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京都発の京友禅アロハシャツ 脈々と受け継がれる技術と意匠
Pagong

◆京友禅の染屋として創業100年
 美しい着物の柄を現代に伝える

 
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京友禅のアロハシャツが大人気の「Pagong」
歴史のある建物をはじめ、日本の古き良き文化が今なお息づく京都。大切に受け継がれてきた伝統の技術の中にも、次世代につなげるために少しずつ新しい風を取り入れ、時代に合わせた変化を遂げているものは少なくありません。その一つが、京友禅のアロハシャツで知られるブランド「Pagong(パゴン)」です。
 
Pagongを手がけるのは、1919年に創立した京友禅の染屋、亀田富染工場。4畳ほどの染屋としてスタートし、戦時中も「また明るい着物を着る日が来る」と、明るい色の染料と炭を蔵の縁の下に保管して厳しい時代を耐え忍んだと言います。その後、1949年には法人化を果たすも、世の中の着物人口は減少の一途。平成に入ってからは、染めの仕事の100%が洋服地となっていました。決められた柄を染める下請けや孫請けの仕事がほとんどという中、工場の蔵には5000~6000点もの京友禅の図案が眠っており、「この意匠をもう一度、世の中の人に見てもらうことはできないか」と思案。日系移民が着物をほどいてシャツに仕立てたことから生まれたアロハシャツに着目し、今から20年前の2001年、保管していた図案で染めた生地で一着のアロハシャツを仕立てました。
 
これが評判を呼び、商品化に向けて試作を重ねた末、2002年にブランドとして本格始動したPagong。種類豊富な美しい着物の柄を見事に現代の暮らしの中に甦らせ、国内外で愛されています。今回は、100年の歴史を持つ京友禅の染めの技術を次世代に紡ぐ、Pagongの魅力に迫りました。
 
 

◆色の数だけ型がある型友禅
 職人技で伝統の柄を描き出す

 
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緻密な柄も型をぴたりと合わせて色ムラなく染めていく
白い生地に、染料で模様を描き出す友禅染。京都で染められている京友禅には手描き友禅と型紙を用いる型友禅があり、現在、亀田富染工場では型友禅の技法で生地を染めています。
 
型友禅は同じ柄を量産できるメリットがある一方でデザインに使われる色の数だけ型が必要であり、一枚の着物を仕上げるために数百枚の型を要する場合もあるのだとか。また、染料と糊の調合や実際の染めの工程はすべてが手作業。型を重ね、スキージというヘラで一色ずつ染めては乾かしを繰り返し、生地にぴったりとあわせて型を移動する作業は、まさに熟練の職人の成せる業と言えます。さらに高温で蒸して丹念に洗い、自然乾燥。このように多くの人の手を経て、ようやく反物になるのです。
 
Pagongで用いている柄は、蔵に眠っていた着物図案や古布蒐集家から預かった柄、歌舞伎の衣裳に使われている柄などを復刻したもの。そのほとんどが、縁起のいいモチーフを描いた“吉祥柄”となっています。長寿を表す菊や鶴、富と地位の獲得を意味する牡丹など、日本では古くから着物の柄などにさまざまな思いを込めてきました。また、柄の中には図案が生まれた当時の流行を感じさせるものも少なくありません。Pagongは、着物の柄のデザインの美しさはもちろんのこと、日本の伝統や着物を身に付けていた人々の思いまでも、形を変えて現代へと伝えているのです。Pagongのアイテムを選ぶ際は、染めの工程や柄の意味一つひとつを考えると、楽しさもひとしおではないでしょうか。
 
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京都の上質な地下水で丹念に洗う
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洗った反物は干して自然乾燥させる
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柄合わせにもこだわり一着ずつ手づくり
 
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赤地に美しく鶴が舞う華やかな一着
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竹林に虎。虎の迫力ある表情に注目!
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モノトーンに黄色が映える松と雪輪
 
 

◆伝統の京友禅の技と図案を
 普段使いのアイテムで楽しむ

 
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Pagongの柄32種が並ぶ、キモノフォレストの友禅ポール
Pagongのアロハシャツは、アロハシャツの起源にちなみ、絹100%にココナッツボタンをあわせるなど、ディテールにもこだわりを感じさせるヴィンテージアロハのスタイルも特徴の一つ。さらに、現在はアロハシャツ以外にも綿素材のカットソーやワンピース、ダウンなど、バリエーション豊富に展開しています。職人手づくりのがま口やポーチといった小物も充実し、京友禅の技術や伝統の図案を、普段使いのアイテムで楽しめるのも魅力です。
 
2002年のブランド発表以来、デザイナー・桂由美氏のドレスや嵐電嵐山駅の「キモノフォレスト」といった著名な企業とのコラボレーション、メディアでの特集、新ブランドの発表など、躍進を続けているPagong。本店では工場見学のほか、トートバッグ染め体験、配色や染料づくりから染めの作業まで手がける一日弟子入り体験も実施するなど、京友禅の魅力を伝える活動に取り組んでいます。
 
時代とともに人々の生活様式が変わる中でも、受け継いでいきたい日本の優れた技術や確かな品質、美しい意匠。現代のライフスタイルに寄り添いながら進化を続ける京都ブランド、Pagongが今後どんな展開を見せてくれるのか楽しみです。
 
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渦と立波のクッションカバー
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手ぬぐいは飾って柄を楽しむのも◎
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AYANOKOJIとコラボのがま口も充実
 
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Pagong
本店
〒615-0046 京都市右京区西院西溝崎町17
TEL 075-322-2391
営業 11:00~17:30
定休日 不定休
https://pagong.jp/
 
 

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