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ビジネス 企業の成長には何が必要か?vol.3 意思決定を繰り返して目標に近づく 企業の成長には何が必要か? デルフィーコンサルティング株式会社 代表取締役 久保田 記祥

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時代の変化に対応して成長し続ける企業にはどんな特徴があるのだろうか。「一般社団法人すごい会議」のメンバーで、デルフィーコンサルティング株式会社の代表取締役を務める久保田記祥氏に、同社のサービスの手法も交えて、企業成長に必要な要素を語ってもらうインタビューの第3回目。
 
 

意思決定に正解はない

 
――前回のお話は、クライアント企業の思考の枠組み=コンテキストを変えて、ポジティブに事業に取り組むための支援が、御社の最初の役割になるというお話でした。
 
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はい。もう一つ大事なのは、意思決定をちゃんとしていただくように働きかけることですね。
多くの会社さんが、何かを決定することを避けています。これは個人レベルでもそうです。突然ですけど、あなたは人生で明確な意思決定をしたことってありますか?
 
――明確な意思決定・・・。すぐには思い浮かばないですね(笑)。
 
そうでしょう(笑)。実はほとんどの人が、明確な意思決定は、そんなにしていないんですよ。結婚するとか、子どもの名前をつけるとか、そういう機会って何度もあるものじゃないですからね。そのように、正解がないものに対して何かを決めるのが意思決定です。
 
経営の話に戻ると、A案とB案があって、どちらを選ぶかというシチュエーションになると、みんな、なかなか決められない。どうしても決めるのを先送りにしてしまうんです。そこで私たちが、「今決定して、その決定が正解になるようにふるまってください」という働きかけをします。
 
明確な目標があるとしても、今までの延長線上で物事を進めるわけではないので、先行きは不透明です。そもそも、今までと同じことをやっていたら絶対に達成できない目標を立てているんですからね。つまり、ある程度の確率で、失敗もするわけです。
 
でも、失敗を恐れて何も決めずにいたら、目標には決してたどりつけません。だから、いち早く決めていただき、その決断が正解になるように実行してもらう。仮に失敗に終わったら、次はどうするかを考え、また意思決定をしていただく。
 
――意思決定した先に必ずしも正解があるわけではない。それでも、やると決断して前に進むことが大事というわけですね。
 
そうです。多くの人は、意思決定に正解があると思っています。でも、ありません。正解がない中で決めて、仲間を巻き込んで物事を進めていく。うまく企業を成長させている経営者の方は、気付かないうちに、この決定をしています。
 
いっぽう多くの人は、意思決定を避けている。私も疲れているときは避けますからね(笑)。物事を決めるのはとても大変です。でも、決断したらやるしかないんです。うまくいかなかったらやめて、別の案を探る。その繰り返しです。
 
 

本音を言い合える関係づくり

 
――御社が支援をする場合、その都度、意思決定ができる水準まで会議を導いていくと。
 
そうです。大事なポイントはクライアントさんに、真剣に、心の底から、「売り上げを倍にしたい」などの明確な目標を持ってもらえるかどうかです。そのためには、クライアントさんと信頼関係を築いて、「久保田の質問には本音で、何でも答えよう」と思っていただける関係になる必要があります。
 
あと、「久保田に適当なことを言っても、許してもらえないだろう」と思っていただくのも大事です。私のほうから「社長、今、嘘ついたでしょ。本当はやらないつもりでしょ?」とはっきり言える関係になるのが大事です。
 
口にするだけで実行しない人ってたくさんいるじゃないですか。でも、意思決定をする人がそうではダメです。ですから、私にも発言するリスクはありますけど、「社長、どうせやらないつもりでしょ?」と言うべきと思えばはっきり言います。安くない料金でご依頼いただいていますから、こちらだって、いつでも真剣勝負でクライアントさんに向き合わなくてはならない。
 
――久保田社長のように外部の人が入ることが、企業が成長する推進力になりそうですね。
 
そうです。社内のスタッフから「社長の意思決定、間違っていたんじゃないですか?」と言われると、経営者の方は、「お前が決定事項をきちんと遂行しないからだ」と言いたくなりますよね。人間ってそういうものでしょう(笑)。でも、外部の人間から何かを指摘されると、素直に聞く耳を持ってくれることも多いんです。
 
――クライアントが本気で目指したい目標を明確にする。そして、目標達成に向けた問題に向き合って、意思決定をする方向に導く。そこで結果が出たら次の意思決定をする。その繰り返しが少しずつ企業を成長させていくと。
 
ええ。どうすれば目標に到達できるかという会議を継続しなくてはいけません。これをキープするのが我々の仕事として、とても重要です。うまくいかないとき、その要因をつくりだしている責任の所在を探しているようではダメです。
 
そんなものを探していても1円の利益にもなりません。どうすればできるのかを考える。人が絡んでいる以上、否定的な解釈はいくらでも出てきます。そういう解釈をしてしまうストーリーをつくっているようでは、企業は成長できません。
 
~vol.4に続く~
 
企業の成長には何が必要か?
~「すごい会議」コーチ、デルフィーコンサルティング株式会社・久保田記祥社長に聞く~
vol.3 意思決定を繰り返して目標に近づく
 
(取材2018年4月)

 著者プロフィール  

久保田 記祥 kubota noriyoshi

デルフィーコンサルティング株式会社 代表取締役/一般社団法人すごい会議 認定コーチ

 経 歴  

千葉県出身。大学卒業後、IIJテクノロジー(現IIJ)で営業を経験。その後、製造業で社長秘書、経営企画などを担当。同社で「すごい会議」のサポートシステムを開発・導入する。同社の子会社としてシステムを外販する会社を設立。さらに、「すごい会議」の認定コーチとなり、独立してアカリス株式会社を設立(2016年デルフィーコンサルティング株式会社に社名変更)した。「すごい会議」を通じたコーチング、ファシリテーション、コンサルティングをあわせた企業成長支援のサービスを展開中。株式会社ブランジスタの社外監査役および、トークノート株式会社社外監査役も務めている。

 オフィシャルサイト 

http://www.delphi-consulting.com/

 
 

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