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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

八百屋文化を担う青果店 人情が行き交う憩いの場
にじ屋 Sanda base 代表 片山慶彦

※営業目的のお電話は固くお断りいたします。
 
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インタビュアー 嶋大輔(タレント)
 兵庫県三田市で野菜や果物を販売するにじ屋 sanda base(サンダベース)さんは、今年2024年でオープンから3年だそうですね。
 
片山 はい。移動販売からスタートし、その期間を含めると13年になります。コロナ禍に入り、往来での販売が難しくなったこともあって店舗を構えることにしたんです。
 
 移動販売で以前から多くの人に親しまれていたんですね。片山代表は、もともと青果販売の仕事を目指しておられたのでしょうか?
 
片山 いえ、もともとは消防士志望でした。私の学生時代は就職氷河期の真っただ中で、当時は公務員が大人気だったんですよ。私も安定した生活を求めたものの、やはり狭き門で、消防士の道はあきらめました。ただ、その頃から食にも興味があったので、飲食店を経営するならと西宮市の青果卸売問屋発祥の人気カフェ・ARROW TREEで働くようになったんです。
 
 なるほど、その経験が現在のお仕事の原点になったわけですか。独立に踏み切ったきっかけも気になります。
 
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片山 2010年頃、古くから続く八百屋さんや果物店が、後継者不足や時代とともにスーパーに取って代わったことから、毎月のように店を畳む姿を目の当たりにしました。卸売市場で農家さんとも交流があったことから、とにかく八百屋、果物屋という日本に根付いた文化をなくしたくない、スーパーとは違ったスタイルで農家さんの思いを消費者に直接届けたいと思い、自分が今やるべきは飲食店ではなく八百屋だと思い独立しました。移動販売から始めたのは、店舗を持たない身軽さと、坂が多い地域で買い物にお困りのお年寄りも多かったので、皆さんの役に立てればという思いもあったんです。
 
 そういった熱い思いが、片山代表を独立へ駆り立てたと。ところで、こちらは青果店と言いつつ、店内にはお肉に豆腐、お菓子などいろんなものが並んでいますね。