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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

自然を見て感じて考える
自主性を伸ばす保育園

 

園児一人ひとりの担当保育士を決める

 
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千葉 なるほど。今から理科に興味を持てれば、小学校の理科の授業も楽しくなるでしょうね。
 
芝﨑 そうなんですよ。保育園の頃から何かに熱中し、“興味を拡張”していくのはとても大事なこと。ですから、実験だけではなく、畑の虫を虫眼鏡で観察し、興味を持った園児には顕微鏡を渡して、さらに小さい世界を覗いてもらうなど、子どもたちが楽しく学び、自然への関心を深められる教育を実践しているんです。これから近くの川へ釣りに出かけ、どんな魚が住んでいるのかを知ることも考えています。
 
千葉 体験を通して、また別の分野への興味が湧いてくる子どももいそうです。
 
芝﨑 おっしゃる通りです。顕微鏡で小さな世界を覗くことで“興味が拡張”され、今度は遠くの世界が気になり天体望遠鏡を覗くようになった子もいます。そして、「どうやったら月に行けるのかな」という疑問が湧き、ついには園児みんなで力を合わせてペットボトルロケットを作成して見事に飛ばしたんですよ。
 
千葉 それはすごい! 理科の実験を体験することで、さまざまな可能性が広がるわけだ。
 
芝﨑 想像力を育むには理系教育以外のことも大事です。そこで保育園では珍しく、図書館司書の資格を持つ職員を雇用しており、1クラスあたり年間100冊の本を読み聞かせる時間を設けて、想像力を育むための栄養を補給しているんです。また、私は子どもの主体性を大事にしたいと思っているので、子どもがやりたいことを十分できるよう一斉活動をやめました。ただなにをやってもいいという自由ではなく、子どもの関心や発達を見て保育士が遊びを仕掛けているのですが。
 
千葉 保育園では、園児に同じ行動をさせる一斉活動をするのが当たり前だと思っていました。でも、芳雄会さんの運営する園では、縛られずに好きなことができるんですね。こちらにお邪魔して、保育士さんや職員さんの数が多いことに驚きました。それは、子どもたちに思い思いに楽しんでもらうために必要なんでしょうね。
 
芝﨑 ええ。実は当園は、子どもとの愛着を大事にしていて、2歳児まで担当の保育士を決めています。そのぶんスタッフの数が必要になるんです。
 
千葉 園児一人ひとりに担当がいる保育園というのは初めて聞きました。でも、どうしてそのような体制にしたのでしょう。
 
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芝﨑 0歳児や1歳児は保育園に預けられると「親に置いていかれた」と感じて、ずっと泣き続けてしまうことが多いですよね。
 
千葉 わかります。それをなだめるのも大変ですよね。
 
芝﨑 そのような子どもの不安を取り除くためにも、「この大人は安心できる」と実感してもらうことが重要です。ですから当園では担当の保育士を決めて、おむつの交換や着替えなど園児のお世話は必ず同じ職員が行うようにして、子どもに安心してもらえるような関係性を築いているんです。