何をやってもクビになった
私のバイト時代
最初にやったのはイトーヨーカ堂の日用雑貨コーナーの品出し係。高校一年の時だった。私のアルバイト歴はイトーヨーカ堂が始まりだ。当時の時給が、350円くらいだったかなぁ。
もう40年以上も前のことだから告白するけど、また「そういう時代だったねぇ」と半分は時代のせいにさせてもらいたいけど、私は、商品在庫をちょろまかしては学校に持って行って友だちに売っていたよ。もちろん大量にじゃない。「まぁ、それくらいなら、やりすぎなければ目をつぶってやるか」と思ってもらえるレベルの量だ。
しかし、アルバイトの私がそれだということは、同様の例が相当数横行していた時代だったのだろう。だから「在庫が合わない」と問題になり、それからは手荷物検査が導入された。今でこそ手荷物検査は当たり前だけど、あれを導入させたのは、何を隠そう、私? 私の世代? だったのです。
また、新聞配達のアルバイトもやった。遊び金欲しさで働いているから、朝寝坊は常習犯だし、当日連絡で「体調悪いから休みます」なんていうのも当たり前。毎朝5時6時にきちんとポストに届いてこそ朝刊なのに、9時10時に届いてたんじゃ、ダメだよね。
だから新聞配達は即クビになった。その頃の私の仕事ぶりでは、どこも3ヶ月ももたずクビになっていた。ハンバーガーショップで働いたときはお釣りのお札を間違えたふりをしてお客で来た友だちに釣り銭を多く渡したり。今思うと、とんでもないけどね。洋服やバイク、それにデート代が欲しかったから早くお金が欲しいし、なまじっか賢いもんだから、ルールの裏側や裏技が、現場に入ると見えてしまうんだよ。
そんな感じで高校を卒業して東京の専門学校に入ったんだけど、それも3ヶ月で中退し、今で言うクラブ、当時のディスコでサクラのバイトをしてなんとなく過ごしていた。今思えばずいぶんとふざけた生活を送っていたものです。
恩師に教わった商品への態度
そして部下への向き合い方も変えた
この先生のことは過去にも話したことがあるけど、今回「仕事の厳しさ」というテーマで先生から習ったことを披露するならば、一時期、先生の伝手から卸売青果市場で働かせてもらったことがあった。そのときに、ニンジンの箱をそのまま地べたに置いたら先生が、「馬鹿野郎! 例え一箱でもパレットの上に置け!」とえらい剣幕で怒った。キャベツの箱の上に腰かけて休憩したときも、「馬鹿野郎! 商品に腰かけるやつがあるか! 今度やったらブッ飛ばすぞ!」と怒られた。
これは今の私の商売でいったら、カメラの箱に腰かけるとか、地べたの上に直接売り物のカメラの箱を置いておくとかと同じだ。私はあのときの先生の指導で「商品=命=お金」の大切さを学んだ。商品を扱う態度はどうあるべきかを知ったから、サトーカメラでも商品をぞんざいに扱うスタッフは許さない。バックヤードで商品を保管するときも地べたに直置きなんて絶対にさせない。
商売をされている読者には「なんだ、そんな当たり前のこと」と思われるだろうね。でもさ、そうやって自分を本気で叱ってくれる大人に恵まれるかどうかって、本人にとってすごく大切な分岐点だと思わない? 本気で指導するなんていうエネルギーの要ること、相手の成長なり学習なりを尊重するつもりがないとできないから。自分の都合だけで考えたら普通はしないから。そして、しないで裏で影口を叩いている大人たちが大半なんだから。
私はたまたま恵まれていた。「この人は他と違う。こういう人間になりたい」と思える大人と巡り会えた。夢がない、働く気もない、なんならヒモでいいから遊んで暮らしたい、と思っていた自分が、憧れの大人を見つけた瞬間から変わっていったんだ。
その後、兄弟でサトーカメラを始めてからも、部下を持ち始めの頃は裏でぐちぐち思っているだけで、本人をその場で叱るなんてことはそう簡単にはできなかった。でも、先生の教えに照らしたらそれは女々しいことだとわかったから、嫌でもなんでも表で本人を叱るように自分の行動を変えていった。「これは指導だからいいんだ。相手の成長のためなんだ。指導から逃げるな」と自分に言い聞かせながらね。
夏休みには何事もやらかしてしまいがち
だからこそ新しいタームに臨む決意を!
その意味で若い年代のうちに「影響を与えてもらえる大人」に巡り会えるかどうかはすごく大事だし、夏休みというのは何事も、自覚のあるなしに関わらず、後から振り返って“やらかした”と思うことをしがちな時季だ。自覚の有無を持ち出したのは私の若い頃の悪行もその範疇にさせてほしいからだけど、いずれにしろ、やってしまったことは仕方ない。もうすぐ学校でいえば二学期だ。9月になれば社会人もなんとなく新しいタームが始まる。そのときに、「もういい、なるようになれ」と捨て鉢になるんじゃなく、「この人に習って自分をこう変える」と決めて、その方向でもう一度やり直すほうがいいと思う。
こうやってバイト時代のことを思い出したのも、やっぱり、夏が思い出を振り返るのにいい季節だからだろうね。読者の皆さんのなかに学生はさすがにいないだろうけど、世代としては「盗んだバイクで走り出す~」の歌をリアルタイムで聴いていた世代かもしれない。私の場合は「バイトで盗んで走り出す~」だったから参考にならないかもしれないが(笑)、お互いに、お子さんから「うちの親は他と違う」と思ってもらえる、「人に影響を与えられる大人」を目指したいですね。
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vol.70 “やらかし”の夏休み。捨て鉢にならず自分を変えていこう
著者プロフィール
佐藤 勝人 Katsuhito Sato
サトーカメラ代表取締役副社長/日本販売促進研究所.商業経営コンサルタント/想道美留(上海)有限公司チーフコンサルタント/作新学院大学客員教授/宇都宮メディア.アーツ専門学校特別講師/商業経営者育成「勝人塾」塾長
経 歴
栃木県宇都宮市生まれ。1988年、23歳で家業のカメラ店を地域密着型のカメラ写真専門店に業態転換し社員ゼロから兄弟でスタート。「想い出をキレイに一生残すために」という企業理念のもと、栃木県エリアに絞り込み専門分野に集中特化することで独自の経営スタイルを確立しながら自身4度目となるビジネスモデルの変革に挑戦中。栃木県民のカメラ・レンズ年間消費量を全国平均の3倍以上に押し上げ圧倒的1位を獲得(総務省調べ)。2015年キヤノン中国と業務提携しサトーカメラ宇都宮本店をモデルにしたアジア№1の上海ショールームを開設。中国のカメラ業界のコンサルティングにも携わっている。また商業経営コンサルタントとしても全国15ヶ所で経営者育成塾「勝人塾」を主宰。実務家歴39年目にして商業経営コンサルタント歴22年目と二足の草鞋を履き続ける実践的育成法で唯一無二の指導者となる。年商1000万〜1兆円企業と支援先は広がり、規模・業態・業種・業界を問わず、あらゆる企業から評価を得ている。最新刊に「地域密着店がリアル×ネットで全国繁盛店になる方法」(同文館出版)がある。Youtube公式チャンネル「サトーカメラch」「佐藤勝人」でも情報発信中。
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