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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

制限食から“生源食”へ 栄養士の米粉パン教室
株式会社といーと/パンダフル工房 代表取締役 酒井佑佳

※営業目的のお電話は固くお断りいたします。
 
プロフィール  愛知県出身。持病を持つ母の影響で管理栄養士を志す。大学卒業後はドラッグストアに就職し、販売や栄養カウンセリング・レシピの考案を行う。その後、クリニックに転職し高齢者を対象に栄養指導やセミナーを担当。2017年、制限食をなくすべく特定原材料7品目不使用の米粉パン教室を立ち上げ、2022年には法人化し(株)といーとを設立した。Beauty Japan2021日本大会ではBuild Your Own Career 賞を受賞。
 
 
 
健康上の理由で食事制限を行うとなれば、本当に食べたいものを我慢する必要があり、食事が楽しくなくなってしまうもの。株式会社といーとの酒井佑佳代表取締役は、管理栄養士として食事指導にあたる中で食事を制限することに疑問を抱き、「この世から制限食をなくしたい」という強い思いを持って独立、特定原材料7品目不使用の米粉パン教室「パンダフル工房」立ち上げた。酒井社長が目指す「制限食から生源食」とは――?
 
 
 

母の持病をきっかけに管理栄養士の道へ

 
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インタビュアー 小倉隆史(サッカー元日本代表)
小倉 愛知県長久手市で米粉パン教室「パンダフル工房」の運営を手がける株式会社といーとさん。酒井社長はもともと、管理栄養士として活躍なさっていたそうですね。
 
酒井 はい。私が幼い頃から母が持病を抱えていたため、食事で健康な体をつくることに興味を惹かれ、管理栄養士になりました。大学卒業後はドラッグストアに入社し、店舗業務と化粧品販売を担当し、転職後は介護老人福祉施設の巡回しながら月200回ほど入所者の栄養指導にあたっていたんです。
 
小倉 200回とはすごいですね。それだけ多くの方に栄養指導を経験されたことが、独立にも影響しているのでしょうか。
 
酒井 日々多くのご高齢者とお話しする中で、「今まで好きなものを食べて生きてきたのに、なぜ人生の終盤で食べるものを制限されないといけないんだ」という声を聞くことが多く、健康のためとはいえ制限ばかり強いている自分の立場に疑問を持つようになったんです。母が厳しい食事制限をしている姿をずっと見てきたこともあり、食事に制限がある方も安心しておいしく食べられるものをつくりたいと思い立ち、起業を決意しました。