高度な技術を持つ専門家
樹護士®が大切な木を守る
樹木の専門家「樹護士アーボリスト®」の資格も取得

小野 そうなんですよ。私たちは、先ほどもお話ししたツリークライミング®の技術を使った特殊剪定や特殊伐採が得意なんです。高所作業車やクレーン車などが入れず、作業が困難な場所にある樹木もロープワークを駆使して確実に管理していきます。
亀山 今日の対談は屋外ですが、まさに先ほどまで作業していらっしゃったようですね。
小野 はい、伸びた枝が隣の家屋に被っていた樹木の剪定をしていました。私たちの役目はただ木を切ることではありません。事前に生育環境や樹勢を確認し、枝を剪定すればいいのか伐採したほうがいいのかを慎重に判断しているんです。特に神社の御神木は添え木をするなどの方法をご提案し、可能な限り大切な木を守るようにしています。
亀山 街路樹や公園の木が折れたり倒れたりして、事故を起こしたというニュースを見ることがあります。こうした事態にならないよう、しっかりと管理する必要がありますよね。小野代表は、そのために欠かせない特別な資格もお持ちだとうかがいました。
小野 はい。それが、樹護士®です。まだまだ認知度が低いものの、この資格は樹木に関する高度な知識と管理の技術を有する専門家の証なんですよ。もともと海外では植物の仕事をするプロの総称で、日本にこの考え方が入ってきたのは20年ほど前です。さらに私はツリー クライマーズ スペシャリストの国際資格も取得しまして。海外では、この資格がなければ木に登る仕事ができないというスペシャリストを証明する資格なんですよ。

小野 ロープ1本で木に登る私たちの仕事は常に危険と隣り合わせです。ですから、仲間とは上下関係をつくらず何よりもチームワークを重視しています。作業中は常に声をかけあい、安全確認を徹底しているんです。そして、休憩中は必ず持参するテーブルでコーヒーを淹れ、みんなで一緒に飲みながら和気あいあいとコミュニケーションを取っています。
亀山 野球は緊張感を持って取り組むことが必要です。でも、時には肩の力を抜くことも大切なんですよね。そのほうが良いプレーができるんですよ。
小野 亀山さんのおっしゃるとおり、私たちの仕事も常にピリピリしているだけではヒューマンエラーにつながります。メリハリを持って動くことで、パフォーマンスも上がるんですよ。