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繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート  vol.59 人は変われる。いいほうにも悪いほうにも。だから頑張ろう。

ビジネス 繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート vol.59 人は変われる。いいほうにも悪いほうにも。だから頑張ろう。 繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート 商業経営コンサルタント/サトーカメラ代表取締役副社長

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こんにちは。佐藤勝人です。皆さんは親族の他界をきっかけに自分が変わった経験はありますか? 今回の話はもしかしたら彼の中でそれが起きたのかな、と思った話。「彼」というのは私の甥っ子です。今回は少し身内話に偏るけど、皆さんもご自分の経験を振り返りながら読んでいただければ幸いです。
 
 

甥っ子たっくん再生計画
リアルが駄目ならeスポーツだ!

 
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兄社長の義母を今世から見送った日。たっくんは何を感じたか
サトーカメラでは2018年から「リアルとネットの融合」でオンライン事業部を強化。それがコロナ禍もあって飛躍的に伸びたのが昨年の6月。この頃から私は、「たっくん再生計画」も考えていた。
 
甥っ子というのはこの「たっくん」だ。漫画とかイラストの道に進みたいのに父親の顔を立てて普通の大学に進むような、気持ちの優しい素直ないい子。頭もいい。だって国立大学に受かったからね。でも、本人の中で思うところがあったんだろう、中退して栃木に帰ってきてサトーカメラで働いていた。
 
在籍してもう10年かな。その間、何をやらせてもダメ。社長の息子というだけで店長をやっていたから最悪だった。この点は誤魔化さずに評価しないと本人のためにならないからハッキリ言っておこう。誰もが認める中途半端の最低社員だった。
 
それが今年の8月から変わってきた。きっかけはリアル店舗から本部のオンライン事業部に異動させたことだ。本部に来れば私も直接目を届かせられるし、息子の勇士とか事業責任者の神谷吉則君とか、比較的年齢が近い同僚もいる。本人さえやる気なら再出発できる環境が整っている。
 
環境面以外にも、私は彼について仮説があった。「スポーツでいえばeスポーツのほうがたっくんには合っているんじゃないか」という仮説だ。リアルのスポーツは駄目なのにeスポーツだと無双で勝ちまくる人がいる。彼もそっちのタイプじゃないかと思ったんだよね。
 
 

最愛の孫を心配し続けた祖母
その気持ちは10年間みんな同じだった

 
8月、彼の祖母が亡くなった。母方で、彼からしたら母親の母親だ。そろそろ危ないというので医者から呼ばれて、親族が病室に集まった。お祖母ちゃんは横になったまま意識が朦朧として、誰が誰ともわからなくなっていたけど、みんなでベッドを囲んで見守っていた。
 
そのうちにたっくんも来た。親族の誰かが、「お祖母ちゃん、たっくんだよ、たっくん来たよ」と耳元で声をかけた。その瞬間、わからなくなっているはずのお祖母ちゃんが目を開けて、「たっくん来てくれたの~。嬉しい~」と言って起き上がろうとした。もちろん声は出ない。体も起こせない。ただそのそぶりが見えただけだ。でも、それはその場の全員がわかった。たっくんが来たのをお祖母ちゃんが喜んだことが。――それがお祖母ちゃんの最期だった。
 
たっくんには6月20日から私の公式YouTubeチャンネルを担当させている。たっくんが毎回質問テーマを決め、それを私に振って私が話す。話を深めるために私からたっくんに逆質問をすることもある。
 
お祖母ちゃんが亡くなった数日後、私は番組の中で、「お祖母ちゃんがたっくんに反応した。あれはなぜだったと思う?」と聞いてみた。彼は「僕が孫でかわいいから」というようなことを言ったけど、もちろんそれじゃ足らない。私は言った。
 
「かわいいからこそ、心配でたまらなかったんだよ。いつ変わってくれるだろう、いつ自分の殻から出てくれるだろう、と思っていたんだよ。それはみんなも同じことを10年間ずっと思っているんだ。わかっていないのはキミだけなんだ」――彼は黙って聞いている。私は続けた。
 
「一番心配してくれたお祖母ちゃんはもういない。でも、父方のお祖母ちゃんお祖父ちゃんにはまだ、生まれ変わった孫の姿を見せることができる。絵描きの趣味は趣味で続けたらいい。その前に仕事を頑張りなさい。会社を助ける人間になりなさい。そうすれば亡くなったお祖母ちゃんも喜ぶと思うよ。」
 
それからも私はYouTubeチャンネルの収録を通じて彼に語り続けた。直接「仕事とは何か」という話をすることもあったし、別の話題から間接的に心構えを教えることもあった。逆質問をぶつけて彼自身にも考えさせた。そうやって彼自身の中に「これからの自分」のセルフイメージを育てさせた。
 
 

自営業者の家に生まれた者の宿命
他の2倍3倍働け!

