B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

挑戦を続け地域にも貢献
老舗の金属加工会社

 

発想力と行動力で阪神タイガースともコラボ

 
glay-s1top.jpg
狩野 先ほどおっしゃっていたファイバー紙など、それまで取り扱っていた金属以外の素材を用いてモノづくりを行うのは、まさに業界の固定観念にとらわれない挑戦だったのではないかと感じますね。
 
鍛冶谷 おっしゃる通りですね。私はこれまで長く業界に携わる中で、メーカーさんが定める品質やデザインの商品を手がけてきました。その中では、私自身が考えるアイデアがなかなか実現できずにきたんです。そこで弊社のワンチャンス事業部では、社員たちと共にアイデアを出し合ってオリジナル商品を生み出す活動や、子どもたちへモノづくりの楽しさを伝える活動を積極的に行っていきたいと考えています。
 
狩野 それは素敵なお考えだと思います。ほかにもワンチャンス事業部から生まれたオリジナル商品があれば教えてください。
 
鍛冶谷 ファイバー紙製の甲冑の兜を応用したスポーツ応援グッズ「カブトラ」を製作しています。こちらは阪神タイガースさんに承認いただいて、黒と黄色のカラーリングに「TH」のマークやトラのエンブレムを施したものなんです。もともとは弊社の仲間たちで自作した兜を被って野球観戦をしていたところ、「それどこで売っているの?」とたくさんの反響をいただきまして。そこで、阪神タイガースさんにご相談し、商品化させていただいたんです。
 
狩野 すごい行動力ですね! 阪神ファンの皆さんが楽しく応援できるグッズを生み出してくれるなんて、私も嬉しいですよ。このカブトラは、組み立てまでカジタニ金属さんで行っているのですか?
 
阪神タイガース応援グッズ「カブトラ」
鍛冶谷 実は組み立ては、地元地域の障がい者施設さんに依頼しているんです。施設の利用者の方はみなさん集中力が非常に高くて、今では私たちよりも早く組み立てることができるんですよ。障がい者施設さんには以前から別の製品の組み立てなどにもご協力いただいておりまして。特にこのカブトラは自社商品なので1個あたりの組み立て単価も従来と比べて高めに設定することができ、障がい者の方の雇用を増やす社会貢献にもつながっているんです。
 
狩野 金属加工工場で紙素材を扱うという挑戦だけでなく、雇用を生み出す形で地域に貢献されているとは、本当に素晴らしいですね!