在来線と新幹線を乗り継いで6時間半
今回一番長時間だった移動は、6月22日に行った和歌山県田辺市からの帰路だった。在来線と新幹線を乗り継いで、栃木の宇都宮まで6時間半。紀伊田辺から新大阪に出るだけで特急でも2時間半かかるんだから、トータルだとそれくらいかかっちゃう。出張慣れしている方からは、「飛行機に乗ればいいじゃん。南紀白浜空港から羽田まで1時間だよ」と言われそうだけど、私の場合、それはそれで都合がよろしくないんだよなぁ・・・。
というわけで、せっかくだから今回は趣向を変えて、「佐藤勝人の移動」がテーマです。いつも過激な話ばかりだから、たまにはこういう柔らかいテーマも夏休みらしくていいでしょう。
移動手段に希望する条件は2つだけ
あと、1回乗ったら最低2時間は乗り換えなしで乗っていたいです。私はサトーカメラ本部にも自宅にも書斎なんてものは構えていません。「壁が書棚の落ち着いた書斎で、マホガニーの重厚な机に向かい、革張りの椅子に腰かけて思索する」なんてのは自分のガラじゃない。常に現地を飛び回り、現場から発想を得るのが自分のスタイルだ。そうすると、必然的に、移動中の車内がデスクになるんです。だから1回乗ったら2時間ぐらいは集中して仕事を片付けられるほうがありがたい。飛行機で1時間飛んで終わりだと、ちょっと短すぎるんだよなあ。
結局最強なのはどんなやつか
だって、疲れるんですよ、そういう決め事があると。
皆さんもいっぺん考えてみるといいと思うんだけど、決め事とかゲン担ぎとかって、結局は自分の精神状態を整えるためのものじゃないかな。であれば、決まったルーティンに頼らなくても、いつでも最高のパフォーマンスを出せるのが理想でしょう。どんな状況でも自分の気持ち一つで平常心を保てるやつが最強でしょう。
私がこのことに気付いたのは40歳を過ぎてからでした。それまでは、勝負の日はやっぱり赤のパンツを履いていたんですよ。今日の講演は気合入れなきゃ、とか、今日のセミナーはガチの勝負だぞ、っていう日は、朝食は絶対に嫁が握ったおにぎりじゃないとイヤだったしね。それで朝起きてご飯を炊いてなかったら「早く炊けーっ! 早く握れーっ! 遅れちまうよーっ!」なんて、1人で大騒ぎしてね(笑)。
私がそうやって焦っていると、嫁がのんびり言うわけよ。「コンビニのおにぎりでいいじゃん。何が違うのよ」って。本人の名誉のために補足すると、何も嫁さんは、めんどくさいからそう言っているんじゃないんだ。“あなた、自分で自分のこと見えてる? そんな決め事に頼らないと闘えないようじゃ、カッコ悪いわよ”っていう意味なんだ。
嫁さんにしたらそんな「男のこだわり」なんて、駄々っ子のわがままと同じなんだよね。そう気付かされて客観的に振り返ってみたら、こだわりを持つのがカッコイイと思い込んでいるのは実は自分だけで、周りの人は案外何とも思っていなかった。だったら、そんな小さいことにこだわるより、与えられた状況に合わせて柔軟に対処できるようになったほうがいい。そっちを目指すほうがよっぽど自分の経験値が上がる。そう思って以来、つまらないこだわりは一切捨てました。(『男の隠れ家』の特集みたいな男性誌的な話を期待されていた方にはゴメンナサイ。)
思いやりなんかじゃない。自分のためだ!
こう言うと「佐藤さんは相手のことを思いやれる人だ」とか「心が広い」と思うかもしれないが、そういうことじゃないのよ。悪いけど。自分がその状況でいかに対処できるかの窮地を楽しんでいるんだ。“よっしゃ、また経験が積めるぞ!”と思っているんだ。相手のためじゃない。自分のためなんだよね。
だって、自分をつくれるのは自分だけなんだよ。環境が良ければ素直な人間が育つかっていったらそうじゃない。美しい大自然に囲まれて育っても全員が純粋無垢な大人になれるわけじゃない。でも、だからこそ勉強する意味が生まれるんだ。昨日までの自分で未来の自分を決めるんじゃなく、なりたい自分を未来に思い描くからこそ、そこに向けて勉強を続けるんだ。
そのためには「こうじゃなきゃいけない」なんていうこだわりは邪魔なだけ。またそんなこだわりがなくても、世界中どこに出ても活躍できるのが、歴史とか民族性とかに裏打ちされた日本人ならではの強みだという話を続けたいところだけど、それはまた今度。もっと話を聞きたいと思ってくださる方は、ぜひ勝人塾にお出でください。お待ちしています。
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著者プロフィール
佐藤 勝人 Katsuhito Sato
サトーカメラ代表取締役副社長/日本販売促進研究所.商業経営コンサルタント/想道美留(上海)有限公司チーフコンサルタント/作新学院大学客員教授/宇都宮メディア.アーツ専門学校特別講師/商業経営者育成「勝人塾」塾長
経 歴
栃木県宇都宮市生まれ。1988年、23歳で家業のカメラ店を地域密着型のカメラ写真専門店に業態転換し社員ゼロから兄弟でスタート。「想い出をキレイに一生残すために」という企業理念のもと、栃木県エリアに絞り込み専門分野に集中特化することで独自の経営スタイルを確立しながら自身4度目となるビジネスモデルの変革に挑戦中。栃木県民のカメラ・レンズ年間消費量を全国平均の3倍以上に押し上げ圧倒的1位を獲得(総務省調べ)。2015年キヤノン中国と業務提携しサトーカメラ宇都宮本店をモデルにしたアジア№1の上海ショールームを開設。中国のカメラ業界のコンサルティングにも携わっている。また商業経営コンサルタントとしても全国15ヶ所で経営者育成塾「勝人塾」を主宰。実務家歴39年目にして商業経営コンサルタント歴22年目と二足の草鞋を履き続ける実践的育成法で唯一無二の指導者となる。年商1000万〜1兆円企業と支援先は広がり、規模・業態・業種・業界を問わず、あらゆる企業から評価を得ている。最新刊に「地域密着店がリアル×ネットで全国繁盛店になる方法」(同文館出版)がある。Youtube公式チャンネル「サトーカメラch」「佐藤勝人」でも情報発信中。
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