人狼 ザ・ライブプレイングシアターでは、13名の役者がとある村の住人として登場します。そしてその中に隠れている、人間になりすました3匹の「人狼」という嘘つきを、会話の中から見つけ出すのです。
出演者は毎回、上演の直前にカードを引いて、自分の役割を決定します。つまり、誰が人狼で、どのような結果になるかは、出演者すらわからないとのこと! 一体どのような舞台なのか、プロデューサーの桜庭未那さんと、出演者の松崎史也さん、横山可奈子さんにお話をうかがいました。
命をのせることによってドラマが生まれる
桜庭 「私自身、もともと人狼ゲームが大好きだったんです。このゲームでは、人狼が誰なのかを多数決で決めます。そして人狼だと判断された人は、たとえ人狼じゃなくても処刑されるルールなんです。ゲームをしている中では、この処刑に対して何の感情もなく、命はとても軽いものでした。でも、これを舞台にしてきちんと命をのせたら、きっと無限にドラマが生まれると思ったんです。そのためには、台本で内容をつくり込むよりも、アドリブの必要があると感じました」
なるほど、ゲーム性だけでなく、人間味も大切にされているわけですね。しかし、最初はいろいろとご苦労もあったことでしょう。どのようにして観客を集めていったのですか?
桜庭 「最初の公演は、キャストのみんながSNSで呼びかけたり、友人を呼んだりといった、それぞれができる範囲での告知のみでした。当時公演していたのは100人規模の劇場だったのですが、初日に観に来てくれた方は30人もいなかったですね。でも、翌日からだんだんとリピーターが増えて、3日目には満席に。4日目には席が足らず、お帰りいただくお客様も出るほどでした」
アドリブ劇だからこその難しさと楽しさ

松崎 「台本がないと、どのように舞台を終わらせるかも出演者次第になります。ゲームの決着がついたら終わりではなくて、そこから今後を連想させるセリフを言うなど、よりお客様を楽しませるエンディングにしないといけないんです。今できる中で一番楽しんでもらうにはどうしたらいいだろうと、最後まで気が抜けないですよ」
命がけの推理戦を演じた後に、間髪いれずエンディングまで考えなきゃいけないんですね・・・! でも、アドリブだからこそ失敗することもありそうです。
横山 「ありますね。最初に13人全員が自己紹介をしながら、自分は人狼ではないとアピールする場面があります。私は修道女の役をやっているので、『私は人狼ではないと神に誓います』や、『私は人間だと神に誓います』など、いくつかパターンをつくっているんです。でも、あるとき頭の中でごちゃごちゃになって、『私は神です』と言ってしまったことがあるんですよ(笑)。舞台上で『間違いました』とは言うわけにはいかないので、その公演はそのまま神として演じきりました」
誰にでもおすすめできる舞台

人狼TLPT最新公演は、ただいま絶賛公演中。人狼ゲームに興味のある方、勝負事が好きな方、少し変わった舞台が観てみたいと思った方は、ぜひ劇場まで足を運んでみてください。
舞台情報
「人狼TLPT SUMMER RUSH! 2016」7月20日(水)~31日(日)於:新宿村LIVE
取材協力
人狼 ザ・ライブプレイングシアター
http://7th-castle.com/jinrou
チケット情報
https://eplus.jp/ath/word/71331