努力が報われないと辛いですよね。でもそういうときこそ、心の根っこが成長する時期です。だから、たとえ結果が出なくても努力をやめないでください。いま、自分にできることを愚直に続けましょう。
今回も一緒に、未来を切り拓いていく言葉を獲得するためのトレーニングをしていきます。あなた自身の言葉を磨くヒントにしてください。
フィギュアの羽生選手の言葉
努力が嘘をつかないならば、毎回、最も努力をした人が、すべて優勝できたでしょう。ところが、そうはいかないのが現実です。それでも、結果を出すには努力を続けることが必要なのです。そして、もし結果が出なかったとしてもその努力は、無駄にはならない。
普通の人は羽生選手の成功した姿ばかりに目が行くと思います。しかし、本人にしてみれば、誰の目にも止まらない日常の中で努力が実らず、挫折を味わうことのほうが多かったはず。努力が報われない、実らないと、普通だったら諦めたくなりそうです。ところが、何かを達成する人とは、結果が出ないときにも諦めることなく努力を続け、そこを突き抜けてきた人なのです。
報われない日々をどう過ごすかが大事
羽生選手の言葉は、私の長女に教えてもらいました。現在23歳の彼女は、2017年の暮れに、ノルウェーの国立バレエ団から永久契約を勝ち取りました。通常は1年ごとの契約だそうですが、永久契約の場合、41歳の定年まで団員として所属し続ける資格を得られるそうです。
彼女はこれまでにコンテストに優勝したり、賞を受賞したりするなど、バレエダンサーとして目覚しい実績があったわけではありません。雑草のようなバレエダンサー人生でした。それでも彼女の努力は報われた。その結果だけ見ればすごいことです。しかし、それまでの長い間、努力を続けても認められない時代をすごしてきた。だからこそ、羽生選手の言葉が心に響いたんでしょうね。
結果だけを見れば華やかでも、その道を歩んでいる本人にとっての日常は、報われないことの連続です。そこを前向きにとらえ、試されていると思えるかどうかが大事なんですね。
一生懸命な姿は、誰かが見ている
一生懸命に努力して頑張っている姿を見てくれている人は、必ずいるものです。大切なことは、思わず周りが応援したくなるような努力をしているかどうか。また、自分自身には自覚がなくても、頑張る姿が誰かに勇気を与えることもあるんです。
私は、報われないときのほうが、自分のことを見てくれている観客が多いものだと思っています。普通に考えれば、報われないときのほうが「自分は一人ぼっち」だと思うでしょう。しかし、報われないときに頑張っている様子こそ、たくさんの人が目撃しているものです。ギャラリーが多いのです。
上手くいかない、そういうときこそ、あなたの立つ舞台は大きく、その客席は満席になっていると思ったほうがいいです。だから、報われなくても、自分の演技は誰かに見られていると意識して振舞ってください。応援してくれる人を増やすには、まずは自分自身が自分を応援したくなるような努力をすることです。結果が出ない、かっこわるいときの振る舞いこそが、その人の魅力を高めるのです。
最後の一人はだませない
仮に誰も見てくれていなくても、自分の努力は自分がよく知っているはず。最後の一人は絶対にだませません。最後の一人、それは自分自身です。
いずれにしても、目指すべきものが見つかっている人は幸せですよね。まだ結果が出ていなくても、幸せです。やりたいことが何も見つからないほうが、辛いと思います。もし、目指すべきものがあれば、皆さん、あきらめずに努力を続けてみてください。報われない、だからこそ、努力を続けてください。きっと結果がついてきます。
第12回 報われない、だからこそ
(2018.3.23)
著者プロフィール
西村 貴好 Nishimura Takayoshi
一般社団法人日本ほめる達人協会 理事長
経 歴
1968年生まれ。大阪府出身の「泣く子もほめる!」ほめる達人。ホテルを経営する家の三代目として生まれ、経営術を学びつつ育つ。関西大学法学部卒業後、大手不動産に入社して最年少トップセールスを樹立。その後、家業のホテルを継いで経験を積み、2005年に覆面調査会社「C’s」を創業する。短所ではなく長所を指摘することが調査対象の企業成長に効果があると発見し、「ほめる」ことの重要性に気付く。数々の実績を上げる中で、2010年2月に「ほめ達!」検定を実施する、一般社団法人日本ほめる達人協会を設立し、理事長に就任。以降、検定を通じて「ほめ達!」の伝播に尽力している。著書に『繁盛店の「ほめる」仕組み』(同文舘出版)、『ほめる生き方』(マガジンハウス)、『心をひらく「ほめグセ」の魔法』(経済界)、『泣く子もほめる!「ほめ達」の魔法』(経済界)、『人に好かれる話し方41』(三笠書房)などがある。
日本ほめる達人協会オフィシャルサイト
西村貴好オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/nishitaka217/
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