◆水に惚れ込み130年
世界に挑む老舗酒蔵
「酒づくりを始めたい」という情熱を抱いていた初代・永井庄治氏は、尾瀬の大地にゆっくりと濾過された天然水に魅せられ、川場村で酒づくりに着手しました。以来、柔らかく甘みのある天然水を仕込み水に、100年以上酒づくりに取り組んできた永井酒造。洗練を極めた水と受け継がれてきた蔵人の技で、米の良さを何倍にも引き出し、大自然のように「美しく」「キレイ」な酒をつくり続けてきたのです。
1992年には、主軸となるブランド「水芭蕉」が誕生。海外にも輸出され、広く認知されるようになりました。また、伝統や技術の継承といった人にしかできない部分は従来以上に力を注ぎ、いっぽうで近代化すべき点は大胆に刷新。こうして新時代を切り拓いた永井酒造は、ある考えに至ります。「世界に通用する日本酒をつくりたい」――六代目当主永井則吉が日本酒の概念を覆す「NAGAI STYLE(ナガイスタイル)」を打ち出しました。
◆ワインに倣い日本酒を世界に
世界初“米のシャンパン”
グラスに注ぐと滑らかな気泡が立ち上り、フルーティな香りがはじける「MIZUBASHO PURE」は、従来のスパークリング清酒ともシャンパンとも異なるソフトな味わいで、和洋問わず様々な料理と好相性。もちろん食前酒にもぴったりとあって、今や世界の一流レストランからも高い評価を得ています。しかし、「MIZUBASHO PURE」誕生までの道のりは容易なものではありませんでした。
世界で愛される新たな日本酒を模索する中、「シャンパンのように瓶内二次発酵させた発泡性清酒」という発想を得たものの、同じ気圧で瓶内二次発酵の透明なスパークリング清酒をつくるには、いくつもの壁があったと言います。700回の実験と失敗を繰り返すこと、なんと5年。答え求めて渡ったフランスのシャンパーニュ地方でシャンパンの伝統製法を学び、ようやく問題解決の糸口を掴んだのでした。
そうして構想から約10年を経て完成した「MIZUBASHO PURE」。“お米のシャンパン”の開発は、日本酒業界のみならず、ワイン業界にも革命をもたらしました。
◆日本酒の奥深さと新たな魅力
「NAGAI STYLE」を提案
さらに2014年2月、食事の最後を甘美に彩る水芭蕉の「Dessert Sake(デザート サケ)」が完成しました。貴醸酒を氷温セラーで5年以上熟成させ、甘みと旨みを凝縮。瑞々しく芳醇なマスクメロンを思わせる香味は、チーズやアイスと共にデザートとして楽しめます。
「米のお酒としての日本酒を、日本の文化として世界に伝えていくために」――日本文化の一端を担うという熱意を掲げる老舗酒蔵・永井酒造が、次はどのような提案を見せてくれるのか。今後、世界を席巻するであろう「NAGAI STYLE」の“Sake”――水芭蕉のシリーズを、ぜひ一度ご賞味ください。
永井酒造株式会社
〒378-0115 群馬県利根郡川場村門前713
TEL 0278-52-2311
http://www.mizubasho.jp