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ビジネス 佐藤勝人の「儲けてみっぺ」 vol.2 4マス図とビッグデータ 佐藤勝人の「儲けてみっぺ」 商業経営コンサルタント/サトーカメラ代表取締役副社長

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勝人流コンサルティングの出発点「4マス図」

 
皆さんこんにちは。佐藤勝人です。先月始まった連載の第2回目です。今回は時事の話に入る前に、私が自分の実践コンサルティングの出発点にしている、戦後の日本経済の通史的な分析の話から始めさせてください。
まず、下の4マス図を。
     ↓
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右上から始まって下、左上、その下、と移るこの流れ、何を示していると思います? 答えは「いろいろ」(笑)。いやホント、いろいろこれに当てはまるのよ。
 
1つは、我々が事業を始めてから順に発展させていく時のステージの移り変わりを示せます。誰だって最初は御用聞きから始めるでしょ? お客さんのところに行って、「何か欲しい品物ありませんか。用立てますから何でも言ってください」って。それでお求めに一所懸命応えていくうちに、自分のできることが増える。段々自分たちの品揃えが多くなって、「あれも用立てられる。これも提供できる」ってなってくると、商品や商材を増やすよりも、お客さんのお悩みの相談に乗る問題解決型の動きのほうが多くなる。それでいろんなケースを経験した頃に、お客さんが気付いていない課題が見えるようになって、「ここ困ってません? いいアイデアありますよ」って、課題解決型の提案ができるようになる。
 
もう1つ、こっちが「通史的な分析」のほうなんだけど、戦後日本の経済がどのタイプで発展してきたかを示してます。前回の連載の最後で「日本は製造業の発想から抜け出せてない」って話したでしょ。どういう意味かっていうと、私の持論では、日本はまだほとんどの業界が〈商品品揃え型〉の段階なんだよね。品揃えを増やして売ろうとしてる。良くっても〈問題解決型〉。相談を受けてから売ろうとしてる。
 
でも、これもまだ製造業の発想です。だって、製造業の儲け方の究極は「必要なものを、必要な分だけつくる」だよ。マスプロダクツは全部そう。要は在庫管理と効率化。ただね、相談を受けて応えるだけしていれば、確かに無駄は出さずに済むけど、それは“攻め”じゃないよね。製造業の発想だって言ったのはそういうこと。
 
 
ちなみに、上の図に要素を書き足すとこうなります。
     ↓
20150603cl_47ex002.jpg
組織における人的資源の成長と配分図に早変わり。最初、入社したての頃はみんなワーカーです。仕事に熟練して人に教えられるようになったのがインストラクターで、そこから管理職=マネージャーになり、経営者的になる人は全体の2%。計算で足りない10%は、ワーカーからインストラクターにではなく、プロ中のプロ、トップ10%を目指すスペシャリストの人たちですね。こういう人たちは会社を出るか、社内に残ってもヒエラルキーからは外れるから、マスの中に入らないわけ。
 
ね? いろいろなことに当てはまるでしょ。中小企業が人材育成で失敗するのは外部から人を採用していきなりインストラクター職やマネージャー職につけたがるせい・・・という話が続くけど、それはまた別の機会に(笑)。
 
 

「ビッグデータ」について

 
さてでは時事ネタ。今回は「ビッグデータ」について。
今あちこちで言われてるビッグデータ、おもしろそうですよねえ。これ使って一番恩恵あるのは商業者だと思いますよ。それも中小の。
 
我々、今まで、物を売る時はPOSシステムのデータを使っていたんです。「いつ・何が・どこで・いくつ・いくらで売れた」っていう売上情報が集められるのがPOSシステム。会員カードと組み合わせて「誰が(どんな人が)」買ったかわかるものもある。店舗はそれを受発注管理に使ったし、サプライヤは在庫管理に使った。マーケティング戦略なんかもPOSを元にしたものは多い。
 
でもね、POSには「売れなかった」っていう情報がないのよ。商品を10個出して10個売れたら「完売」ってデータが残るだけ。そこからは、「来年は12個出してみよう(つくってみよう)」って話は出ても、「もしかして100個出してたら100個売れたんじゃね?」って発想は出てこないんだよね。何かいい着眼を見つけて10からいきなり100を狙う展開にはならない。やり様によっちゃ狙えるかもしれないのにだよ!? 商いにおいて、そこに気付けないのは致命的だ! 怖いことだよ。ホント怖い。
 
