◆近年世界からも注目が集まる
国産ブドウでつくる日本ワイン
新型コロナウイルスによる外出自粛の影響で、盛り上がりを見せた「リモート飲み」。皆さんは、自宅でどんなお酒を楽しんでいますか? 普段の食事にも合わせやすいものとして、日本では長年ビールや日本酒が親しまれてきました。そして、この30年ほどの間に国内消費量が増えて、すっかり定番となってきたのがワイン。最近では、和食にもワインを合わせるなど、気軽に楽しむ人が増えてきています。
ワインというと、フランスやイタリアなど、海外のものが主流というイメージが強いかもしれません。実は近年、日本ワインが海外でも高く評価されていることをご存じでしょうか。日本ワインは、単に国内で製造した国産ワインではなく、国産ブドウを使用して国内で製造したものを指します。主な産地として知られるのは、北海道や山形県、長野県、そして何よりブドウ生産量日本一を誇る山梨県です。
個性豊かなワイナリーが集まる山梨県の中でも、今回はブドウづくりからこだわり、130年以上のワインづくりの歴史を今に受け継ぐ「ルミエールワイナリー」に注目。風土と歴史が醸す、味わい豊かなルミエールのワインをご紹介します。
◆自然の力を活かしてブドウを育て
熟練の技術と情熱でワインを醸造
ルミエールは、家族経営で代々受け継がれてきた、老舗のワイナリー。その前身である降矢醸造場が創業したのは、明治初頭――いわゆる“文明開化”間もない1885年のこと。西洋文化の象徴とも言われる葡萄酒に注目し、誕生した醸造所です。創業当初から「本物のワインを造るには本物のブドウを育てること」という教えを守り、高品質のワインをつくり続けています。
山梨県は、土壌の品質や、日照時間・気温など気候の好条件も相まってブドウ栽培に適した地域と言われています。さらに、ルミエールの自社農園では、下草を生やす「草生栽培」、人工的に耕さない「不耕起栽培」による土づくりを行い、できるだけ自然に近い状態でワイン用ブドウを栽培。ヨーロッパ品種の導入など、長い歴史の中で絶えず進化を続け、本物のブドウづくりからこだわり続けてきました。
自然の力を生かして育てられたブドウは、最新の醸造設備、そして古くからある石造りの発酵槽や地下セラーで、じっくりと時間をかけて味わい豊かなワインに醸されます。ルミエールワイナリーでは、1901年に扇状地の傾斜を利用し、丈夫な花崗岩を積んで構築された日本初のヨーロッパ型横蔵式地下発酵槽が、なんと現在も活躍中。この歴史ある石蔵発酵槽は、1998年に国登録有形文化財に、2018年には「葡萄畑が織りなす風景」を構成する文化財の一つとして日本遺産に認定されました。
130年を超える長い歴史の中で培った熟練の技術や唯一無二の環境、そして新しい風も取り入れながら常に高みを目指すつくり手の情熱、そのすべてが、ルミエールの繊細かつ高品質なワインにつながっているのでしょう。
◆歴史を感じる豊かな味わい
珠玉のワインがラインナップ
ルミエールでは、30種類以上のオリジナルワインを展開。気になる日本ワインのカテゴリだけを見ても、山梨ならではのブドウ品種・甲州を使い、瓶内二次発酵で造る「スパークリング 甲州」をはじめ、自社畑の厳選したブドウだけを使い、長期樽熟成して仕上げた「光」シリーズや、山梨県産のマスカット・ベイリーAを石蔵発酵槽で仕込んだ限定品「石蔵和飲」など、ルミエールならではの個性が光るものがそろっています。
ルミエールのワインは、全国各地の酒販売店やオフィシャルのオンラインショップで購入が可能です。また、ルミエールワイナリーに併設するショップでは、特製ワインベーコンやヴィネガードリンクなど、ワインと一緒に楽しみたいさまざまな商品も手に入ります。さらに、ラウンジスペースではゆっくりとワインを楽しむことも。じっくりと試飲をしながら、お気に入りの一本を見つけるのもいいでしょう。ブドウ畑や醸造棟、石蔵発酵槽、地下セラーまで見学できるワイナリーの見学ツアーも予約制で行っているので、ぜひ、現地に足を運んで参加し、ルミエールのワインの歴史やこだわりを肌で感じてみてください。
130年以上にわたって「本物のワインを造るには本物のブドウを育てること」に忠実に取り組み続けるルミエール。今後さらに日本のワイン文化を盛り上げてくれるはず。山梨の風土を活かして醸した歴史あるワインを、ぜひ一度味わってみませんか。
〒405-0052 山梨県笛吹市一宮町南野呂624
TEL 0553-47-0207(代表)
https://www.lumiere.jp/