上げて、見たいと思ったらいつでも見られるようにしておくこと。もちろん、本当の機微に関わる情報は経営陣しかアクセスできないとしても、それ以外は閲覧可能にしておく。
 
でも、どんなに見える化を進めても、昔の組織体制だと、「なんで俺のとこに情報を持ってこないんだ! 聞いてないぞ!」と、根回しを受けてないことに怒り出す人がいるんだよなぁ・・・。
 
石丸伸二さんのYouTubeで安芸高田市議会のやり取りを見る限り、「俺は聞いてない!」というのが古株議員たちのスタンスで、それに対し元市長の石丸伸二さんは、「出てますから。見てください。自分から情報を取りに来てください」と繰り返していたように思う。依存体質のお偉いさんに「自立しろ。本来の仕事をしろ」と教えている感じでね。それが私も非常に勉強になり、組織の在り方について影響を受けたから、自社の改革に踏み切ることができた。
 
ともあれ、可視化の時代だ。一部の人が情報を握っていろいろコントロールするなんて時代はもう終わりだ。これからは全員が情報を得る。そのためには、ベースとなる共通言語と共通認識を成り立たせることが大事だ。
 
皆さんの会社はこれから、どういう方向で進んで行きますか?
 
 
 
■7月24・25日 P I O勝人塾
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繁盛請負人佐藤勝人の時事国々リポート
vol.93 力がある人の都合に合わせる組織は衰退するから、気を付けましょうね、という話(2024.7.17)

 著者プロフィール  

佐藤 勝人 Katsuhito Sato

サトーカメラ代表取締役副社長/日本販売促進研究所.商業経営コンサルタント/想道美留(上海)有限公司チーフコンサルタント/作新学院大学客員教授/宇都宮メディア.アーツ専門学校特別講師/商業経営者育成「勝人塾」塾長

 経 歴  

栃木県宇都宮市生まれ。1988年、23歳で家業のカメラ店を地域密着型のカメラ写真専門店に業態転換し社員ゼロから兄弟でスタート。「想い出をキレイに一生残すために」という企業理念のもと、栃木県エリアに絞り込み専門分野に集中特化することで独自の経営スタイルを確立しながら自身4度目となるビジネスモデルの変革に挑戦中。栃木県民のカメラ・レンズ年間消費量を全国平均の3倍以上に押し上げ圧倒的1位を獲得(総務省調べ)。2015年キヤノン中国と業務提携しサトーカメラ宇都宮本店をモデルにしたアジア№1の上海ショールームを開設。中国のカメラ業界のコンサルティングにも携わっている。また商業経営コンサルタントとしても全国15ヶ所で経営者育成塾「勝人塾」を主宰。実務家歴39年目にして商業経営コンサルタント歴22年目と二足の草鞋を履き続ける実践的育成法で唯一無二の指導者となる。年商1000万〜1兆円企業と支援先は広がり、規模・業態・業種・業界を問わず、あらゆる企業から評価を得ている。最新刊に「地域密着店がリアル×ネットで全国繁盛店になる方法」(同文館出版)がある。Youtube公式チャンネル「サトーカメラch」「佐藤勝人」でも情報発信中。

 オフィシャルサイト 

https://jspl.co.jp/

 オフィシャルフェイスブック 

https://www.facebook.com/katsuhito.sato.3?fref=ts

 サトーカメラオフィシャルサイト 

http://satocame.com/

 YouTube公式チャンネル 

https://www.youtube.com/channel/UCIQ9ZqkdLveVDy9I91cDSZA (サトーカメラch)

https://www.youtube.com/channel/UC4IpsvZJ6UlNcTRHPgjellw (佐藤勝人)

 
 
 

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