一般企業の会社員から、弁護士を目指す
古手川 そうなんです。私は以前、日本アイ・ビー・エム株式会社で営業職として勤務していました。特に今でも強く印象に残っているのは社内弁護士とのやりとりですね。そこでは、契約書を作成する際に、間違いがないよう社内弁護士に相談する決まりがあったんです。しかし、その社内弁護士はいつも近寄りがたい雰囲気で、私は相談するたびにお客様と接する以上の緊張を感じていたんですよ。
クリス えっ!? 一番身近であるべき社内の弁護士さんなのに、相談しにくいなんて・・・。
古手川 社内弁護士に相談の電話をかけるときは手が震えていました(笑)。 とても恐れ多い存在でしたが、当時の弁護士の方はそれが普通だったのかもしれません。一方で私は営業という職種を生涯やり抜く自信がなかなか持てないでいました。それで「なにか手に職をつけることはできないか」と悶々としていた時、偶然、書店で弁護士に関する本を手にしたのが今の仕事を志すきっかけでした。本の内容は覚えていないのですが、“弁護士”という職業を人生で初めて意識した瞬間でした。たまたま手にした弁護士に関する本を見て「これだ!」と感じまして。
クリス 古手川代表が弁護士の道に進まれたきっかけが一冊の本だったとは驚きました。すごいご縁ですね!
古手川 その後は文字通り猪突猛進でした。そして、私は会社を退職して2000年4月から法律の勉強を重ね、2003年に司法試験に合格して弁護士資格を取得しました。