チーム・選手の強化を図り世界を見据える
Bリーグの立ち上げによって、日本人選手たちがオリンピックやワールドカップ、NBAへの挑戦など、“世界”を意識するようになったのも良い傾向だと思いますね。今年の1月には、韓国の国内リーグで優勝した安養(アニャン)KGCと、川崎ブレイブサンダースの親善試合を行いました。今後も海外のクラブとの試合を増やし、選手たちの強化を図っていきたいと考えています。
また、アメリカには全米大学体育協会、略称でNCAAとよばれる協会があります。大学で行われるスポーツ活動の運営支援を行う団体ですね。そのNCAAが主催の男子バスケットボールトーナメントにおいて、八村塁選手という19歳の日本人選手が在籍している、ゴンザガ大学が準優勝に輝きました。準々決勝では3ポイントシュートを決めるという活躍ぶりで、日本人選手がNCAAのトーナメントにおいて決勝戦に進出したのは、もちろん初めてです。さらに、ジョージ・ワシントン大学に所属する渡邊雄太という22歳の選手も、チームのエース格として活躍しています。まだ日本国内で一般的には注目されていないものの、こうして世界で活躍できる選手が、日本からも生まれ始めているんです。
八村選手や渡邊選手のような、将来の日本バスケットボール界を担う選手を日本代表候補として呼び込みながら、Bリーグの選手の強化を図る。それをメディアに露出していくことが、我々の仕事です。ただし、Bリーグはまだまだ始まったばかり。今後は日本バスケットボール協会も含めて、「オールバスケット」としてメディアへの対応、日本代表の強化を行うことが必要となっていくでしょう。
vol.6 バスケットボール界の建て直しと今後に向けて
著者プロフィール
大河正明 Okawa Masaaki
経 歴
1958年生まれ。58歳。京都大学法学部卒。三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。1995年、日本プロサッカーリーグに出向し、総務部長に。同行に戻った後はリテール営業部部長(特命)、町田支店長などを経て2010年に退行した。同年、日本プロサッカーリーグに入社し管理統括本部長、常務理事などを歴任。2015年にジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグチェアマン(理事長)、2016年には日本バスケットボール協会副会長に就任した。バスケットボール協議暦は1973年に全日本中学バスケットボール大会ベスト4、1975年に近畿高等学校バスケットボール選手権大会準優勝。
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