長年俳優の仕事を続けているモチベーションをお聞きすると、でんでんさんは「芝居が好きだから」と答えてくれた。どのような部分に魅力を感じているのか、詳しくお聞きした。
どの世界でも準備が重要
俳優は、オファーしてくださる方がいるからこそ続けていける仕事です。頑張らないと仕事がもらえなくなって、芝居をする機会がなくなってしまいますからね。ほかの人にはないものを一つでも見つけようと、日々稽古に励んでいます。
僕がこの仕事に感じている魅力は、すごく単純なんです。目立っていてかっこいいから(笑)。あとは、感動で涙するような作品や役柄に関わりたいからですね。僕は、ドキュメンタリーを観ていて感動することが多いんです。だから、フィクションの作品で感動の涙を流してもらうのは、難しいことだと思っています。だからこそチャレンジしたいと思っているんですよ。
そういった感動を提供できる立場になれたなら、そんなに嬉しいことはないですね。そのためには、まずは自分の心を動かすことが大切です。だからしっかり稽古をして、万端に準備をしなければいけません。スポーツの世界では、日々のトレーニングが重要ですよね。芸能の世界も同じだと思っています。
間違った稽古方法では、意味のないものになってしまうこともあります。でも、やってみなければ何が間違いか気付くこともできません。だから、とにかく稽古あるのみ。こうして「真摯に稽古に取り組む」と声を大にしてお話ししたのだから、今後も本当に頑張っていかないといけませんね(笑)。
(インタビュー・文 中野夢菜/写真 内田大介)
でんでん
1950年生まれ 福岡県出身
30歳のときにテレビ番組『お笑いスター誕生!!』に出演。8週勝ち抜き、金賞を獲得。お笑いタレントとしてデビューを果たす。1981年には映画『の・ようなもの』で俳優に転身。2010年に出演した映画『冷たい熱帯魚』では二面性を持った連続殺人鬼を演じ、第36回報知映画賞や第35回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞など数々の賞を受賞した。その後も連続テレビ小説『あまちゃん』や『おかえりモネ』、『緊急取調室』など話題作に出演。独特な存在感とリアリティを持たせる演技で活躍を続けている。
(取材:2021年10月)