 
読者にも同じ境遇の人がいると思うけど、二代目や三代目は事業の内容が好きだから事業を継ぐわけじゃない。お客さんがいるから、地域のお客さんのためにその事業に入るんだ。自分が何が好きとか何が嫌いとかは二の次。それが自営業者の家に生まれた者の宿命なんだよ。
 
そうやって家業に入ると次は、一般従業員の厳しい目が待っている。中小企業はほとんどが同族企業だ。だから身内が社内にいるが、身内同士で甘やかすことは絶対にしてはいけない。私は息子にも、「他のみんなの2倍3倍働け。それでやっと認められる」と教えている。
 
それに、そのほうが実力を身に付けるためにもいいんだよ。だって親族は労基法の外でいくらでも働けるから、密度濃く幅広くゼネラリスト的な働き方を10年も続ければ、一般社員の2倍3倍の能力が備わる。その能力でもって経営に参加するのであって、「身内だから経営陣の一人に入れとこう」みたいな考えは百害あって一利なしなんだ。
 
たっくんはこのあたりのことがわかり始めたと思う。最初の頃に比べて、今は目つきも、言葉づかいも、仕事ぶりも別人だからね。
 
 

今は楽することを覚える時じゃない
だからあえて厳しくする

 
次は神谷君と勇士について。オンライン事業の責任者であり日本販売促進研究所のSNS販促コンサルタントとして二足の草鞋を履き始め、私のような二刀流を歩みだしたが、今年に入ってからコンサルタントの仕事が激増し忙しい。出張も増え、本部にいる時間が減った。YouTube公式チャンネルを含めた一部業務はたっくんに引き受けてもらって回しているが、2人の本業であるEC部門の月間売上目標未達の月が出始めた。
 
2人に問いただすと、「やってますよ」と答える。これが私には気に食わない。数値目標が達成できなければ、それは「やった」とは言えない。
 
要は見ている視点がズレているんだ。私は「真実」を言っているのに、2人は自分に都合の良い「事実」を言っているだけ。もちろん2人は支援先ではそんな間抜けな指導はしていない。なのに、自分の本業となると「真実」が見えにくくなるんだ。ここで素直に本業の数値を捉えることができないジレンマは私も経験済みだ。二刀流になれば誰でも最初は通る道。それはよくわかっている。
 
だから私は「やってる」を禁句にすることを教えた。結果を素直に見て、その数値から結果が出ていなければやっていないと先ずは決めつけること。背後の「やっている努力」「練習やプロセス」「立場や苦労」という感情的要素を盛り込むと数値が素直に見えなくなる。どんなに素晴らしい努力をしても1割バッターであれば戦力外であり、ということは努力の仕方が間違っている、プロセスがズレているということなんだよ。
 
二刀流になって一番大変なのは、支援先が10社になれば10日間出張になる、そこで自分の休みを週休2日にすれば12日間しか本業に携われない。週休1日でも16日間。それでも本業の成果を出さなきゃいけない点だ。だからマネジメント力と効率化とデジタル化を繋げなければできない。でも、そのぶん、短期間で力を付けることができる。
 
――何が言いたいか、わかっただろう。そう、私と同じように、一気に成長してほしいんだよ! 今がそのチャンスだから!
 
例えるなら「ウサギとカメ」だ。神谷君と勇士のウサギが二刀流でもたついている間に、ようやく目覚めて歩き始めたたっくんカメ。将来の発展が楽しみだ!
 
 
 
■9月22日「滋賀」勝人塾IN大津
事務局 中山スポーツ
 
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繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート
vol.59 人は変われる。いいほうにも悪いほうにも。だから頑張ろう。

 著者プロフィール  

佐藤 勝人 Katsuhito Sato

サトーカメラ株式会社・代表取締役副社長/日本販売促進研究所・商業経営コンサルタント/想道美留(上海)有限公司・チーフコンサルタント/作新学院大学・客員教授/宇都宮メディアアーツ専門学校・特別講師

 経 歴  

1964年栃木県宇都宮市生まれ。1988年、兄弟とともに家業のカメラ店をカメラ専門チェーン店に業態転換させ、商圏をあえて栃木県内に絞ることにより、大手に負けない経営の差別化を図った。以来、「想い出をキレイに一生残すために」というコンセプトを追求し続けて県内に18店舗を展開。同時におちこぼれ社員たちを再生させる手腕にも評価が高まり、全国から経営者や幹部リーダーたちが同社を視察に訪れている。2015年からはキャノン中国とコンサルティング契約を結び、現場の人材育成の指導にあたる。主な著書に『売れない時代はチラシで売れ』『エキサイティングに売れ』(以上同文館出版)『日本でいちばん楽しそうな社員たち』(アスコム)『一点集中で中小店は必ず勝てる』(商業界)『断トツに勝つ人の地域一番化戦略』(商業界)など。新刊の『モノが売れない時代の「繁盛」のつくり方』(同文舘出版)が好評発売中。

 オフィシャルサイト 

http://satokatsuhito.com/

 オフィシャルフェイスブック 

https://www.facebook.com/katsuhito.sato.3?fref=ts

 サトーカメラオフィシャルサイト 

http://satocame.com/

 
 
(2021.9.22)
 

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