結果だけでなく過程も重視
チームの和を大切に仕事に取り組む
2月1日に公開された映画『七つの会議』。会社員としての戦いや上下関係による葛藤を抱きながら、組織の秘密や闇に巻き込まれていく原島万二を演じるのは、俳優の及川光博さんだ。原島を「普通の善良な人間」だと語る及川さんに、撮影時のキャストとのエピソードを聞いた。インタビューを通じて感じたのは、その真摯な姿勢と『七つの会議』を通じて感じられたであろう、仕事に対する価値観だ。
個性と熱量を目の当たりにした撮影
2月1日から、映画『七つの会議』が公開されています。その中で、僕の演じた原島万二(はらしま ばんじ)は、会社という組織の中で上司からプレッシャーをかけられ、ストレスを抱えている役。ほかの登場人物は、野村萬斉さん演じる八角民夫(やすみ たみお)や香川照之さん演じる北川誠部長など、まるで怪獣や妖怪のような強い個性を持ったキャラクターです。その中で、原島は“普通”の感覚を持った善良な人間だと思います。ストレスも多いし、それによってしばしば吐き気を催してしまうことも(笑)。
突出した才能のない原島だからこそ、八角や北川部長との対比が生まれているように思います。ほかのキャラクターと違い、原島は人を怒鳴らないし、部下にプレッシャーをかけることもない。本当に普通の、優しい人間なんですよ。多くの人に共感してもらえるんじゃないかな。
また、冒頭のシーンは原島のモノローグで始まります。『七つの会議』をご覧になっているみなさんの、案内役であるということも意識して演じていました。さまざまなキャラクターから投げられるボールをすべて受け止めて、わかりやすくリアクションする。観てくださっている方も、原島と一緒に真相に迫っていく感覚になるんじゃないかと思います。
演じていてとても楽しかったですよ。向き合って芝居をしている俳優さんそれぞれの、個性と芝居に対する熱量を目の当たりにしました。貴重な体験をさせていただきましたね。