政治家・役人に告ぐ!
孫の世代にツケを残さない企業会計の手法を知ろう ――減損会計
1、定年間際の夫のいる山田家の会話
妻 「お父さん、我が家の年収は470万円なのに、毎年920万円も出ていくんですよ。
どうするんですか!貴方!!老後は真っ暗じゃないですか! (-_-)/~~~ピシー!!」
亭主 「まあ、なんとかなるさ。(^。^)y-.。o○ 借金すりゃいいじゃない。子供たちも
大きくなるし、、、。そのために子供3人も作ったんだし、、、、。 年取ったら
面倒見てくれるさ」
妻 「子供たちなんて、あてにならないわよ。3人とも海外勤務で、いつ日本に帰ってくるんだか、
分かりません!! (;一_一)☆彡」
老後の面倒を子供たちに託そうと考えていた時代は、もうとっくにすぎ去りましたね。ですから、一般庶民は孫の世代にツケを残さないように、皆、守りの姿勢に入ってしまいました。
そこへ行くと、我が日本国。菅総理になって、ちょっとだけプライマリーバランスとか、消費税増税とか財政健全化計画とかを表立って口にするようになったものの、まだまだ後世へのツケが、たーっくさん残されてしまっています (2010年度末の国の借金は973兆円だそうな。「苦(9)難(7)見(3)つけて未来なし」と覚えましょう)。
山田家の家計を、日本国の場合に例えると、税収37兆円+税外収入10兆円で合計47兆円、支出92兆円ですから、不足分を、借金で、つまり国債44兆円で賄っています。
2、その後リストラにあって、職を失った山田家の会話
妻 「お父さん!会社を首になって、これからどうするの? (;一_一)」
亭主 「、、、、、、、、、、、、、すまん、m(_ _)m」
しばし沈黙が続く、、、。
続けて一言
「この家売って、老後を食いつなぐしかないよね。」
妻 「5000万円で買ったこの我が家、今売ったら幾らになると思っているの!
せいぜい3000万円よ! (>_<)」
共稼ぎ世帯の山田家にとって、亭主の稼ぎがなくなっては、家を手放さなくてはならないかもしれませんね。山田家の危機です。
さあ、どうすればいいのでしょう。持家売却を目の前にして、自宅の評価減という事実を、嫌がうえでも意識しなければならなくなりました。
上場会社等の大手企業の場合にも同じような危機がたくさんあります。山田家の場合は、収支計算という概念しかありません。ですから、持家売却という事実に直面して初めて、持家の評価をしたんですね。そして、5000万円の持家が3000万円の価値しかないという事実を知って、山田ご夫妻は真っ青になったわけです。
企業には、複式簿記によって日々の帳簿から誘導された、「貸借対照表」 と 「損益計算書」 があります。もちろん 「キャッシュフロー計算書」 という収支計算書の概念もあります。
そして、将来にツケを残さない企業会計の手法の一つとして、「減損会計」 という概念があります。
詳しい説明は後回しにしますが、減損会計は 「固定資産の投資額に対する回収可能性が見込めなくなった時点において、将来に損失を繰り越さないため、帳簿価額を減額する会計処理」 とだけ、説明しておきます。その意味で将来にツケを残さない企業会計の手法と私は言っているのです。
上場会社等公認会計士監査の入っている企業は、みなこの減損会計という比較的新しい考え方のもとに、会計を行い、地価の下落等で大幅な減損損失を計上しなければならない状況に対応するため、血のにじむような経営努力をしてきています。中小零細企業も本来同じ処理をしなければならないのですが、指導する職業会計人が、税務上損金にならないという理由からか、積極的ではなさそうです。
渡辺俊之 軒昂奉仕 徒然泣き!人生 職業会計人