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ノウハウ 社長のコトバ強化書 第4回 採用企画はブランディングになるでしょ 社長のコトバ強化書 株式会社コピーライター/株式会社噂 CEO 長谷川哲士

ノウハウ
言葉で悩むけど、相談相手がいない。そんな中小企業の社長さんたちに向けて、社名から求人募集の文言にいたるまで、いろんな“言葉のコツ”を共有し、“社長のコトバ力”を養う。それが“社長のコトバ強化書”である。今回は、採用企画について書いてみました。
 
 

とりあえず「◯◯採用」って言ってみる

 
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コトバを当てれば採用企画のできあがり!
今回は、採用活動のヒントになることをいろいろ言ってみます。企業の認知度があったり、有名な製品やサービスがあったりする場合は、それだけで応募してくれますが、たいていの企業は、認知されてないというところで悩んでいるのではないでしょうか。だからこそ、大手の新卒求人サイトや転職サイトにお金をたくさん払って、いいところに表示されたい。そんな気持ちになることもあるでしょう。でも「そもそもお金がないよ」というのが本音。そんなときには、おもしろい採用活動をするのがてっとり早いです。
 
まずはとにかく「◯◯採用」というおもしろい言葉を考えてみましょう。ホントに何でもいいのです。「STAP細胞」が流行っていたら、「STAP採用」ととりあえず書いてみる。そしてつぎに、中身を考えます。イニシャルにS・T・A・Pのどれかが入ってる人は、書類選考パス。これでいちおうSTAP採用はいつでも実施できます。TwitterやFacebookで投稿するだけでも、立派な採用活動です。書類選考パスとか、特典をあげるとか、応募者を限定するとか、何か仕組みを入れればいいだけです。「◯◯採用」というのは、「◯◯採用活動」の略ですが、言葉の印象として「◯◯だったら即採用」される感じがするので、惹きのある言葉になりやすくもあります。
 
「◯◯採用」で、ぼくがおぼえているものをGoogle先生に頼らずに、思い出してみましょう。東急エージェンシーがやっていた「顔採用」(美人美男子を採用するということではなく、顔を分析するシステムを使って応募者は特典をもらえるというような内容)。麻雀が強い人は仕事がデキるということから「麻雀採用」というのを実施している会社も見かけました。今だと「ブラック採用」という言葉を使えば、惹きになるのかもしれません。
 
 

企業に合った採用活動がいい

 
「◯◯採用」で惹きがあればいいのですが、「ただ奇をてらってるだけじゃん」と思われることもありますし、できるなら、企業のカラーややっていることに合っているものを実施するべきだと思います。たとえば「ブラック採用」であれば、お菓子のブラックサンダーを出している有楽製菓さんが「学生時代の黒歴史を面接で話してください」という仕組みで使っていったほうが、よいでしょう。
 
ぼくが考えた企画で、東京一番フーズの採用企画があります。
 
29品のふぐ採用
http://www.tokyo-ichiban-foods.co.jp/recruit/29recruit/
 
東京一番フーズは、とらふぐ亭を運営する企業なのですが、フ・グの語呂あわせで、2月9日(ふぐの日)に、29個の採用企画をスタートしました。面接でふぐが食べられる「ふぐ面接」や、ふぐ顔だとクーポンがもらえる「ふぐ顔採用」など。
 
そして、採用企画はとがっているので、まじめに企業のことを語るページもつくりました。
 
先輩社員が語る29のことば
http://www.tokyo-ichiban-foods.co.jp/recruit/29message/
 
ちなみに結果はというと、1ヶ月で、昨年度1年間の応募数を超えたそうです。メディアからの取材も入って、新聞に載ることもできました。
 
「つくる人を増やす」という経営理念を掲げているゲームアプリや企業のWEBキャンペーンなどを請け負っている制作会社カヤックでは、卒業制作や卒業論文で採用選考をする「卒制採用」を数年前からやっています。デザイナー志望の美大や芸大の就活生は、就活対策をしている時間も少なく、つくることに一生けんめいなので「つくる人を増やす」というカヤックの経営理念とは合っています。
 
おなじカヤックで、ぼくが考えた採用企画に「エゴサーチ採用」というのがあります。「検索結果は、履歴書になる」というキャッチコピーで、履歴書の代わりにGoogleの検索結果をもとに選考を行う採用です。ふだんからWEBやSNSで情報発信をしている人たちにとっては、エゴサーチの結果が活動履歴。応募者は、自分に関することが出てくる検索ワードで応募します。たとえば、ぼくなら「コピーライター Twitter」で検索すると出てくるので、そのワードで応募します。この企画は、エントリーが簡単にできるというところもよくて、わざわざエントリーシートを本気で書く必要がないので、気軽に応募でき、ポテンシャルの高い方たちがたくさん応募してくれ、採用にもつながりました。
 
 

就活生は顧客になる

 
採用活動をするとき、いつも気をつけていることがあります。それは、就活生は顧客や取引先にもなるということです。落とされた企業のことは、嫌いになると思いますし、いやなことを言った面接官のことを就活生は忘れないでしょうし、友達にも話すでしょう。この視点は、意外と気づかれていないように感じます。最近、ある大学の不合格通知に書かれた言葉が冷たいと話題になっていましたが、不採用通知の言葉も大事です。お菓子メーカーだったら、不採用通知と一緒にお菓子を送るのもアリなんじゃないかと思います。やりすぎると、逆に嫌われますが、チロルチョコやうまい棒くらいのちょっとしたお菓子であれば。ちなみに、ぼくがCEOを務める株式会社噂では、「不採用通知メール採用」をやりました。広報の観点から考える「不採用通知のメールの文言」でエントリーするという企画です。
https://twitter.com/aseetsu/status/833877957403742208
 
おもしろい企業になりたかったら、おもしろい採用をやろう
 
の精神でがんばりましょう。
 
社長のコトバ強化書
第4回 採用企画はブランディングになるでしょ

 

 著者プロフィール  

長谷川 哲士 Hasegawa Tetsuji

株式会社コピーライター/株式会社噂 CEO

 経 歴  

1984年4月8日島根県生まれ。「私服で働けて横文字でかっこよさそうだった」という理由でコピーライターを志す。リクルート、面白法人カヤックを経て、2016年1月に株式会社コピーライターを始動。2016年12月に株式会社噂のCEOに就任。書いたコピーに「元カレが、サンタクロース。(なんぼや)」「元カレも、今カレも、オカモトです。(オカモト)」「人類以外採用(サントリー)」「逆風で加速せよ。(GREE)」「愛やエッチよりまえに、自慰がある。(TENGA)」「最後の思い出も、家でつくる。(鎌倉自宅葬儀社)」「青春はつづくよどこまでも。(横田高校)」「10代のうちに、初体験しよう。(和歌山リア10プロジェクト)」などがある。 噂になる企画をつくりたい方は、株式会社噂にご連絡を。社名や商品名、サービス名、キャッチコピーで迷ったら、株式会社コピーライターへご連絡を。

 

 株式会社コピーライター 

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(2017.5.19)

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