考えるよりも、まずはやってみる!
私は仕事柄、悩みがある人から、どう対応すべきなのかという質問を受けることが多いです。私がそうした質問を受けて思うのは、「行動すれば、悩みは消えるのに」ということ。そう、ほとんどの悩みは、行動しないことによって生まれているのです。行動すれば、何らかの結果が生まれる。その結果を受けて、次の行動をする。それを繰り返していれば、悩んでいる暇などなくなってしまうのです。
先を考えるのではなく、今を考える
この連載で以前もご紹介したように、私の好きな言葉に、「全力で走る者に不安は追いつかない」というものがあります。不安を抱えている人は、実は全力で走っていないんです。全力で走って、呼吸すら困難になっている人は、不安について考える余裕がありませんからね。
不安は、足が前に出なくなったときに湧き上がってくるんです。歩いているとき、足を上げた状態で静止すると、足元がぐらぐらして不安を感じる。それならまず、足をそのまま前方に向かっておろせばいいんです。そうすれば、先につながる一歩になる。
不安を感じるのは自分が立ち止まっているからです。だから、不安を感じる余裕がなくなるくらいに、前のめりに足を運び続けてみる。どんな小さなことでもいいから、今できることを全力でやってみる。そうすれば必ず、道は拓けるものなのです。
チャレンジしたことに失敗はない
チャレンジしただけでも好循環への第一歩。結果というフィードバックを糧にして、成長する。それを繰り返せばいいだけです。期待どおりの結果が得られたら、それはオマケの大ラッキー程度なもので、うまくいかなったとしても気付きが得られたのだから、大きな成功体験といえます。
このときに大事なのは、チャレンジした結果を、失敗として記憶しないこと。気付きを得たという成功体験として記憶に残すのか、単なる失敗として記憶に残すか、それは未来に向けての大きな行動力の差になる。ですから、失敗したのではなく、気付きを得たのだと自分を奮い立たせてあげてください。発明王のトーマス・エジソンはこう言いました。
私は失敗したことがない。ただ、1万通りの、うまく行かない方法を見つけただけだ。
――この意味はもう解説しなくても、よくわかりますよね。
行動したことに失敗はないです。行動したこと自体が成功。すべて財産になりますから。それに、一般的にいう「失敗=期待どおりの結果が出なかった体験」は人を魅力的にします。ネタとして喋れば他人も笑ってくれるでしょうし、失敗を笑って話せる人って、魅力があるので人に好かれます。どんなに大きな失敗をしてしまっても、それを後から笑って喋れるのは、心に余裕がある証拠ですからね。
第20回 チャレンジは好循環への第一歩
著者プロフィール
西村 貴好 Nishimura Takayoshi
一般社団法人日本ほめる達人協会 理事長
経 歴
1968年生まれ。大阪府出身の「泣く子もほめる!」ほめる達人。ホテルを経営する家の三代目として生まれ、経営術を学びつつ育つ。関西大学法学部卒業後、大手不動産に入社して最年少トップセールスを樹立。その後、家業のホテルを継いで経験を積み、2005年に覆面調査会社「C’s」を創業する。短所ではなく長所を指摘することが調査対象の企業成長に効果があると発見し、「ほめる」ことの重要性に気付く。数々の実績を上げる中で、2010年2月に「ほめ達!」検定を実施する、一般社団法人日本ほめる達人協会を設立し、理事長に就任。以降、検定を通じて「ほめ達!」の伝播に尽力している。著書に『繁盛店の「ほめる」仕組み』(同文舘出版)、『ほめる生き方』(マガジンハウス)、『心をひらく「ほめグセ」の魔法』(経済界)、『泣く子もほめる!「ほめ達」の魔法』(経済界)、『人に好かれる話し方41』(三笠書房)などがある。
日本ほめる達人協会オフィシャルサイト
西村貴好オフィシャルブログ
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