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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

広告とは異なる
勝つための“広報戦略”

 

原因を模索し、効果的な広報活動を実施

 
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菊池 さすがレッズですね。企業においても、経営者や役員の方々がメディアに登場することがあります。その一言一句が企業ブランドを左右すると言っても過言はないでしょう。また、新商品の記者発表会も同様です。どれだけ素晴らしい商品をつくっても、間違った情報やイメージが記者の方々に伝わってしまっては、かえって商品の価値を落としめてしまうこともあります。そうした企業や商品のイメージ、ブランドを向上させるために有効なのが広報活動だと言えるんです。そして信頼度の向上も大事ですね。
 
鈴木 つまり、いつ、何を、どのような形でメディアに登場させるかを考えることが広報の仕事だと。
 
菊池 はい。いっぽうで、広告宣伝はお金さえかければ、自分の好きなようにつくってメディアに紹介することができます。でも、たくさん広告を打ったからといって評価が高くなるわけではありません。それに、広告にかける費用も無尽蔵にあるわけではない。だからこそ信頼性の高いメディアを使った効果的なPRが不可欠なんです。私がかつて5年間、広報アドバイザーを務めた工学院大学は、歴史と伝統があり、卒業生も様々な業界で活躍する素晴らしい大学です。であるにも関わらず、サポートを始めた当時は受験者数が減少傾向にありました。行きたい大学として工学院の名を挙げる人は減り、その結果、偏差値も低下してしまっていたんです。
 
鈴木 昨今は少子化で学生の獲得競争が激しくなっていると聞きます。工学院大学では広報活動をしていなかったのでしょうか。
 
菊池 していました。しかし、先ほど申し上げた通り、広報の仕事とは非常に奥が深いもの。マスコミ対応にまで手が出せないのは、一般によくあるケースなんです。私が分析してみたところ、この大学はマスメディアへの露出度不足や、適切なプレス対応を実施していなかったことにより知名度の低下を招いたことが、志願者数減少の原因にあると思われました。
 
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工学院大学ソーラーカープロジェクト2015年世界大会準優勝のゴール
鈴木 新聞や車内広告などで「願書受付中」や「オープンキャンパス開催」といった大学の広告宣伝を目にすることがあります。でも、それだけで受験者数が増えるとは考えにくいですよね。
 
菊池 おっしゃる通りです。そこで私がアドバイザーとしてサポートしてからはプレス対応の強化から始めましてね。記者懇談会を行ってマスコミとの交流を深めました。それによりメディアとの信頼関係を構築し、大学のイメージアップとブランド力向上のため、学長や教職員一体となった広報活動体制をサポートしたのです。それらの活動により、大学の社会的な評価を高めて、受験生の共感を得られる情報発信を心がけました。