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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

ラグビーはまさに社会の縮図
圧倒的な個が牽引する最強組織論

 
 
まずは自分を信じること。目の前にある壁を乗り越えるには、他者の手引きを当てにするのではなく、自分がよじ登らないといけない。困難があるならば、それを乗り越えるだけ。大畑氏は 「個の力」 の重要さを力説する。しかし、彼が言う 「個」 は唯我独尊のそれではない。チームの中で機能して初めて力を発揮する 「個」 なのだ。
 
 

チームを強くするための「個の成長」

 
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 ラグビーの世界では 「一匹狼だ」 とか、「浮いている」 とか、いろんな大畑大介評がありましたが、半分事実で半分違いますかね(笑)。ぼく自身は、一人で試合に勝てるだなんてことは一度も思っていませんでした。ラグビーはあくまで15人でやるスポーツ。身体の大きな選手から、小柄でも足の速い選手など、いろんな特性を持った選手が同じチームを組むんです。そこには役割があるからなんです。
 社会でも同じですよね? 営業にどれだけ凄腕のエースがいても、そのエースが売る商品がなければどうしようもない。ものすごく優秀な商品があったとしても、それを外に放出していく営業や広報がいなければ商品は売れない。ラグビーも同じこと。ぼくは足が速いのが特徴ですが、ボールが回ってこなければトライを目指せない。かといって、身体をはったプレーでボールを持って来られるかというと、自分よりもそれに長けた選手に任せたほうがいい。皆が 「エースで4番」 ではチームが機能しない。各自が自分の役割と力をわかっていないと勝てないんです。自分の役割や力を理解するということは、自分ができることだけでなく、自分ができないことを受け入れることでもあります。そのうえでどうするか。
 勝つためには、「自分はこれができないけど、あいつに足りないこの部分はできる」 と補い合うだけでは足りません。1+1が2ではひ弱なんです、3か4以上にならないと。そのためには個人がそれぞれ伸びていかないと、チーム全体が強くなることもありえないんですよ。組織というのは個の集合体ですから、一つ一つの粒がそろって大きくならないと全体で大きくなれない。仲間が急激に伸びたら、その能力を活かすために自分も伸びていかなくてはいけないし、そうなって初めてお互いに尊重できるようになる。それが、強いチームを作るうえで基礎となる考え方じゃないですかね。たぶん、ラグビー以外においても、広く社会で同じことが言えると思いますね。
 
 
スポーツの世界では 「強いチームは全員が一つの目標へ向かっている」 という不文律がある。本誌でも、過去多くの球技経験者に話を聞いてきて、一貫して同じ法則があった。大畑氏は、さらにそこから持論のチームワーク論を展開してくれた。
 
 

チームで一つの目標へ向かう

 
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神戸製鋼コベルコスティーラーズではキャプテンをつとめた。強いチーム
づくりへの思いは人一倍強い


 
 大事なのは、メンバー全員の意識ですよね。一つの目標・・・それが優勝なら優勝として、試合に出る選手は同じ目標に向かっているとして、試合に出られない選手まで目標を共有できていないと、やはりチームは弱くなると思います。普段試合にあまり出ることがないメンバーがどれだけチームに貢献できるのかも、かなり重要なんです。「おまえたちは今のチームの代表だ。思う存分暴れてこい!」 と送り出されるのと、そうでなく 「自分らは控えだから勝手にやってくれ」 と送り出されるのとでは、フィールドにいて支えられている感じがまるで違うんですよ。「フィールドにいるあいつらのためにも俺たちは全力で後方支援するぞ!」 と思ってくれているかどうかの違いは、ものすごく大きい。だから、キャプテンとしての立場的なものに関係なく、試合になかなか出られない選手に語りかけることをいつも続けて、彼らの気持ちが折れたり腐ったりしないようなケアを心がけていました。彼らが頑張ってくれることが、一番チームが活性化することですから。
 その逆で、弱いチームにありがちなのが、マイナスのベクトルを他人に向けてしまうことですね。あいつが良くない、あれが悪かったから自分の実力が出せなかった・・・。自分にベクトルを向けず他者に向けてしまう時点で、もう良くないですよね。逃げ道を作っていることになるから。何ができていないのか、何が悪かったのか、どう改善していくのか。それを全員が共通認識として持って、強い個がさらに強い大きな塊になっていくのがチームワークだと、ぼくは考えているんです。
 
 
 
 

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