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コラム 世界珍写行の発想術 vol.18 世界珍紀行の発想術 クリエイティブディレクター

コラム
 
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あっという間に集まって
赤ちゃんを抱えている理由。
 
 
 
実はこの原稿は、エチオピアで書いている。
昨年、春にトルコとハンガリーへ行って以来、なかなか海外へ出かけられなかった。
いまぼくは、セブン-イレブンのブランドコミュニケーションを手がけていて、あの忌野清志郎さんが歌うCMとかね。
セブン-イレブンが日本全国の各地域に対応する商品を、現状の15%ぐらいから70%近くまで引き上げると宣言したもんだから、僕の仕事もたとえばひとつのCMもそれぞれの地域に対応したカタチにしなきゃ、だったり、
さらに今年になってトヨタを抜いて日本のブランド価値No.1になったりで、
もうね、ずっと大騒ぎだったの。
で、ちょっと余裕ができそうなタイミングに強引にエチオピア行きを決めた。
 
 
 
世界一周をした旅人の友達が、すすめるんだよね。エチオピアがいいって。
早く行かないといろんな素晴らしいシチュエーションが時代の流れで消えてしまうだろう、って。
決めた後にわかったんだけど、恐怖の南京虫ってのがいてさ、エチオピアはどうやら南京虫大国と言われてるらしい。英語だとベッドバグ、まさに世界共通の旅人の恐怖のアイコン
検索してみたら? 閲覧注意。おれ、その画像見て卒倒しそうになったもん、痒い地獄で病院送り(笑)。友達に聞いたら、ベッドの上にシートを敷いてテントを張って寝袋で寝たって言うわけ。
買いましたよ、テント! 寝袋!
ま、実際は、被害には遭わなかった、そんな警戒するほどではなかったような、でもわからない、シートがあったからかもしれないしね。
 
 
で、導入ですっかり字数を使ってしまったけど、ご覧のご婦人たちは、もちろんエチオピアの綺麗どころ。
エチオピアには80以上の部族があって、ほとんどモダン生活を拒絶するスタイル。藁を組み上げた家のなか、牛の皮を敷いただけのベッド、竈があってそこで火を使う、へたするとそのまんま山羊などの家畜も居たりする。
そしてこの女性たちのような容姿。これが、現実の暮らしとして営まれているの、
丸裸でペイントだけして歩いてたりする。すごいよね。
 
ただし、他の貧しい(と言っていいのかな?)国と同じように、村に着いてぼくが車から降りると、あっという間に彼女たちに囲まれて「写真撮れ」「お金ちょうだい」となる。写真はひとり5ブルから20ブルの間、1ブルは約5円
 
安い? まぁ、そうなんだけど、どんどん人が集まってきて、さらに次々と子供も寄ってきて、さらにはお母さんが赤ちゃんを抱いて戻ってくる。
キリがない恐怖(笑)。
写真撮ったら撮ったで、あたしも写真のフレームにかじって入ってたはずだ、この赤ちゃんもひとりの数だ、みたいな。
 
 
もちろんそれらは観光用にすっかり慣れてしまったやりとりではあるんだけど、
でも、実際にそうして生活している強み。
観光用の生活ではなくて、ほぼ土の上に寝て唇の穴を広げていくリアル。そこがやっぱり、
どっかのごはん食べながらのショーや観光センターのイベントとは圧倒的に違う凄みがあって、
世界中からそれをまのあたりにするためにわざわざ飛行機に乗って人々はやってくる。
 
 
 
こうした人々のスタイルが残り続けるのか、消えていくのか、わからないけど、
人間という生き物のキャパシティとして
なんとか残って欲しいと思うのであった。
 
 
 
 
【今回のキーワード】
本物の凄みには
強力な
磁力がある。
 
 
 
 

 執筆者プロフィール 

永澤仁 Hitoshi Nagasawa
クリエイティブディレクター/run!run!! planning!!! 海の家 店主

 
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 経 歴 

セブン-イレブン(忌野清志郎さんが歌うブランドの根幹を担う「近くて便利」コミュニーケーション)、バイク王(雨上がり決死隊バージョン)、キリン氷結(発売から6年間)、シチズン(広告&商品開発)など数々のクリエイティブを責任者として手がけ、そのすべてをジャンプアップさせた実績を持つ。競合プレゼンでは独創的なスタイルで3年半無敗を記録。受賞歴は国内外100以上。強い、正しい、面白い! 国も地域も企業も商品もお店も人も、めざすゆたかな高みへ。

オフィシャルホームページ  http://umino-ie.jp
フェイスブック (個人) https://www.facebook.com/hitoshi.nagasawa.35
フェイスブック (海の家) https://www.facebook.com/uminoie777

 
 
(2015.6.24)
 
 
 

 

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