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皆様こんにちは。経営コンサルタント/ポーカープレイヤーの大川です。ワールドカップ、楽しみですね。僕の推しメンはもちろん駒野です。
 
おかげさまで前回のぶんはものすごい反響をいただきまして、微妙に名前を思い出せないくらい疎遠な方からも絶賛されたりしてました。大変ありがたい限りです。バックナンバーはこちら>>第1回第2回
 
 
今月は連載3回目。前回とは違い、まずは経営者の方からの質問です。
 
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 大川先生はじめまして。義理の祖父の代から続く運送業を経営する54歳の男子です。実は最近、ガールズバーの27歳の女性に恋をしてしまいました。私自身婿養子ということもあり、普段はとても肩身のせまい思いをしているのですが、つい最近、友人に誘われて行ったガールズバーに見事にはまってしまい、一人で週4も行くようになってしまいました。
 僕のお気に入りは27歳の金融のOLさん。こないだなんか友達と京都旅行に行ったときにパワースポットで☆のマークのお守りまで買ってきてくれて、なんというか、こう、懐かしい初恋を思い出させてくれるんです。
 彼女が私に気があるのは確かなんですが、自宅と駅の間にあるお店から彼女を「アフター」に連れていける根性が、私にはありません。倍の開きがある年齢にも負けず、会話はいつも弾むものの、それ以上踏み込んだ彼女の日常に関わる勇気がないんです。
 できることなら、もしできることなら、彼女を週末のロマンスカーにねじ込んで、経営者仲間もうらやむような露天付き和室に連れ去りたい。そんな思いを抱きつつ、今日も薄い伝票の仕分けに追われています。僕はこのまま、一生婿養子のまま終わってしまうのでしょうか。それと、僕は食べ物が好きなので、食べても痩せられる方法があれば、ぜひ教えてください。
(運送会社経営 54歳)
 
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違う。
今週も安定して違う。
もっとこう、ないの。こう、ビジネス。ビ・ジ・ネ・ス。経営そのものについて未来を語らせてよ。一緒に道を拓こうよ。
 
まぁでもあれか。中年の恋患いか。今月も成り行き上、お答えいたします。
 
 
まずはじめに、54歳ぶら下げて自分を男子と呼ぶのはいけません。どういう人生のサーカムスタンス(circumstance)があなたをそんな甘えん坊に仕立てあげたかはわかりませんが、事業を継承した経営者にとって、なによりも大切なのはレピュテーション(reputation)。あなたが54歳ぶら下げて自分のことを男子と呼ぶのは、オチとしてはヤヤ弱すぎて、笑い飛ばすには偉すぎる。一人称の使い方が人間の全てを決めてしまうのは神田うのと西郷さんがすでに実証済です。年齢相応の、人に違和感を与えない一人称に替えましょう。
 
それを踏まえて、あなたがもらったお守りは700円です→http://www.seimeijinja.jp/charm
普段あなたがお店で入れるボトルの10%の金額で、彼女はあなたのハートをわしづかみ。投資対効果という意味において、こんなに小気味いいリターンは振り込め詐欺以外にありません。
 
釣れた魚に餌はやらないという話はよく聞きますが、釣れそうな魚にふんだんにコマセを撒いてしまうのも中年の業。思わせぶりな魚影に振り回されず河岸を変えるのも一考です。叶わぬ恋を追うよりも、しっかりとした軸足でご家業を盛り上げてまいりましょう。
 
そしてこれは余談ですが、もしかしたらその女性は4つほどサバを読んでらっしゃるおそれがございます。いや、思い過ごしならば良いのですが。
食べても痩せる方法はありません。それでは次。
 
 
 
