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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

どんな要望も全力で対応
イベント会場の運営会社

 

会社名で呼ばれるうちは半人前!

 
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クリス 運送業界から離れたあと、イベント業界にたどり着いたのにはどのようなきっかけがあったのか教えてください。
 
佐藤 昔からの知人が「そろそろ自分自身を商品にする仕事を考えてもいいんじゃないか」と、イベント会場に関わる仕事を紹介してくれたことがきっかけです。
 
クリス ご自身を商品にする仕事とは、具体的にはどのような考え方なのでしょうか?
 
佐藤 お客様が「あなたに頼みたい!」と思うような付加価値をつけることですね。というのも、運送会社で働いていた頃に「会社名で呼ばれるうちは半人前。個人の名前で呼ばれてこそ一人前だ」と教えられていまして。そのときは、自分自身を活かす、ひいては独立して事業を行うにはどうすればいいのかと自問自答していました。しかし、その知人の言葉もあって、イベント業界での仕事であれば私自身の価値や強みを活かせるのではないかと考えたんです。なぜなら、イベント会場は発表会や展示会、商談などで、さまざまな業界の方が使用しますから、私のこれまでの経験が役に立つと思いました。そして、それを最後の転職にしようと2011年にこの業界に入ったんです。
 
クリス それが先ほどおっしゃっていた「どんな人とでも仲良くなれる」という佐藤社長の強みにつながっているわけですね。
 
佐藤 おっしゃる通りです。とはいえ、もちろんイベント業界は未経験でしたから、当初は右も左も、それこそ舞台の上手・下手もわからないまま、最初は客席が700席くらいある大きなホールの常駐スタッフとして働きました。ただ、一介のスタッフの立場では、残念ながらお客様のご要望を直接かなえることはできません。クライアントの方々に肩書きやポジションだけで判断され、門前払いされてしまう悔しい経験もしました。まずはとにかく、一生懸命かつ丁寧に対応することで、自分自身を知ってもらうことを意識していましたね。
 
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クリス そんな厳しい世界で、あえて独立をなさろうと思われたきっかけはなんだったのでしょう?
 
佐藤 スタッフとしての経験を積み、やがてイベントスペースの窓口担当として会場のオーナーさんと会場を使いたいクライアントさんのお取り引きの橋渡しを任せられるようになった頃、何人かの経営者の方に独立を勧められるようになったんです。このとき、私の子どもが進路選択の時期でして。勤めていた会社の収入では望む選択ができず、何の保障もない中ではあったものの、独立を決意しました。今思い返せば後先を考えていない決断でしたが、おかげさまで独立を後押ししてくださるお客様が何人もいらっしゃいまして、非常に心強かったですね。
 
クリス 多くのお客さんが独立を応援してくださったのも、きっと佐藤社長の強みであるお人柄が評価されたのはもちろん、その本気の熱意を感じ取ったからなのでしょうね。