前回は簡単に自己紹介をさせていただきましたが、今回からは僕が世界中で身につけてきたポーカーのスキルを用いて、毎回送られてくる皆様のビジネスプロブレムに対する最善の解を導いていっちゃうぞ。という塩梅でございます。第一回目をご覧になってない方はこちらからどうぞ。>>
はじめまして! 今度友だちと2人で京都に行くんですが、どこか良いパワースポットがあれば教えてください!あと、友だちはおばんさいとかも好きなので、あまり予算は出せませんがどこか良いところがあったらこちらもお願いします! (金融 OL 31歳)
違うんだ。
このコーナー、そういうんじゃない。
もっとこう、ビジネスマンの眉間からにじみ出る苦汁がそのまま液体で送られてくるような修羅場なんだよ。
従業員と株主と顧客と世間に詰め寄られ、思ったことをそのまま言えない経営者たちが最後に転がり込んでくる野戦病院であって、お嬢ちゃんたちの観光案内所じゃないんだよ。
でもあれか。金融で31歳か。そうですか。今後ともよろしくお願いします。
まずパワースポットについて。
よく、京都でパワースポットというと安倍晴明神社がわかりやすい記号として紹介されておりますが、となりにできた土産屋と商標争いでモメてたり、境内の絵馬で一番目立っているのはガリガリガリクソンだったり、いわゆる神社のイメージからスルスルとかけ離れた結果、最近のノリは竹下通りに近い仕上がりに成り下がっております。
もちろん、「パワースポットという記号を目指せればいいの!」ということであればそれでもいいんですが、ある程度京都で過ごしてきた僕からすると、『おい、ここはシャレになんないぞ』ってくらいパワーのある場所が他にございます。
その名は、岩屋山志明院。
京都駅から地下鉄で北上し、北大路駅から車でさらに川沿いをまっすぐ上がり、右手にMKのボーリング場を見ながらさらにぐいぐい進むと、徐々に対向車とすれ違いにくくなるような道になってまいります。眼下を流れる小川にも大きな岩が目立ち、岩かげには天然記念物のオオサンショウウオが生息し、その川を流れる水もギリギリ飲めるくらいまでに澄んでまいります。そのまま山道をさらに進み、前方にイノシシなべの洛雲荘が現れたら、手前を左に折れて小さな橋を渡ります。
ここで間違えてまっすぐ進むと、有名な心霊スポットになっている『雲ヶ畑の廃墟』という場所にたどり着いてしまうので、十分に注意が必要です。
無事に左に折れて細い坂を突き進むと、坂の最後に少し開けた駐車場が現れます。駐車場に車を停め、40段ほどの階段を上がると、平たい台の上に数個の100円玉が等間隔に並べられています。この100円玉は拝観料のお釣りとして、ちょっと待っていただきたい。
このコーナー、存続が危ぶまれるほど観光案内として充実しつつある。
さすがにこのまま続けるのは本来の目的とかけ離れているので、ここは次の話題に移らせていただきます。
おばんさいでしたね。
おばんさいと書いてあるお店に行くのは、観光客向けの罠にダイヴするのと同じこと。地元に支持されているお店が地元民向けに『おばんさい』と書くことはなく、実は居酒屋として支持されている店舗を地道に開拓することが、低予算で満足いく京和食にたどりつける最短距離だったりします。その中でもおすすめは
などのド直球居酒屋なんですが、さすがに金融OLが東京から1泊で訪れるにはハードルがおでこに当たるくらい吉田類な店なので、少しだけおしゃれ方面に振りつつごはんがしっかりしているお店はこちらです。
こちらのお店、祇園にあった伝説の洋食店「MOSS」から派生したおばんさい店で、コロッケやポテトサラダやチキン南蛮的なものや焼き魚に至るまで、しっかりとした味付けで小気味良く想像を超えてきます。
元々MOSSも、煮込みハンバーグやタラコソースを使ったメニューを得意としていた“こどもグチのおとな”向けメニューを得意とする店でしたから、彼らのセンスで解釈したおばんさいが美味しくないはずがありません。
急な階段を二階へ上がった奥には6人ほど入れる個室もあり、先斗町や祇園の半分程度の価格でとても良いリラックスを過ごせるお店です。お値段が手頃で、お店の方も元気が良いので、ぜひ一度、パワスポ帰りに足を運んでみてください。
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さて。
こうした予想外の出来事に落ち着いて対処するのもビジネスの基本です。
経営に関する質問を待っていたらおばんさいが来る。
通常であれば本来の主旨に合わないとスルーするようなことかもしれませんが、面白いから答える、自分が貢献できるから助ける。
こういう前向きなノリの良さも、先の見えない時代には必要な素養かもしれません。
でもね、次回からはそうは行きません。いいですか、ビジネスです。ビ・ジ・ネ・ス。フリじゃないですからね。待ってますよ。お願いしますよ。ドロッドロに入り組んだ誰にも言えないビジネスの悩みを、躊躇なくメールでお送りください。
それでは皆様、また次回までごきげんよう。
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vol.2 最初の質問が来た
執筆者プロフィール
大川弘一 Koichi Okawa
経営コンサルタント/ポーカープレイヤー
経 歴
1970年8月生まれ。慶應義塾大学商学部中退後、酒販コンサルチェーンを経て独立。1997年にメルマガ配信事業の株式会社まぐまぐを設立し、現在までにユーザー数は1300万人超を数える。1999年には子会社でナスダックに上場。2013年に代表職を退き、経営コンサルタント業と並行して、ポーカープレイヤーとして世界各地を巡っている。
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