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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

ITのノウハウを活用し
おいしい有機野菜を栽培

 

種から育てるこだわりの有機無農薬野菜

 
glay-s1top.jpg 実際の農園の様子
実際の農園の様子
矢部 川口社長が農作物の栽培に関して気を付けていることはありますか?
 
川口 あまり手をかけすぎないことですね。植物の根は水を求めて地面の中に伸びていくので、人間が水をやりすぎてしまうと、植物自身が頑張らなくても水がもらえてしまい、強く育たなくなってしまったり、根腐れを起こしてしまったりします。ですから、子どもの教育にも通じるところで、過保護にし過ぎないことが大事だと思いますね。
 
矢部 植物は手をかけただけよく育つと思っていたので驚きました! 一般的な農家さんだけでなく、趣味で家庭菜園をしている人も多いと思います。でも、そのような野菜を栽培するための秘訣を教えてもらえる機会はなかなかありませんよね。
 
川口 そうなんです。それぞれ独学で家庭菜園をしておられる方がほとんどだと思います。そこで、家庭菜園アドバイザーのような取り組みもしていきたいですね。例えば、家庭菜園では農薬を使うことは稀でしょうから、農薬を使わなくてもしっかりと野菜を育てるための工夫なども示していきたいです。
 
矢部 野菜を育てるためのコツを教えてもらえる講演会のようなイベントがあると家庭菜園に取り組んでいる方も嬉しいと思います! 川口社長が「えっくん農園」を運営するうえでのこだわりはありますか?
 
川口 化学肥料や農薬を使わない有機無農薬栽培にこだわっています。とはいえ、決して農薬が悪いと思っているわけではありません。ただ私は、農薬を使わずに防虫ネットなどの道具で対応可能な規模の農業を選んで行っているんです。大量生産に向いていないために市場に出回らない野菜の中にも、おいしい野菜がありますからね。例えば、茎ブロッコリーというものはご存じですか?
 
矢部 いえ、初めてお聞きしました。どのような野菜なんでしょうか?
 
川口 「スティックセニョール」とも呼ばれることがあります。茎にはアスパラガスのような甘みがあり、ブロッコリー独特の臭みが抑えられていて本当においしいんですよ。私の農園では定番の野菜として育てているものの、一般的なスーパーマーケットなどではあまり見かけないかもしれないですね。
 
矢部 私も飲食店を経営しているので、とても気になります! そもそも、そんなにおいしいのに、なぜ市場に出回っていないのでしょう。
 
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川口 苗を買ってきて栽培するのが主流だからだと思います。苗は一定の品種しか売っていないため、種類を選ぶことが難しいんですよ。その点、私は種から育てるので、珍しい品種や自分が食べたい品種を栽培することができるんです。
 
矢部 種から育てるのは、とても大変なのではないかと思いますよ。すべての種から必ず芽が出るわけではないでしょうし時間も相当かかりそうですよね・・・。
 
川口 ある程度の知識や経験は必要ではあるものの、やり方さえわかってしまえばそこまで大変ではないんです。手をかける必要がある段階できちんと面倒を見れば、あとは自然に任せて育っていきます。わずか数ミリメートルの種から育てるので、大きくなったときの喜びもひとしおなんですよ。