矢部　ここまでお話をうかがって、お二人の仕事への思いがよくわかりました。それにしても、宮社長が先ほどおっしゃっていたように、若い頃にさまざまな苦労をなさってこられたからこそ今があるという言葉には、私もすごく共感します。
 
宮（将）　ありがとうございます。やはり自分自身が苦しい思いをした経験が、他人への思いやりの気持ちにつながりますし、人生における成功への糧になるのではないかと思うんです。
 
矢部　本当におっしゃる通りです。私も子どもの頃はひどいいじめを受けていた経験があります。当時は学校に行きたくないがために、駅にあるトイレにこもって時間が過ぎるのを待つなどしていました。そんな時、当時大好きだったアイドルグループに会いたいという希望を持っていたから、私は辛いことも乗り切れたんです。もしも当時いじめられていなかったら、私はきっと今も生まれ育った地元で、普通に幸せに暮らしていたと思います。でも、そのような過酷な経験をしたおかげで、こうして芸能界に入ろうという気持ちが芽生えましたし、現在の自分自身が本当に幸せだと感じているんです。
 
宮（将）　残念ながら今も全国各地でいじめが起きていると耳にします。でも、いじめを受けたり人生に悩んでいたりしている子どもたちにとって、矢部さんの経験談はすごく勇気づけられると思います。
 
宮（美）　実は私たちも、そのような悩みを抱えている人たちにとって少しでも力になれればと思い、この地域でボランティアのような取り組みを行おうと考えているんです。
 
矢部　それは素晴らしいです！　私も今でこそ、こうして人前でお話ができます。でも昔は引っ込み思案な性格で、人前ではまったく喋ることができなかったんです。それでも、生きるための希望や目標を持って、さまざまな経験を積むことで人生は大きく変えられるのだと私自身が体感しました。お二人もご苦労なさったことで、人間的にも大きな成長につながったのだと、多くの子どもたちに伝えてほしいです。