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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 

独自の進化を遂げた作品で
驚きと笑いを提供する

 
俳優・彫刻家として活躍する片桐仁さん。美術大学を卒業した後、芸人活動を経て現在の仕事に辿り着いている。「流されるままにやってきた」と語る片桐さんに、俳優としての活動について、また創作活動について詳しく聞くと、心から仕事を楽しんでいる様子が伝わってきた。そんな片桐さんのお話から、仕事を楽しむヒントを探った。
 
 

舞台の緊張を感じてほしい

 
今でこそ舞台やテレビドラマ、映画などにいろいろと出演させてもらっていますが、僕はそもそもお芝居にはまったく興味がなかったんです。人前で演技をするのは、恥ずかしいし失敗したら怖いですからね。でも、ドラマや映画にいくつか出演させてもらえるようになる中で、舞台に出てみないかと声をかけていただきまして。思い切って挑戦してみると、価値観が変わりました。僕がおもしろいと思っていた世界の外に、もっと多くのおもしろい物事があったんです。
 
舞台って、理由のない動きをしてはいけないんですよね。「このシーンでは、ここからここまで歩く」「それはこういう理由があるから」と、すべての行動に理由があるんですよ。その理由付けが考えられなかったので、最初の頃は舞台上で動けませんでした(笑)。「ここの芝居で俺はこう動くから、こういう風にしないか」と、多くの先輩がアドバイスをくれて助けられましたよ。舞台は、現場のみんなが団結して一つの芝居をつくり上げます。そのアナログの作業が、僕はとても好きなんです。
 
舞台はこんなにもおもしろいのに、残念なことにまだ一般的な娯楽とは言えません。僕は、本当により多くの人に舞台に親しんでもらいたい。舞台って、お客さんも当事者なんですよ。皆さん、本当に集中して観てくれているのがわかります。観劇への一歩が踏み出せない方は、好きな俳優さんが出ている舞台や、好きな映画、好きな小説を題材にしたものなどが親しみやすいかもしれません。そうして、ぜひあの緊張感を生で感じてほしいですね。出演者としても、お客さんの反応が直に感じられる環境は、何物にも代えがたいですよ。
 
 
 
 
 

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