◆ライフラインを裏で支える
老舗配管継手メーカーの挑戦
ベンカンが誇る商材の一つ・BKジョイント
住まいの給水をはじめ、オフィスや商業施設の空調、さらにはガス、発電といった都市インフラは、様々な配管に支えられています。しかし、日頃は直接目にする機会も少なく、意識をしている人は少ないかもしれません。最近では天井を吹き抜けにした配管の見えるインテリアも増えたものの、やはり縁の下の力持ち・・・といった印象です。
そんな配管をつなぎあわせたり、向きを変えたりするための継手を60年以上つくり続けているメーカー、株式会社ベンカン。ベンカンが手がける配管継手は、素材もサイズも多岐にわたります。厳しい品質が求められる発電所やガスプラントでも多数採用されており、配管継手業界で長年躍進を続けてきました。とはいえ、これだけ優れた技術とノウハウを持っていても、配管はあくまで裏方。「配管のおもしろさを多くの人に知ってもらうには、どうしたらいいか」――こうした思いを基に、ベンカンではある新たな取り組みを始めたのです。それは、なんと配管継手の意匠的な特徴を活かした家具の開発。
「知恵と勇気を持って 変化にチャレンジしよう!」というスローガンの基、配管継手一筋の老舗メーカーの挑戦は幕を開けたのでした。
ライフラインを縁の下で支える配管継手
配管継手一筋60年以上という老舗の技術
優れた技術とノウハウで新境地へ挑む
◆好奇心から始まるモノづくり
配管継手の家具「curioso」
継手のパーツや製造技術を活かした家具ブランド「curioso」誕生!
配管継手メーカー・ベンカンの家具づくりは、デザインも製造も試行錯誤の連続でした。そして始動から約1年後の2014年6月、ついに試作品がお目見え。2つのブランドが設けられ、「工場にある継手パーツをなんとなく組み合わせたかのような、自由な発想から生まれたインテリア」をテーマにしたアイテムは、メインブランドとなる「curioso(クリオーズ)」――“好奇心”を意味しています。いっぽう、ベンカンの原点である溶接式管継手を使ってパーツを製作し、ステンレスの素材感や重厚感を活かしたアイテムは、開拓者を意味する「PIONEIRO(ピオネイル)」です。
存在感のあるランプシェードBIC008 co-a
BIC005kong(テーブル)とBIC004 ping(イス)
曲線美が冴える一人掛けソファBIP001 ema
いくつもの継手をカスタマイズしたテーブルやチェアのシリーズ「MORUKO」、くり抜いたステンレスの穴から光が漏れるランプシェード「co-a」など、クリオーズのアイテムは遊び心に富み、まさに見る者の“好奇心”を刺激します。また、ピオネイルは、アイテムを一目見れば高い技術力がうかがえるものばかり。筒状のステンレスに包まれるようなユニークなデザインの一人掛けソファ「ema」に見られるような滑らかで美しいカーブは、ベンカンの優れた溶接技術があってこそと言えるでしょう。
◆異素材との出会いで広がる
配管継手の新たな世界
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| パーツを自由に組み合わせたようなイスBIC003 MORUKO-H |
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| 溶接継手の技術でパーツを製作。三人掛けソファBIP003 roop |
2015年、クリオーズの家具は、いよいよ本格的に販売をスタートします。注文を受けてから一つひとつ製作していることもあり、塗装の色やファブリック・木材の種類を選んで、自分好みにカスタマイズが可能。インテリアにクリオーズの家具を取り入れれば、見慣れた部屋は世界を変え、創造力をかきたてる空間に生まれ変わるはずです。
冷たい印象を受けがちな金属製の配管継手。しかし、ファブリックや木材と組み合わせることで温もりが生まれ、インテリアとして新たな道を拓くことができました。「モノづくりは好奇心から始まり、発想と技術が新しいモノを創りだす」。ベンカンの挑戦は始まったばかりですが、新たな素材と出会うことで、さらに創作の幅を広げていくことでしょう。
配管の価値観を変え、日本のみならず世界を見据える家具ブランド・クリオーズ。この次はいったいどんな展開を見せてくれるのでしょうか? 今後の展開を、お見逃しなく。
(この情報は2015年1月14日現在のものです)