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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 
 
インタビューからは、Microさんが心から仕事を楽しんでいる様子が伝わってきた。仕事に対する価値観をお聞きすると、「仕事という感覚はない」と答えてくれた。やりたくないことをやめて、やりたいと感じるものだけに突き進んできたのだという。
 

良い意味での妥協を学んだ

 
僕は、興味のあることはすぐに自分でもやりたいと思うタイプです。それは、やりたくないことをやめたからできたことですね。大学生のときは、会社員になるために就職活動をしたこともあります。でも、自分には無理だと実感しました。もともと、何かを長く続けることが苦手で、ずっと続けていたのは音楽だけだったんです。
 
だからやりたくないことをやめて、音楽で生きていくことにしました。好きなことを突き詰めることにしたんです。ただ、20代の頃はその気持ちが強すぎて、Shenと意見が衝突してしまうこともありました。そうして、Def Techを解散することになってしまった。一番やりたいことだったのに、続けられなくなってしまったんです。自分の“やりたい”だけで突き進んでしまうと、一緒に歩むはずの相方がやりたくなくなってしまうこともあるし、自分の気力も尽きてしまうと学びました。
 
30代に入ってからは、やりたくないことでも折り合いをつけられるようになりました。Def TechはShenと2人でやっているものなのだから、自分の意見だけでなく、良い意味で妥協も必要だと気付けたんです。やりたいことを続けるためには、折り合いをつけることも大事なんですよね。そうした変化はあったものの、やりたいことに突き進むというスタンスは今もずっと変わりません。
 
だから、仕事という感覚はないんです。好きなことしかしていませんからね。例えば、僕はアニメ『紙兎ロペ』の西宮先輩の声優も務めています。これは、僕が熱望して叶ったんですよ。『紙兎ロペ』を観たときに、アニメーションに声をあてているのではなく、声に絵をあてているんじゃないかというくらい“しゃべり”のおもしろさを感じました。「絶対にやりたい!」と思いましたね。どんな役でもやるから、やらせてほしいと口に出していたら、実際に参加できたんですよ。
 
これからもそのスタンスが変わることはないでしょう。おもしろいと思ったもの、興味を惹かれたものには積極的に関わっていきたいです。やりたいことは、口に出すこと。そうすればチャンスが訪れる可能性が上がりますからね。
 
 
(インタビュー・文 中野夢菜/写真 Nori/ヘアメイク 山崎初生)
 
 


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Micro(マイクロ)
1980年生まれ 東京都出身
 
2001年、Def Techを結成。2005年にリリースした1stアルバム『Def Tech』は280万枚を超える売り上げを記録した。2020年には結成20周年、デビュー15周年を迎えた。2024年8月からは全国ホールツアーを予定している。現在は音楽活動の他に俳優、声優など活躍の場を広げている。9月22日から天王洲 銀河劇場にて上演されるミュージカル『イン・ザ・ハイツ』のウスナビ役をWキャストとして出演予定。

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(取材:2024年7月)