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まちがまるごと宿泊施設!?
地域の日常に飛び込む非日常
SEKAIHOTEL

◆地域の魅力を観光資源に
 地方創生の新しい形!

 
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東大阪・布施の商店街の様子
リモートワークの普及に伴い東京一極集中から地方分散が進むと言われて久しいものの、依然として地方の空き家問題や商店街のシャッター通り化は深刻です。インバウンドの盛り上がりも主要な観光地ばかりが目立ち、観光の誘致に苦戦している地域も多いでしょう。そういった状況だからこそ、近年ではユニークな地方創生の取り組みが増えています。
 
2018年に東大阪を皮切りにスタートした「SEKAI HOTEL(セカイホテル)」も、地域の課題解決に新しい切り口で光明をもたらしている画期的な取り組みの一つです。その内容は、なんと、商店街全体を一つのホテルに見立てて運用するというもの! 商店街周辺の空き家や空きテナントをリノベーションして客室として利用するほか、地元商店と連携することで、商店街を回遊する宿泊客に地域ならではの魅力を感じられるサービスやアクティビティを提供しています。
 
商店街に暮らすように泊まる「まちごとホテル」という新しい地方創生の形を切り拓き、持続可能なまちづくりに挑むSEKAI HOTELが提案する、日常に飛び込む非日常体験をご紹介しましょう。
 
 

◆人情味あふれる大阪・布施
 下町の日常に飛び込む旅

 
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商店街の元レディースショップがホテルのフロントに!
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商店街周辺の空き家などをリノベーションした客室
SEKAI HOTELのブランドコンセプトは「旅先の日常に飛び込もう」。その第一弾として、2018年、「景気良くいこう」を合言葉に「SEKAI HOTEL Fuse」が東大阪市・布施駅から徒歩すぐの布施商店街にオープンしました。17の小さな商店街で構成される布施商店街は、周辺には町工場があり、職人と商人で賑わう下町情緒たっぷりなエリアです。客室は、まちに点在する古家をリノベーション。スタンダードやスーペリアルームのほか、気軽なドミトリーもあるので、旅の目的やスタイルに合わせて選ぶことができます。チェックイン時にはおみくじをひくことができるほか、近隣店舗で買い物をするとおまけが提供されるなど、気前のいい大阪商人カルチャーをたっぷりと体験できる取り組みを行っているのも特徴。布施商店街の象徴とも言える商売繁盛の神様・恵比寿様をアイコンに“気分がアガるまち”として、盛り上げています。
 
旅行の醍醐味ともいえる食事はもちろん、商店街で! ノスタルジックな街並みを歩けば、創業100年以上という老舗の店も少なくありません。カメラ片手にたこ焼きをはじめとした大阪グルメを食べ歩き、夜は連携する店をはしごして地元の常連とレッツ呑ミニケーション。モーニングにレトロな喫茶店でミックスサンドを味わうひと時は、初めて来たまちなのになぜか懐かしい――そんな気持ちにさせてくれるのではないでしょうか。
 
商店街で店員と会話を交わし、地域住民が通う銭湯で汗を流す。訪ねたカフェで町工場の技術に触れたり、たまたま店で出会った常連と肩を並べて酒を酌み交わしたり――そんな大阪・下町の日常に飛び込む非日常を楽しめるのが、SEKAI HOTEL Fuseです。こんな風に観光客×地域住民の円滑なコミュニケーションを楽しめるのは、SEKAI HOTELがこの地域と真剣に向き合い対話を重ねた結果と言えるでしょう。
 
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地元民気分で商店街の大阪グルメを食べ歩き
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喫茶店でノスタルジックなモーニングのひと時を
 
 

◆自然や歴史、文化が紡いできた
 その土地の日常と出会う体験

 
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晴れた日は立山連峰も眺められる雨晴海岸
その土地の個性を発見しスポットを当て、オンリーワンの刺激的な体験として観光客との縁をつなぐSEKAI HOTEL。ゆえに、まちが変われば趣も体験もまったく異なるのが「まちごとホテル」のおもしろいところです。2022年12月には、新たに「SEKAI HOTEL Takaoka」が富山県高岡市に誕生しました。高岡のまちを楽しむ合言葉は「やわやわブルー」。「やわやわ」とは富山弁で「ゆったり、ゆっくり」を意味し、雨晴海岸や立山連峰といった美しい青が彩るまちを楽しもうというメッセージが込められています。
 
SEKAI HOTEL Takaokaの拠点は、ドラえもんの作者である藤子・F・不二雄も若き頃に通い詰めたという、1946年開業の文苑堂書店跡をリノベーション。地元で愛された歴史ある書店跡から始まる日常を楽しむ旅は、まち中の魅力的な青との出会いが心を動かし、優しくゆるやかな時間を感じさせてくれます。
 
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地元で長年愛されてきたランドマークがホテルの拠点に
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高岡で、お気に入りの「やわやわブルー」を探す旅を
 
知らない土地を訪ねて、地域の人と関わり、まちに溶け込むことでしか得られない発見や感動は、かけがえのない旅の思い出になります。しかし、旅先の日常に飛び込むのは多くの人にとって少々ハードルが高いものかもしれません。そうした垣根を取り払い、背中を押してくれるSEKAI HOTEL。地域と観光客の懸け橋として、今後もどんなまちの日常を照らし、魅力に気付かせてくれるのか――今後の展開にも注目です。
 
 
 
SEKAI HOTEL Fuse
〒577-0841 東大阪市足代1-19-1
TEL 06-6748-0750
 
SEKAI HOTEL Takaoka
〒933-0023 富山県高岡市末広町40
TEL 0766-30-3791
https://www.sekaihotel.jp/
 

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