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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

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『Zアイランド』に続いて鶴見さんの出演が決まっているのが、6月に公開される舞台、『アドルフに告ぐ』だ。手塚治虫原作で、栗山民也氏が演出する同作品。取材を行った3月時点ではまだ台本が完成していなかったが、意気込みを語ってもらった。
 
 

難しい仕事ほど、達成感がある

 
 原作は何度も読んだことがあるし、大好きな漫画の一つです。作品中、重要な役割を担う峠草平を演じられるのは非常に光栄ですね。峠草平は生命力に満ち溢れていて、真実を探求することに対して並々ならぬ執念の持ち主。「ああいう生き方はなかなかできない」と思わせる魅力ある人物なので、その男の生き様を舞台上でどう披露できるか、僕も楽しみにしています。
 
 この作品を手塚治虫さんの最高傑作と評する人もいますから、舞台演劇として再構築するのは非常に難しい仕事になるはず。でも、ハードルが高いほうが、取り組んでいる最中は大変でも成し遂げた時の喜びは大きいので、出演者とスタッフが一丸となって仕事をして、お客様に楽しんでもらえるようにしたいですね。
 
 
どんな役柄でも演じて見せる“演技のデパート”とでも言える鶴見さん。最後の質問では、自身が目指している俳優像についてうかがってみた。
 
 

料理の素材で言うと卵が理想

 
 俳優の仕事を料理で言うなら、例えば哀川翔さんはまさにメインのステーキです。他にもメインと呼べる食材はたくさんありますが、要するにそれが役者で言う、スターのことですよね。素材が素晴らしいから大げさな味付けも必要がない。
 
 僕自身は、卵でいたいと思っているんです。卵ってすごいじゃないですか。生でも茹でてもおいしいし、先程も例にしましたけどハンバーグのつなぎにもなる。他にもいろいろな食べ方を提供できて、主役にも脇役にもなれる存在ですよね。僕はそういう俳優でいたい。そのためには、いつまでも俳優としての鮮度を保っておく必要があると思います。ですから毎日が勉強で、様々なことを吸収し続けなければならない。歳を重ねるに連れて見習うべき先輩の数が減ってきて寂しいですが、若い人たちから学ぶこともたくさんあります。仕事でも趣味でも、日々の出来事や出会いから刺激を受けながら、これからも理想とする道を追求していきたいですね。
 
 
 

(インタビュー・文 佐藤学 /写真 Nori/スタイリスト kaz ijima)

 
 
 
鶴見辰吾(つるみ しんご)
 
1964年12月生まれ。東京都出身
 
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1977年に『竹の子すくすく』でデビュー。TBS『3年B組金八先生』で注目を浴びて以降、テレビ、映画、舞台などで幅広く活躍している。近年はNHK大河ドラマ『黒田官兵衛』、映画『バンクーバーの朝日』、2015年5月公開の『Zアイランド』などに出演。6月には手塚治虫原作、栗山民也氏が演出する舞台『アドルフに告ぐ』で峠草平役を演じる。
 
趣味の自転車では数々のレースで入賞するほどの実力を持ち、2007年に自転車活用推進研究会が任命する「二代目自転車名人」に就任。自転車の地位向上や自転車を取り巻く環境改善などに取り組み続けている。著書に『とことん自転車』(小学館新書)がある。
 
LEGONオフィシャルサイト
http://www.legon.jp
 
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20150501sp_70ex07.png出演情報

『Zアイランド』
2015年5月16日(土)から全国公開
監督・脚本:品川ヒロシ
出演:哀川翔 鶴見辰吾 鈴木砂羽 木村祐一 宮川大輔 窪塚洋介 中野英雄 他
配給:KADOKAWA/吉本興業
オフィシャルサイト
www.z-island.jp


20150501sp_70ex08.png 舞台『アドルフに告ぐ』
日程:KAAT公演 2015年6月3日(水)~14日(日)KAAT神奈川芸術劇場
宮崎公演 2015年6月24日(水)宮崎県立芸術劇場
京都公演 2015年6月27日(土)/ 28日(日)京都芸術劇場 春秋座
愛知公演 2015年7月3日(金)/ 4日(土)刈谷市総合文化センター大ホール
演出:栗山民也
脚本:木内宏昌
出演:成河 松下洸平 髙橋洋 鶴見辰吾 他
企画制作:KAAT神奈川芸術劇場/シーエイティプロデュース
企画協力:手塚プロダクション
オフィシャルサイト
http://www.adolfnitsugu.com

 
 
 
 (取材:2015年3月)
 
 
 

 

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