B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 

共演者やスタッフと共に
ものづくりに携わるのが幸せ

 
8月30日から東京芸術劇場プレイハウスにて上演される舞台、『Le Fils(ル・フィス)息子』。両親の離婚によって悩み、迷い、傷付きながら自分を再発見していく若者・ニコラを描いた作品において、ニコラの実の母であるアンヌを演じるのが、女優の若村麻由美さんだ。コロナ禍の中で、舞台を上演できる幸せをあらためて実感していると語ってくれた若村さん。インタビューでは、若村さんが舞台作品に感じている魅力などをたっぷりとうかがった。
 
 

誰にとっても気付きが得られる作品

 
『Le Fils息子』は、フランスの現代劇作家であるフロリアン・ゼレールが描いた「家族三部作」の一つです。私は前作である『Le Père父』にも出演しました。『Le Fils息子』も当時とほぼ同じスタッフでつくられるので、演出家のラディスラス・ショラー氏との再会を楽しみにしていました。
 
ショラー氏はとても優しく温かい、人柄の良い方です。日本のことも気に入ってくれていると感じますね。演出も論理的かつ具体的で、日本独自のやり方も尊重してくださるので、みんな彼のことが大好きなんです。
 
『Le Fils息子』において私が演じるのは、思春期の繊細な時期を迎えた息子を抱えるシングルマザーのアンヌです。物語は、息子であるニコラの精神状態が危ういところにあると察知したアンヌが、元夫であるピエールに相談しに行くところから始まります。
 
日本やフランスなどの国にかかわらず、多感な時期の子どもたちを社会の中でどう自立させていくのかというのは、すごく大きなテーマであると感じています。この作品は、父親や母親、息子の世代の方など、観に来てくださる方の立場によって見解も変わってくると思うんです。身近な家族とのコミュニケーションこそが、実はとてもデリケートなのだと痛感させられます。『Le Fils息子』を観ることで、日々の暮らしをあらためて振り返ってみたり、何かの気付きにつながったりすれば嬉しいですね。
 
 
 
 
 

スペシャルインタビュー ランキング