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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

おにぎりの販売を通じて 農業の活性化を支援する
キッチンカー NigiRANAI 代表 細見直史

※営業目的のお電話は固くお断りいたします。
 
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インタビュアー 濱中治(野球解説者)
濱中 N-PRO.(エヌプロ)株式会社さんが運営するキッチンカー NigiRANAI(にぎらない)さん。細見代表は、もともと飲食業に従事しておられたのでしょうか。
 
細見 私は岐阜大学に進学後、鋼構造物の研究に熱中し数多くの論文を投稿してきたんです。卒業後は株式会社東京鐵骨橋梁に入社して研究開発、橋梁の点検補修業務に従事していました。その後、私の執筆した論文が土木学会田中賞を受賞したことをきっかけに九州大学大学院に社会人入学し、会社員として働きながら学会にも参加していたんですよ。
 
濱中 熱心に研究なさっていたんですね。そんな研究畑で歩んでこられた細見代表が、なぜ会社を設立してキッチンカーを?
 
細見 もともと私の実家が農家で、お米をつくっていた父が急死してしまったんです。そして双子の弟と2人で「家を守っていこう」と覚悟を決め、2023年にN-PRO.株式会社を設立しました。弊社はインフラ事業を軸としつつ、私たちの家業である農家さんを支援したいという思いから農業支援事業も展開しています。その一つとして、おにぎりの販売をするキッチンカー、NigiRANAIをプロデュースしたんです。おにぎりに使用しているお米は、農家さんから市場価格の倍の価格で買い入れていますよ。
 
土鍋で炊いたお米のふんわりおにぎりを提供
ふんわり食感のおにぎりを提供
濱中 倍の価格で仕入れているんですか! それは驚きましたね。
 
細見 農家の皆さんは、先祖代々の財産を守るためにお米をつくってくださっています。それなのに物価高で、お米を生産すればするほど赤字の状況になってしまうんです。昨今、令和の米騒動と言って米不足が話題になっていますよね。でも農家さんには一銭も還元されていないのが実情です。そこで、少しでも農家さんに潤いを持たせたいとこの仕組みを考えました。
 
濱中 細見代表が農家さんを大切に思っていらっしゃるのが伝わってきますよ。
 
細見 でも、それだけではありません。このキッチンカーは米づくりの重要性を、消費者の皆さんに考えてもらうのが目的なんですよ。キッチンカーを通して皆さんにおいしい日本のお米を味わっていただき、お米の消費拡大や国内自給問題について考えていただきたいんです。