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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

広告とは異なる
勝つための“広報戦略”

 

「広告」と「広報」は似て非なるもの

 
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菊池 鈴木さんは、広報に対してどんなイメージをお持ちですか?
 
鈴木 プロスポーツ選手って、ある意味、芸能人的な面もあるんです。個人でメディアに露出して人気が出る選手もいますからね。その選手の知名度が増すことで、チームの人気が高まることもある。でも、ときに過大評価されたり、ネガティブな記事を書かれたりすることもあります。そういったことが起きたときに、しっかりと事実を伝えて、間違ったイメージがつかないようにしてくれるのが、広報の方の役割でした。
 
菊池 おっしゃる通りです。そんな広報の方を支援するのが、当社の役割になります。営業支援が得意な会社はあっても、広報支援となると少ないと思うんです。そもそも、日本の企業で広報に携わった経験のある人はあまり多くないでしょう。日本の上場企業でも、広報部という専門部署を設けている企業は案外少ないと思います。企業によっては、総務部の中に広報担当がいたり、社長秘書が広報を兼ねていたりするんですよ。
 
鈴木 そうだったのですね。レッズの選手にとって広報担当者はマネージャーと同じくらい身近な存在なので、意外です。マスコミとの窓口を担ってくれたり、選手という商品をどのようにPRしていくかを考えてくれたり、チームに不可欠な存在でした。
 
菊池 プロスポーツ選手であれば、広報活動の重要性を認識されていますが、企業の一般社員の方の中には、「広告」と「広報」を一緒くたに考えている人も少なくありません。
 
鈴木 そう言われると、僕も自信がないですね。広報とは何か、わかりやすく教えていただけますか。
 
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工学院大学のソーラーカーチームをサポートしている
菊池 例えば、志願者が多く受験生からの人気が高い明治大学の大学案内を見ると「活躍する卒業生」として、なでしこジャパンの元監督・佐々木則夫氏や、日本代表の長友佑都選手が大きく紹介されています。こうしたブランド戦略を打ち出して、大学のイメージを変えた結果、受験生の志願者数、特に女性の志願者数が増加したと言われているんです。これはまさに広報活動が奏効した例だと言えるでしょう。
 
鈴木 確かにブランド戦略って大切ですよね。レッズでは、広報担当者が選手に対し、ブランド戦略についてのレクチャーを行うんです。自分の言動がマスコミに好意的に取り上げられれば、チームのブランドイメージを高めることができる。逆に、自分の言動がブランドイメージを低下させることもあると・・・。だから、プレイ以外の点についても、一人ひとりが自分の持つ商品価値を高めるよう教えられました。