前身は、同社代表取締役兼仲人を務める横井睦智氏が2011年に立ち上げた「おたくにやさしい結婚相談所ハッピーメーカー」。日本初となるオタク・腐女子向け結婚相談所で、2016年の同社設立前から数えると、創業10年以上の歴史を誇る老舗企業なのです。そしてこちらの横井社長、相談対応件数1万件以上、さらには成婚数の多い仲人を表彰する「成婚最優秀賞」を2016年から4年連続受賞しているという凄腕コンサルタント! 数多のオタクたちを成婚まで導いてきた横井社長が手がける、オタク向け結婚相談所の実態に迫ります。
オタクでも結婚できる アニメ好き社長の経験を詰め込んだ結婚相談所
「まったくそんなことはなかったです。人付き合いが苦手で、美少女アニメばかり見ているようなオタクでしたから」。今でこそ敏腕仲人となった横井社長ですが、むしろ自身についてはずっと「僕みたいなオタク人間は結婚できない」と感じていたのだとか。20代前半までは、結婚願望もほぼなかったといいます。ただ、横井社長には30歳までに結婚するという両親との約束が。20代中盤に差しかかったタイミングで「できるかできないかじゃなくて、結婚する」と決め、婚活を始めました。ちなみに約25年前当時の結婚相談所の入会金相場は50万円程度と高額で、横井社長自身は利用経験がないのだそう。独学で女性心理学を研究し、学びと実践、そして挫折を繰り返し、4年間の婚活の末、ゴールインを果たしました。
既婚のオタクとなった横井社長の存在は「オタクは結婚できない」と思い込んでいた同志に衝撃を与え、オフ会に行くたびに「何で結婚できたのか」「どうすれば恋人ができるのか」と矢継ぎ早に聞かれるように。アニメの話をしに来たのに・・・と思いながらも、人付き合いに悩むオタク一人ひとりと真剣に向き合いました。「例えばオタク向け婚活イベントに行くとみんな、趣味の話なら盛り上がるだろうとオタク話に終始しがちです。ただそれは相手からすれば会話ではなく“布教”されているようなもの。一方的に自分の話ばかりすべきではないと伝えていました」。横井社長の経験に裏打ちされた助言はオタクにとって新鮮だったようで、新たな切り口で婚活に臨んだ結果、見事結婚できた仲間も少なくなかったとのこと。次第に、「オタク向けに結婚相談所でもやってみるか」という気持ちが芽生えていったそうです。
話し下手ならそれでもいい 個性を殺さない婚活
そのうちの一つが、会員同士でお見合い練習ができる「こみゅとれ!」。横井社長によれば、一般の結婚相談所では仲人がお見合いの練習相手になるケースがほとんど。「そもそも仲人とオタクは生きている世界が違う。オタクの気持ちがわからない仲人から指摘を受けても、それを落とし込むのは難しい」といいます。実際、「おしゃべりが苦手でも頑張って話せるようにならないと!」という仲人からの圧により“婚活うつ”になってしまい、同社へ駆け込んでくるオタクも多いのだそう。「無論、相手の投げたボールを受け取れるくらいにはならないといけません。コミュニケーション以前に礼儀ですから。ただ、それ以上が無理なら無理でいいと思うんですよ。話し下手というのはその人の性格の一部で、生きてきた証。それをまるまる変えるよりも、受け入れてくれる相手を探せばいいだけです」。
横井社長が見てきたオタクは恋愛が得意でなく、交際を恐れている人が大半でした。それでも全員、結婚はしたいという意思を持ち、勇気を振り絞って同社へやって来ます。「できないことを無理に克服しようとして失敗し、『私ってそんなにダメですか?』と落ち込む人をたくさん見てきました。僕もそうだったしダメなんてことはありません。婚活がうまくいく保証はないけど、成婚した人は勇気を出したから今があるんです。その勇気を持ってうちに来てくれた以上、しっかり支えていきます」。婚活に向けて踏み出したその一歩を称え、その人らしさを削るようなことはしない。以前の事業所名に違わないオタクへの「やさしさ」で、他にはない安心感を与えているのです。
仲人を超えた戦友のような存在
経営の右も左もわからぬままオタク向け結婚相談所を立ち上げてから早11年。横井社長は次の目標として、自由に出入り可能で、居合わせた人同士が漫画やゲームを楽しみながら交流できる「アジト」の設立を目指しています。「集大成」だという仲人の仕事をまっとうすべく、オタクならではの発想で、かつての自分と同じように悩むオタクを支えてきた横井社長。これからも婚活に励むオタクの心強いパートナーとして彼らが“生涯の推し”を見つけられるまで、共に歩き続けます。
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Vol.2 人生の推し、見つけます オタク向け結婚相談所 ミューコネクト株式会社
(2022.4.13)