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 こんにちは。運送会社に勤めるアラフォー女子です。近所にできたばかりのつけ麺屋さんに恋をしてしまいました。ふらっと入ったお店の黒Tシャツ姿の彼にひとめぼれ。炭水化物ダイエットしてたのに、私ったらとっても矛盾しています。
 でも好きなんです。こう、あの人となら私、どんな苦労も一緒に乗り越えていけるんじゃないだろうかって。いつも顔の上半分がタオルで覆われているので眼を合わせたこともないんですが、濃厚にぼし系のつけ汁同様、わたし好みの阿部寛顔に違いありません。
 先生、将来に備えて、私はどんな準備をしたらいいんでしょう。とりあえず、湯切りを練習するためにアマゾンでテボを買ってみたらうどん用でした。ご回答、よろしくお願いします。
(OL 43歳)
 
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知らんがな。
顔半分しか見たことない人に恋するな。いや、違う、突っ込みどころが多すぎる。えーと、ここはその、ビジネスに関する質問をお受けする場所で、えーと、でも濃厚にぼしか。そうか、仕方ない。
 
新宿・凪、新宿・風雲児、池袋・瞠、そして三田製麺所など、粉末系の濃厚にぼしの店舗に共通するのはその太麺です。太麺はそののどごしもさることながら、濃厚なつけダレに負けないマリアージュのためには必須であり、もしあれが細麺だったとしたらつけダレの押しに負けてとても塩辛い具合になってしまいます。
 
つまり、一見パッケージとして成立しているつけ麺は、実のところスープがおかず、麺が主食としてペアリング(paring)されており、トッピング(topping)をいくら入れてもバランス(balance)が矛盾しないという点からも、ラーメンとは異なる食べ物だということがうかがえます。一汁三菜を是とする日本文化は、ここにきて一碗の内にすべてを完結させることに辿りつけたのです。二椀か。
 
さて、ご相談にある花嫁修業の優先順位についてですが、もし僕がつけ麺屋だとしたらいきなり新妻に湯切りはさせません。湯切りは常に店の華、大黒柱であるところのご主人が、天高く持ち上げたテボをコンクリの床ギリギリまで一気に振り下ろす瞬間にこそハレがあり、ご主人の整えた麺の上にいそいそとトッピングを並べる嫁の姿にこそ、古き善き夫婦の姿を見てお客様が幸せな気分になるのです。
 
愛する夫の晴れ舞台を、ソデから慎ましく支える妻。
互いの価値を認め合い、和合が織りなす味にこそ、食べログで3.61を超えてくる名店への扉が開かれます。まずはタオルを剥ぎとって、じっと見つめ合ったうえであなた方だけの未来を切り拓いていってください。
 
 
さて、今月も皆様から予想外のご質問をいただきました。
しかしながら経営にもポーカーにも予想外はつきもの。
特に世の中が不安定(unstable)な時期にこそ、予想外の事態に対処できるかどうかで、真の実力が試される。
こうした適応能力は生半可な知識で得られるようなものではなく、覚悟に似たような心持ち(kokoro mochi)こそが勝敗を左右するものかもしれません。
 
だけどね、次回こそ、次・回・こ・そ。ビジネスの質問くださいね。いいですか。何度も言いますが、フリじゃない。ワシャもうノリツッコミはイヤなんや。ぐるんぐるんに捩れ切った誰にも相談できないビジネスの質問を、躊躇なくお送りいただければ幸甚です。
 
それでは皆様。また来月。
 
 
 
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 経営者のためのPoker入門
vol.3 
“二つも質問が来た 

 執筆者プロフィール  

大川弘一 Koichi Okawa

経営コンサルタント/ポーカープレイヤー

 経 歴  

1970年8月生まれ。慶應義塾大学商学部中退後、酒販コンサルチェーンを経て独立。1997年にメルマガ配信事業の株式会社まぐまぐを設立し、現在までにユーザー数は1300万人超を数える。1999年には子会社でナスダックに上場。2013年に代表職を退き、経営コンサルタント業と並行して、ポーカープレイヤーとして世界各地を巡っている。

 フェイスブック 

https://www.facebook.com/daiokawa

 
 
 
 

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