やりたいことに突き進むから
仕事の感覚を持たず楽しめる
歌手 Micro
9月22日より天王洲 銀河劇場にて上演されるミュージカル『イン・ザ・ハイツ』。主演を務めるDef Tech(デフテック)のMicro(マイクロ)さんがウスナビを演じるのは、これで三度目となる。再演となった2021年の公演は、新型コロナウイルスの影響で、3公演を残した状態で中止となってしまっている。「この機会は奇跡だと思って臨みたい」と語るMicroさんに、『イン・ザ・ハイツ』の魅力、ミュージカルの楽しさをたっぷりとお話しいただいた。
奇跡だと思って再々演に臨む
2021年に『イン・ザ・ハイツ』を再演した際は、3公演を残して中止となってしまい、自分の中でうまく完結できていないままだったんです。コロナ禍において、いつ中止となるかわからない状態だったので、毎公演「これが千秋楽となるかもしれない」という気持ちで舞台に立っていました。だから、心残りがあるわけではないんです。でも、どこかモヤモヤしたものを抱えていました。だから、またウスナビを演じられる機会をいただけて心から嬉しいんですよ。前回残してしまった3公演分も含めて、取り返しに行きたいですね。
3度目ともなると、ウスナビに対する思い入れも強くなっています。2021年には、映画『イン・ザ・ハイツ』も公開されました。とてもおもしろい作品で、僕自身何度も観に行きましたよ。そうして自分以外が演じるウスナビを見ることで、役や作品に対する理解も深まったと思っています。
そういう意味では、2021年の再演の際に、ウスナビがWキャストとなり平間壮一君が参加してくれたことも大きかったですね。自分一人で演じていたときは、ビデオチェックなどでしか客観的にウスナビを見ることができませんでした。それに、初演のときは僕にとって初めての芝居だったのでとにかくがむしゃらだったんです。壮一君の演じるウスナビや、映画を観たことで、ウスナビがどれだけ情の深い人間なのかより深くわかったんですよ。
ウスナビは、とにかく仲間たちに対する愛が深いと感じますね。自分のことよりも友人を大事にするし、ときには自分の愛する相手よりも友人のほうの優先順位を高くすることもあります。そういった部分は、僕自身と似ているので演じやすいです。あとは、女性を前にすると緊張してしまうところも似てる(笑)。ドギマギして上手に話せなくなるんですよね。ウスナビも僕と同じように、同性の友人といるのがすごく気楽なんだろうなと思います。