私が「現場は人だ」って常に言ってるのは、現場の人は10個がどう売れたかも、逆にどう売れなかったかも見ているからです。商業者は「どう売れなかったか」の情報が欲しいんだよ。
 
ざっくり言って、今、国内に約1億アイテムの商品が出ている。消費者の目に触れているのはせいぜい100万アイテムです。POSのおかげで、どこに行っても“売れ筋”の1%の商品を売り争う国になっちゃったのだ。では、残り99%は粗悪品なの? それは違うよね。昔はそうだったかも知れないが、今は日本の中小の製造業のレベルもぐんと上がったから。
 
ビッグデータはこの“売られることのなかった”99%のアイテムに、日の目を見させるようにするかもしれないね。それも中小企業発でね。だってさ、大手の仕入れ規模の大きさのメリットが相対的に薄れるし、大手は1万個売らなきゃ成功と言えないけど、中小は100個売れたら成功、1000個売れたら大成功ですよ。銀行だって、仮説にじゃなく、「この商品はこのターゲットに向けてならこれだけ売れる」というビッグデータを駆使した算出になら、融資しやすくなるからね。
 
いろんな中小企業が、いろんなおもしろいアイテムを扱うようになったら・・・おもしろいと思うよ。サトーカメラも試しにアプローチ変えてみっかな(笑)。「カメラが欲しい人」じゃなくて「〇〇で遊んでる人」みたいなくくりでターゲティングしてみるとかね。
 
 
世の中はどんどん変わります。それにあわせて、売り方や客層やエリアはどんどん変えていかないとな。餅屋は餅屋だから、たとえ売る商品は変わらなかったとしてもね。
攻めて、攻めて、遠慮しないで儲けてみっぺ!
 
 
 
 
佐藤勝人の 儲けてみっぺ
vol.2 4マス図とビッグデータ 

 著者プロフィール  

佐藤 勝人 Katsuhito Sato

サトーカメラ代表取締役副社長/日本販売促進研究所.商業経営コンサルタント/想道美留(上海)有限公司チーフコンサルタント/作新学院大学客員教授/宇都宮メディア.アーツ専門学校特別講師/商業経営者育成「勝人塾」塾長

 経 歴  

栃木県宇都宮市生まれ。1988年、23歳で家業のカメラ店を地域密着型のカメラ写真専門店に業態転換し社員ゼロから兄弟でスタート。「想い出をキレイに一生残すために」という企業理念のもと、栃木県エリアに絞り込み専門分野に集中特化することで独自の経営スタイルを確立しながら自身4度目となるビジネスモデルの変革に挑戦中。栃木県民のカメラ・レンズ年間消費量を全国平均の3倍以上に押し上げ圧倒的1位を獲得(総務省調べ)。2015年キヤノン中国と業務提携しサトーカメラ宇都宮本店をモデルにしたアジア№1の上海ショールームを開設。中国のカメラ業界のコンサルティングにも携わっている。また商業経営コンサルタントとしても全国15ヶ所で経営者育成塾「勝人塾」を主宰。実務家歴39年目にして商業経営コンサルタント歴22年目と二足の草鞋を履き続ける実践的育成法で唯一無二の指導者となる。年商1000万?1兆円企業と支援先は広がり、規模・業態・業種・業界を問わず、あらゆる企業から評価を得ている。最新刊に「地域密着店がリアル×ネットで全国繁盛店になる方法」(同文館出版)がある。Youtube公式チャンネル「サトーカメラch」「佐藤勝人」でも情報発信中。

 オフィシャルサイト 

https://jspl.co.jp/

 オフィシャルフェイスブック 

https://www.facebook.com/katsuhito.sato.3?fref=ts

 サトーカメラオフィシャルサイト 

http://satocame.com/

 YouTube公式チャンネル 

https://www.youtube.com/channel/UCIQ9ZqkdLveVDy9I91cDSZA (サトーカメラch)

https://www.youtube.com/channel/UC4IpsvZJ6UlNcTRHPgjellw (佐藤勝人)

 
(2015.6.3)
 
 
 
 

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