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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

家業の宝石関連事業と
心理学研究の二刀流!

 

経営者と心理学者として“二刀流”で活躍

 
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 英才教育を受ける一方で、戦隊ヒーローにも親しみながら幼少期を過ごされたんですね。
 
坂口 ええ、いわゆる上流階級といわれる人たちと関わりながら社交マナーなども身につけてきた一方で、小学校の帰りには友だちと一緒に駄菓子屋さんに立ち寄って遊ぶこともありました。今思えば、とても変わった幼少時代でしたね(笑)。
 
 なかなか珍しいご経験だと思いますよ(笑)。そうした中で、心理学を学ぼうと思われたのはなぜだったんでしょう?
 
坂口 実はもともと母が心理学や精神医学などの分野を学んでいたんです。というのも、私の祖父が非常に柔軟な発想の持ち主で、以前は家を継ぐのは長男だけとされてきた慣習を「女性が継いでも良いじゃないか」とあらため、母が跡を継げるようにしたんですよ。そうした自由な気風のもとで、母は当主として経営に携わりながら心理学も学び、私に後継者としてのプレッシャーをかけないように育ててくれました。その影響もあって、私も経営者と心理学者の道を進むことになったんです。現在、会社経営の傍ら、心理学の本の執筆やセミナーの開催なども行っていますよ。
 
 ご祖父様からお母様、そして坂口社長へと、多様性を尊重する今の時代に即した自由な気風が受け継がれてきたわけですか。心理学者と経営者、どちらの分野でも活躍する二刀流とは、素晴らしいです。
 
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坂口 ありがとうございます。私はその革新的な、プログレッシブな気風をより先進的な形として表そうと事業に取り組んでいます。例えば、宝石をそのまま宝飾品として利用するのではなく、より幅広い分野で活用できないかと考え、宝石顔料というものを開発しました。ルビーやサファイアといった宝石の美しい色は、石の組成と光の反射によって表れています。ですから、普通は粉砕してしまうとそのバランスが崩れ、ただの白い粉になってしまうんです。それを、もとの石の色を残しながら顔料として定着できるように試行錯誤を重ね、開発に成功しました。現在ではさまざまな企業と提携して、続々と新商品の製造や販売につなげています。