そもそも、美容室と理容室の違いについて「美容室は女性、理容室は男性」と、漠然としたイメージを抱いている人も少なくないはず。そこで、「あずみシザー」さんの経営者インタビューにもご登場いただいている千葉県理容生活衛生同業組合トータルプロモーション科県講師の方々に、理容室の歴史を交えながら、今注目されている理由をお聞きしました。
まず、美容の定義は「パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること(美容師法第2条第2項)」、いっぽう理容は「頭髪の刈込、顔剃り等の方法により、容姿を整えること(理容師法第1条の2第2項)」。ということは、1番の大きな違いは、顔剃り、いわゆるシェービングの有無なんですね。人の体に刃物をあてて良いのは国家資格を持った医師と理容師だけ・・・と考えると、理容師さんて、すごい! 何でも、理容の起源は古くエジプトから始まり、理容業がスタートした中世ヨーロッパでは、理容師は外科医を兼ねていたそうなので、その名残なのかも。
日本では、江戸時代は「髪結い処」として社交場の役割も担っていた理容室。しかし、1998年の適正化規定廃止など様々なあおりを受けて、2000年代は店舗数も減少気味だったそう。そんな中、新しい付加価値を持った理容室が少しずつ増え、ついにやってきたのが「バーバー新時代」! この追い風を受け、ラグジュアリーな空間を演出したこだわり店が増えるなど、業界は絶賛イノベーション中らしく、利用者も“本物志向”の人が増加傾向にあるのだとか。

なるほど、理容室は短いヘアスタイルを得意としている面もあり、さらにシェービングや眉毛カットなどのメニューがあるとなれば、経営者や営業職など、清潔感や身嗜み、人に与える印象を大事にする男性は「美容室より理容室派」も多いのかもしれません。とはいえ、まだ女性の理容室利用者増についてはいまいちピンとこない・・・と思っていたら、千葉県理容生活衛生同業組合の先生方のご厚意により、レディースシェービングを初体験させていただくことになりました!

清潔感のあるヘアスタイルはもちろん、顔色の明るさや眉毛による表情の違いが与える好印象は、ビジネスシーンでも良い影響を与えるのではないでしょうか。業界の活性化により、ますますネオ理容室が増え、技術や空間もブラッシュアップしていくのが楽しみですね。このブームに乗って、まだ理容室を経験したことのない人は、ぜひ1度利用してみては!
取材協力
千葉県理容生活衛生同業組合
http://www.hair-chiba.or.jp/
取材協力店
TAKAGI HAIR SALON